222 / 226
214 推しと新しい日々の始まり
しおりを挟むいやぁー良かった。
良かったよぉ。
中々長い行為が一通り終わった後、テオにはまた隅々まで身体を洗って貰い、身なりも整えてくれて、ベッドに入り、今は逞しい腕枕でうっとりしている最中だ。
「もっと楽しみたいが、今後の楽しみに取っておこう」
そう言うけど、何回したかな。
立ったままイカされたり、弄られたり…。
お風呂でも一回したけどね…。
そうそう、テオって思った以上に、恋人とかお相手の世話を焼きたいタイプみたい。
俺もだけど、テオに甘やかされるのは気持ち良く、悪く無いなと好きにさせて、その都度感謝のキスをしておいた。
これから夫夫になるんだから、お互いのやり方を理解して、線引きも決めていかないとね。
「明日…と言うか今日だが。夕方にはホセ殿達を見送って、ゆっくりしたら、翌日には帝都を見て回らないか?」
「うん。気になるお店も多かったし、レモルトや王都にも持ち帰れるかもしれないから、楽しみだな」
今からは二人でゆっくりと出来るねと笑うと、テオも嬉しそうに頷いた。
周りはそれはそれはバタバタしてるみたいだけど、皇帝と皇太子がテキパキと動いてくれているみたい。
何でも、皇帝は不穏な動きが長年あるのを気付いてはいたみたい。
だから、裏ではバチバチしてたみたいよ。
まさか、タニアが公爵令嬢では無かったのは予想外だったみたいだけどね。
「…サンジカラの魔術師達の亡骸も多く見つかった」
「命を掛けた魔術の威力は、桁外れだって言うものね…。長年何人もの犠牲を出して目眩ししていたんだね。それが、麻薬の影響でボロが出て、崩れ始めたのか…」
捕えられた魔術師や貴族達は、薬抜きを施されて、おとなしく取り調べを受けているそうだ。
匿っていた貴族の地下から、多くの白骨遺体が発見されたと聞いた。
数人の処刑は確定だろうし、残りもラッカルでもかなり厳しい所へ送られるそうだ。
「祈りを捧げ、肉体労働をする所だな。とてもじゃ無いが逃げられない離島だ。皆、避妊や去勢を施される事が確定しているから、子孫も残らない。今いる子供達も同じく処置が施される」
「そう…」
罪の無い子供達も、ラッカルヘ向かうか、静かに平民として暮らすしか道は無い。
一応皇帝殺害未遂だからね。
皇帝への信仰も厚いこの国で、平穏に暮らすのは難しいだろう。
麻薬が蔓延していたからか、精神に異常をきたす者も多いそうで、今後は療養所に隔離される者もいるそうだ。
「まだ、残党はいるんだろうね」
「ああ。だが、今回大きな力を潰す事が出来たからな。一先ずはおとなしいだろう」
「ふふ。結婚式も安全そうだね」
「ああ、楽しみだな」
テオの胸に抱かれて、俺は幸せな気持ちに包まれる。
レモルトの温泉宿も良い感じに動き出しているし、結婚式の時は貴族用の場所を貸切で使用を考えている。
「スノラリアに向かう事も考え、スノラリアからも招待をと思っている。例の王子を招待しても?」
「うん。問題無いよ」
「マド公爵の了承を得たら先にラッカルへ向かい、マド公爵達と合流してからスノラリアへ向かう手筈になるだろう。スノラリア王国と帝国は良好な関係を築いてはいるが、やはりラッカルの使者がいると強いからな」
前皇帝の弟って言う肩書も、ラッカルの公爵には負けてしまうんだ。
「それも問題は無いけど…。そう言えば、スノラリアの情報ってあまり知らないかも…。俺ももっと勉強してから向かわないとね」
少し遠いだけで、年中雪に覆われた国と言う知識くらいしか無いかも。
城や教会、商店や居住地などはすべて地下が作られており、入り口も地上用と地下用が存在していて、地下都市とそのまま繋がった作りになっていた。
城は防犯のことも考えて、地下都市には一つの門しか繋がっていないみたいだけど。
地下も大きく開発されていて、道路もあるし馬車も通れるんだって!
二酸化炭素や匂いが篭らないように、通気口などしっかりキレイな空気が循環する環境が整っているらしい。
日光が当たらないと、人体にも影響があるとこちらの世界でも言われているので、それに該当する食品やらが開発されてるとも聞いた。
「雪国だが、夏と冬が存在する国で、夏は外を出歩いても平気だったが、冬になると外に出るのも大変だった。私の身長以上に雪が積もるからな」
「俺たちが向かうのは、向こうの季節では夏の終わりぐらいになるのかな?」
「そうだな。スノラリアのスイレン神祭りの時期と重なりそうだ」
「スイレン神祭り??」
どの国もスイレン神のお祭りはあるけど、国によって違いも大きいのかな?
トーレや帝国は同じ様な時期に、大々的にお祭りがあるけど。
「ああ、スイレン神と夫であるツキ神の夫夫愛を讃える祭りだな。スノラリアの中央教会が一般にも開放されるんだ
「あ!!あの運命の祈りの教会?」
その教会なら知ってるぞ!!
とても徳のある神父が建設した教会で、祭壇に飾られたスイレン神とツキ神の前で祈ると、凄い事が起こるのだ。
「そうだ、その教会だ」
テオも、知っていたのかと笑う。
知ってるも何も、すっごい有名だよ。
恋人同士や夫婦二人で揃って祈りを捧げるのだが、その時の二人の相性によって祭壇が光り輝くのだ。
美しければ美しい程、輝きが大きければ大きい程、相性が良いとされている。
「ロマンチックだよね…」
「ふふ。そうだな。…機会があったら、一緒に祈りを捧げに行こう」
「うん!!」
そうだな、折角だから新婚旅行の一つだと考えて楽しんで来よう!
俺とテオが祈りを捧げたら、光り輝き過ぎて目潰しになっちゃうかもな~。
295
お気に入りに追加
1,141
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
転生令息の、のんびりまったりな日々
かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。
※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。
痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。
※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.
代わりでいいから
氷魚彰人
BL
親に裏切られ、一人で生きていこうと決めた青年『護』の隣に引っ越してきたのは強面のおっさん『岩間』だった。
不定期に岩間に晩御飯を誘われるようになり、何時からかそれが護の楽しみとなっていくが……。
ハピエンですがちょっと暗い内容ですので、苦手な方、コメディ系の明るいお話しをお求めの方はお気を付け下さいませ。
他サイトに投稿した「隣のお節介」をタイトルを変え、手直ししたものになります。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~
クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。
いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。
本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。
誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
僕の兄は◯◯です。
山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。
兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。
「僕の弟を知らないか?」
「はい?」
これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。
文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。
ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。
ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです!
ーーーーーーーー✂︎
この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。
今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる