転生腹黒貴族の推し活

叶伴kyotomo

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208 推しと全速力の吉報

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「スノラリアへは、テオドールを独身で向かわせる事は難しくてな」

皇帝の言葉に、チラリとテオを見ると苦笑している。

「大した事では無いが、以前あちらの王女との縁談を断っているんだ」

はい、大した事ありましたー!!

もう!

俺のモテ過ぎ問題!!

あら~うふふと目は笑わずに笑うと、テオはニヤリと笑い返してくる。

「その時には既に、ギルと生涯を共にと決めていたからな」

「…なるほど」

それなら仕方ないか~。

俺の旦那様はモテモテだけど、俺の事が大好きなんだもんね~!!

うふふとテオとイチャコラしていたら、コホンと皇帝が咳をする。

「そんな訳で、婚約したばかりで申し訳無いのだが、急ぎ結婚をして貰いたい。ネラ、バランモス公爵、ジュレス公爵夫夫、そしてテオドールとその妻レモルト公爵として参加して欲しいのだ」

あ、そっかレモルト公爵になるんだ。

それなら、トーレの許可も必要そうだな。

だから父様は不機嫌な顔してたの??

そう思ってチラリと父様を見ると、何やら不機嫌と言うよりアレは…。

「ほらレス。立て続けに息子達が巣立つ寂しさは分かるけれど、喜ばしい事じゃないか」

「む、うむ…」

父様ー!!

そうだよね、いきなり三人も結婚しちゃったら寂しいよねぇ!!

俺も寂しいけど、テオとも早く夫夫になりたいしなぁ。

そう思っていると、シェル様が妖艶に笑う。

「それに、レモルトもジャメルも隣だろう?王都も随分と行き来しやすくなった。それにレッドドラゴンもいるのだから、いつでも会いに行けるさ。それと…。私達も新婚じゃないか。二人きりを楽しんでも良いのではないか?」

「う、うむ。そうだな。コホン。早急に王家へ進言しよう」

父様が掌でコロコロされてる~!

流石ですシェル様ー!!

父様も顔を赤くしてるし、シェル様も二人きりを楽しみたいって言ってるし、なんとか収まりそうだ。

…俺、もしかしたら弟か妹が出来るかもなぁ。

楽しみ!!

「問題は無さそうだな。曜日はトーレも帝国も吉日がそれぞれ違うだろうから、そちらを優先して貰って構わない」

「それでしたら、我が国の王太子のご成婚が終わってからの吉日はいかがでしょう?三ヶ月後になりますが…」

「ふむ。ゼンドラル、このあたりはどうだ?」

「問題無いかと」

おお、お国の事情で俺の結婚式が決まって行く。

俺は俺でレモルトの開発を急がなきゃだな。

宿も周りの施設も出来上がってるし、俺達の式に合わせて大々的に祭りをしても良さそうだ。

そう考えつつチラリとテオを見ると、テオは苦笑していた。

「…急ぎ足になってすまない。準備で慌ただしくなるが、大丈夫か?」

あ、俺に申し訳無く思ってる?

婚約者って間柄を楽しむ間も無く、急いで結婚だもんね。

でも俺は大歓迎なんです!!

「テオと早く夫夫になれるなんて、とっても嬉しいよ!」

おっと力が入り過ぎた…。

「そうか…。私もだ」

俺が笑顔でそう言うと、テオは驚きながらも笑顔で返してくれたけど、皇帝達には心配は要らなかったなと笑われてしまった。

いけないいけない。

クールなポーカーフェイスのギル様の仮面が、ズレてしまったね。

軌道修正しなきゃ。

そんな事を考えていると、テオはそれはそうとと皇帝を見る。

「もしや兄上も参加するおつもりで?」

「当たり前だろう」

「…警備の問題もあります。ご自分のお立場をお考え下さい」

え、皇帝参加するの!?

マラサッタ帝国の皇帝って、国外には滅多に出ないって聞いた事あるんだけど。

子息の結婚も、帝国の帝都以外では参加はほとんどしないって。

マラサッタは領土も広いし、人口も圧倒的に多く、歴史も古く皇帝はそれはそれは偉い方なのだ。

ほとんどがスイレン神を信仰しているが、同じくらいに皇帝を崇拝している国民が多い。

それが故に命を狙われる事があっては大問題な為、厳重な警備の中で暮らしているのだ。

「領地ごとの結婚でもある。領民への今までの感謝と、新しい門出を自ら祝うのは当然だ」

うーーーん。

皇帝が自ら足を運んでくれたら、レモルトの領民達は喜ぶだろうし、トーレ王国に吸収される事も納得してくれると思う。

でも、帝都からレモルトって結構遠いのだ。

その距離を目立たずに移動って、皇帝だったら尚更無理だろうし…。

テオも参加は嬉しいんだろうけど、皇帝の立場を考えたら難しいって分かってるんだよね。

「ふむ。護衛の問題でしたら、私がカーリンと一緒に参加致しましょう。それなら問題無いのでは?」

そこに鶴の一声だ。

父様の提案に、皆目を丸くした。

「か、カーリンとは…?」

何とか声を発したゼンドラル公爵の問いに、父様は説明不足でしたねと苦笑する。

「今、グリーンドラゴンの寝床にお邪魔している、我が国のレッドドラゴンの子供です」

「レッドドラゴンの子供…」

ゼンドラル公爵の呟きに、父様はにこやかに付け加える。

「はい。もし子供一匹で不安でしたら、どちらかの親にも頼んでみましょう。ギルの結婚式ですからね。どちらも快諾してくれるでしょう」

それなら問題無いのではと笑う父様に、違う、そうじゃ無いと俺は心の中で突っ込む。

多分、シェル様やテオや、皇帝達だって引きつっているから分かってる。

ゼンドラル公爵はに引っかかってるんじゃ無くて、レッドドラゴンを護衛に使おうとしてる父様に驚いてるだけなんだよなぁ。



























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