愛シキ君ハ秘密多キ人

紫鴛

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日常的な私と非日常的な彼

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チュンチュン─────

鳥の鳴く声に目を覚まし目覚まし時計を見ると午前6時。
もう一眠りしたいと思ったが…私は一応高校生ている為に支度をしなければいけない。
はぁ…なんで学校なんて行かなきゃ行けないんだよ。めんどくさい。

ピンポーン─

憂鬱だと思っているとインターフォンがなった。
きっとアイツだと思いながら部屋から飛び出し玄関のドアを開けた。

「はよー☆」
「……おはようございます。
元気ですね、私はまだ寝起きですのであまりテンションは高くないのです。」
「知ってる。まぁとりあえず早く着替えてきなよ。
俺はいつも通りリビングにいるからさ。」

傍から見れば家主の許可も得ずに勝手に入ってくる不法侵入者は私の幼馴染み兼高校の先輩だ。
無駄に顔だけは良いから結構モテる。
…正直コイツがモテるとか気に食わない。
だって、好きな人だから。

「ほらガン飛ばしてくんなそしてぼーっとしない!」
「はーい分かりました。」

自分の気持ちを隠すかのようにして適当に返事をして私は部屋に戻った。


・・・・・・・・・・・・・・


基本私は朝ごはんを食べない。
食べた方がいい事ぐらい分かっているけど何だか食べると気分が悪くなるから食べなくなった。
それよりも…

「なんで私と登校なんてするんですか。ファンの女の子達と一緒に行けばいいじゃないですか。」
「何それ。俺に対する皮肉ですか?」
「それ以外に何があるんですか。」

自分で言うのもなんだけど私は地味だ。
学校でも目立つ訳もなく常にボッチを極めている。
そんな地味な私とイケメンで学校でモテる彼と登校するのは私の日常と同時に非日常な出来事である。

「昔は可愛い子だったのになぁ…にぃにって呼んできてさ。
なのに今は…こんな立派なほど生意気になって。」
「余計なお世話です。というか、私からすればあなたはそんなチャラチャラした顔だけいい残念男だった、なんて記憶はございません。」
「うわぁ…めっちゃディスられた。お兄さんのハートズタボロ。」
「勝手になっててください。さて学校がもう数十m先にありますので先に行かせていただきます。」

私を呼び止める声を無視し、学校の校門をくぐる。
周りは友達に会うとおはようと挨拶を交わし一緒に教室へと向かう。
最も私から遠い行動だ。それに──

『あの子、今日も先輩と登校してる。』
『うわぁ…先輩可哀想。もしかして美人だなんて勘違いしてる?』
『だったら頭イってるじゃん!』

アイツと毎日登校することによって周りから反感を食らう日々。そんな私にあんなふうに友達とだなんで絶対という程にありえない。
………なんて言っているがそれをしてしまうのがアイツなのだ。
本当に迷惑な人…。
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