転生腹黒貴族の推し活

叶伴kyotomo

文字の大きさ
上 下
6 / 227

4 推し活の為にも恩は売る

しおりを挟む

俺は多くの貴族から感謝されることになった。

今回俺はリリーのことを使って、四方八方に恩を売ることにしたのだ。

もちろんフロル様の事は、あんなクソ婚約者なんか捨てられてしまえという個人的思惑もあったのだが。

隣国でリリーの話を聞いた時は、とんでもない令嬢がいたもんだと、隣国のゴシップくらいに考えていた。

しかし話のネタくらいに考えて聞いていたところ、隣国ギルドで酔っ払った奴らが極秘情報だと色々教えてくれた。

話の中で、修道院を免れてこちらの学園に極秘に入学したと聞いて驚いた。

そんな問題児を貴族のご子息が通う学園に入学させるとは、何考えてたんだろうね。

もうヤケクソで何か弱みでも握って、こちらに一族ごと逃げてくるつもりだったのだろうか。

そう思って子爵のことも調べたら、おやおやという事実も見つかり、俺は奮起した。

隣国で俺のお色気おねだりお願い作戦を駆使し、ギルドの情報屋やらからリリーの情報をかき集めた。

そして俺のお得意の魔術やら何やらを使って、裏の人間にお金も払い彼女の行動を細かく調べ上げたのだ。

調べあげてもらった結果を聞いて驚いた。

いろんな男に手を出し過ぎていたのだ。

一人二人くらいならと思いきや、顔の良さなどで選んだのか、若くイケメン揃いのデートの男が十数名。

学生の婚約者などはほとんど、このデート要員であろう。

そしてエッチなおねだりをしてお買い物してもらう、金を持っているような中高年の男が十数名。

最後が自分の利益に一番なりそうだった公爵家のヨハンである。

よく男達にもバレなかったなと思ったが、自分以外に男がいるとわかっていて相手をしている男の方が多く、所謂として重宝されていたようだ。

それでも自分にとって利のあるヨハンにはバレたくなかったようで、王都以外での逢瀬の多いこと多いこと。

さすがに俺も呆れたくらいだった。

あ、ちなみに俺はこんなに軽くないぞ?

こう見えてただの一人遊び上級者の童貞処女だ。

まあそれは置いといて、隣国からのアバズレによる我が国の貴族の品位の低下に危機感を覚えたのだ。

そんなに真面目な人間ではないが、リリーのせいで推し活動に障害が出る可能性も捨てきれなかった。

お家騒動など面倒ごとに推しが巻き込まれるのも嫌だし、俺が巻き込まれるのもゴメンだ。

そう思い、話の分かりそうなところにそれとなーく彼女の話を広めておいたのだ。

隣国の情報が一早く入ってくるので、こんな話があるんですよ。

国が乱れては問題なので、聞いてもらえませんか?

そんな感じで、自分の領地にも利になりそうな所から広めていった。

そのおかげで、自分の友人や親族のお相手に心当たりがあるお家から、情報を貰えないかと声を掛けられる事が増えた。

もちろんですと情報を流しつつ、自分の領地に利になるようお願いしたりした。

作物を優先的に流してもらったりとかね。

そんなこんなで、情報を貰って相手より上に立ちたいお家にはとても感謝されたよ。

もちろん俺が嫌いなところには情報なんか流さなかったけど。

その為ヨハンはあんなバカ女に熱を上げてくれたのだ。

実は、ヨハンの実家であるダイヤ公爵家現当主は、父と同級生なのだ。

フロル様のご実家のリーナイト公爵家現当主であるシェル様は、フロル様の叔父ということもありフロル様に似ていらして、美しく長い金髪と碧眼の美中年である。

そのシェル様を学生時代父と取り合ったのがダイヤ公爵なのだ。

取り合ったというか、父の片思いだったのかな?

辺境伯爵家の次男が、三大公爵家の次男に好意など口にも出せず、気付いていたダイヤ公爵が田舎者の癖にと馬鹿にしていたのだ。

その度シェル様がダイヤ公爵に苦言を呈していたと、父はよく話していた。

シェル様と父は優秀クラスだったこともあり、仲は良かったのだ。

その後お家同士でシェル様とダイヤ公爵は婚約が決まっていたようなのだが、なんとこの男、シェル様に白い結婚を求めて他の女と子供を作ったのだ。

その後リーナイト家当主が亡くなりシャル様が後を継いだ事により、婚約は破棄されたのだが。

自分が公爵家同士で婚姻ができなかったからと、フロル様と自分の息子を婚約させたようで、その話を聞いた父は少し寂しそうな顔をしていたのだ。

そこで思ったのだ。

利になる貴族達には恩を売って。

嫌いな貴族は嵌めてやろうと。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

転生令息の、のんびりまったりな日々

かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。 ※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。 痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。 ※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.

兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~

クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。 いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。 本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。 誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

勘違いの婚約破棄ってあるんだな・・・

相沢京
BL
男性しかいない異世界で、伯爵令息のロイドは婚約者がいながら真実の愛を見つける。そして間もなく婚約破棄を宣言するが・・・ 「婚約破棄…ですか?というか、あなた誰ですか?」 「…は?」 ありがちな話ですが、興味があればよろしくお願いします。

処理中です...