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21「島岡めぐみ」
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21「島岡めぐみ」
華名子は月原の病室から出ると、そのまま病院の中庭にむかった。人も殆どおらず、閑散としている。自動販売機の横の小さなベンチに腰を掛けた。
これからやらなければならない事。父の愛人かもしれない女に会いに行き、絵を送った理由を知る。そこに何らかの願いがあれば、想いを晴らし、無理ならそれこそ最終手段だ。
手掛かりはわかっているはずと、月原は言っていた。
何が分かっていると言うのだろうか。手掛かりを得て、真実に近づくと言う事がどれだけ自分にとって――
握った手の内に爪が食い込み、痛みを覚えた時、ふと、自分の前に誰かが立っている事に気がついた。
ゆっくりと顔をあげると、そこには月原の友人という、島岡めぐみが立っていた。
目が合うと、めぐみは小さく礼をして、何か話したそうな顔をしていた。
本当なら無視したいが、今はまだ教師の大人の仮面を被れている。
「島岡さん、良かったら隣、座って」
いつものように、生徒に対応する教師として。
「池内先生、お久しぶりです。あ、座らせてもらいますね」
めぐみは礼を言うと、華名子の隣に座った。
隣に座った島岡めぐみは月原と比べるとあまりにも普通の少女だ。本当にあの月原と友達なのか、かなり疑わしい。
島岡めぐみも二年生からは美術を選択していなかったので、一年生の頃の記憶しかない。月原のように、エキセントリックというか、珍妙な絵ではなく、下手でもなく上手くもなく、絵を描きなれていない平均的な女子高生が描くような絵を描く。有体に言えば記憶に残らない、平凡な生徒だ。殆ど会話もした事が無いので、めぐみがどんな性格か、何に興味を持ち、何を好んでいるか。全く知らない。そんなめぐみが隣に座ってもどう話して言いか、華名子には分からなかった。
そして、それは向こうも同じようだ。
当然の如く、微妙な空気が二人の間を流れるが無理も無い。お互いの事を知らない上、華名子は隣に座る少女の友人を危うく刺し殺す所だったのだ。
しかし、あれは憑き物のせいだ。お陰で、と言うとおかしな話だが、秘密裏に処理され華名子は未だに罪に問われる気配はない。罪悪感はあるが、不思議と心が潰されるような感覚はなかった。
思えば異常だ。人を刺したのだ。普通なら心が千々に乱れるようなものだが、自分の力の及ばない憑き物の仕業というなら仕方ない。
心の中で言い訳をしていると、めぐみがじっと、自分を見ている事に気づいた。口火を切れない元生徒の為、大人が口を開いた。
「ごめんなさいね。あなたのお友達を傷つけてしまって――」
どこからどうみても、自分の行いを悔い、後悔してる大人の表情だ。そんな顔をみて、めぐみはぽつりと話し始めた。
「――月原さんから色々聞きました。後、理事長先生からも。池内先生も大変だったみたいですね」
「理事長先生? 来ていたの?」
そういえば自分に連絡をした理事長の姿を見ていない。めぐみの言い方からすると、既に面会に訪れていたようだ。
「はい。ちょうど先生とは入れ違いでしたけど」
「理事長先生、フットワークが軽いわね」
「何かあったらすぐに駆けつて、サクッと解決がモットー、らしいですよ。怖い顔して面白い人ですよね。それにすごくいい人。わたしとってもお世話になったんです」
すごくいい人。正直今まで校長や教頭を締め上げる恐ろしい上司というイメージしか無かった。しかし、憑き物の件からは、月原家に媚を売ったかと思うと、月原を刺してしまった自分にも優しくフォローをしてくれた。更に、月原を刺した件を本当に秘密裏に処理し、華名子は未だ警察のお世話になっていない。
めぐみはそんな理事長に世話になったと言った。きっと、父親が逮捕された時の事だろうが、目の前の少女はあの月原の友人という事と、こうして自分に話しかけようとしている事を考えると――
「もしかして、理事長先生にお世話になった事って、憑き物関係なの?」
めぐみは少し驚いたような顔をしたが、どうやら正解だったようだ。
「わ、分かりますか!」
分かりやすい表情に、分かりやすい反応。何から何まで月原とは真逆だ。意外にこういう純真なタイプの方が変人とは合うのだろうか。
「顔に書いてあるわ。もし良かったら、あなたの憑き物の事、聞かせてくれる?」
華名子の言葉にめぐみは勢い良く頷いた。
めぐみはあまり説明が上手い方では無かったが、いつ鬼と言う憑き物が母親に取り憑き、めぐみも危うく母親共々首を吊らされそうになった所、月原に助けられ、それからの仲だと言う。
世間知らずで暢気そうなめぐみだが、その裏では母親と共に殺されかけ、父親は犯罪者となり逮捕され、追われるようにこの地を離れた、と聞くと意外にハードな人生だ。
華名子はめぐみの話を聞いていると、妙な親近感を抱き始めている事に気づいた。
めぐみも華名子も、父親のせいで人生を狂わされた――
目の前の少女は、実の父親をどう思っているのだろう。やはり、恨んでいるのだろうか、思い出したくもないのだろか。
自分が同じ立場なら、きっと間違いなく恨むだろう。
しかし、めぐみは話の中で、ただの一度も父親の悪口や恨み言は口にしなかった。普段は娘にとって、いい父親だったのだろうか。しかし、一見善良な――味方と思っていた人物だって平気で裏切るのだ。
後ろ暗い考えに支配されつつあったが、めぐみの視線に気づいて我にかえった。
「大変だったわね……」
こう、返すのが一番だろう。
「そんな事無いです、とは言えませんよね。でも、今は落ち着いています。先生は、今真っ最中って感じですね」
「そうね……早く全部終わればいいんだけれど。月原さんにも申し訳ない事をしたわ。まさか、体を乗っ取られるなんて」
急にめぐみは驚いたような表情になった。まるで、わたしも同じ、と言わんばかりだ。
「実は私も体を乗っ取られたんです! なんか、変な感じですよね」
分かりやすい子だ。
「ええ、本当に。でも、考えてみたら憑き物も、お祓いなんかされたく無いわよね。だって消えちゃうんだもの」
一瞬の間を置いて、めぐみが口を開いた。
「どう言う事ですか?」
めぐみが何やら不思議そうな表情をしている。特別難しい事を言った訳では無いが、何処か腑に落ちない所があったのだろうか。
華名子は何故か、急に目の前の少女が面倒な存在に思えてきたが、何も答えない訳にもいかない。
「言葉の通りよ? 私そんなに変な事言ったかしら」
平静を装うが、何処か言葉に棘があると自覚していた。
「ええと、あの、詳しいことは聞いてないんですけど、憑き物をお祓いしようとして、体を乗っ取られたんですか?」
「そうよ。お祓いをする為の手掛かりがある場所へ向かおうとしていたの。それで、憑き物が自分の存在を消されたくなくて私に取り憑いて月原さんを刺したのね」
めぐみの表情が険しくなっていく。どうやら何か、知らない内に間違った答えをしてしまったのだろうか。
憑き物に対する知識は月原の友達であるめぐみの方がまだ豊富だろう。
余裕があるように見せても、すでに華名子の心は苛立ちを覚えていた。
訳の分からない事に巻き込まれて、見たくない、知りたく無い事実を突きつけられ、更には人を刺してしまった。本来なら今頃警察のご厄介になっているのだ。
もはや感覚が麻痺しているのか、精神が不安定なのか。
華名子は今、この場から逃げたい気持ちに支配されていた。
華名子は月原の病室から出ると、そのまま病院の中庭にむかった。人も殆どおらず、閑散としている。自動販売機の横の小さなベンチに腰を掛けた。
これからやらなければならない事。父の愛人かもしれない女に会いに行き、絵を送った理由を知る。そこに何らかの願いがあれば、想いを晴らし、無理ならそれこそ最終手段だ。
手掛かりはわかっているはずと、月原は言っていた。
何が分かっていると言うのだろうか。手掛かりを得て、真実に近づくと言う事がどれだけ自分にとって――
握った手の内に爪が食い込み、痛みを覚えた時、ふと、自分の前に誰かが立っている事に気がついた。
ゆっくりと顔をあげると、そこには月原の友人という、島岡めぐみが立っていた。
目が合うと、めぐみは小さく礼をして、何か話したそうな顔をしていた。
本当なら無視したいが、今はまだ教師の大人の仮面を被れている。
「島岡さん、良かったら隣、座って」
いつものように、生徒に対応する教師として。
「池内先生、お久しぶりです。あ、座らせてもらいますね」
めぐみは礼を言うと、華名子の隣に座った。
隣に座った島岡めぐみは月原と比べるとあまりにも普通の少女だ。本当にあの月原と友達なのか、かなり疑わしい。
島岡めぐみも二年生からは美術を選択していなかったので、一年生の頃の記憶しかない。月原のように、エキセントリックというか、珍妙な絵ではなく、下手でもなく上手くもなく、絵を描きなれていない平均的な女子高生が描くような絵を描く。有体に言えば記憶に残らない、平凡な生徒だ。殆ど会話もした事が無いので、めぐみがどんな性格か、何に興味を持ち、何を好んでいるか。全く知らない。そんなめぐみが隣に座ってもどう話して言いか、華名子には分からなかった。
そして、それは向こうも同じようだ。
当然の如く、微妙な空気が二人の間を流れるが無理も無い。お互いの事を知らない上、華名子は隣に座る少女の友人を危うく刺し殺す所だったのだ。
しかし、あれは憑き物のせいだ。お陰で、と言うとおかしな話だが、秘密裏に処理され華名子は未だに罪に問われる気配はない。罪悪感はあるが、不思議と心が潰されるような感覚はなかった。
思えば異常だ。人を刺したのだ。普通なら心が千々に乱れるようなものだが、自分の力の及ばない憑き物の仕業というなら仕方ない。
心の中で言い訳をしていると、めぐみがじっと、自分を見ている事に気づいた。口火を切れない元生徒の為、大人が口を開いた。
「ごめんなさいね。あなたのお友達を傷つけてしまって――」
どこからどうみても、自分の行いを悔い、後悔してる大人の表情だ。そんな顔をみて、めぐみはぽつりと話し始めた。
「――月原さんから色々聞きました。後、理事長先生からも。池内先生も大変だったみたいですね」
「理事長先生? 来ていたの?」
そういえば自分に連絡をした理事長の姿を見ていない。めぐみの言い方からすると、既に面会に訪れていたようだ。
「はい。ちょうど先生とは入れ違いでしたけど」
「理事長先生、フットワークが軽いわね」
「何かあったらすぐに駆けつて、サクッと解決がモットー、らしいですよ。怖い顔して面白い人ですよね。それにすごくいい人。わたしとってもお世話になったんです」
すごくいい人。正直今まで校長や教頭を締め上げる恐ろしい上司というイメージしか無かった。しかし、憑き物の件からは、月原家に媚を売ったかと思うと、月原を刺してしまった自分にも優しくフォローをしてくれた。更に、月原を刺した件を本当に秘密裏に処理し、華名子は未だ警察のお世話になっていない。
めぐみはそんな理事長に世話になったと言った。きっと、父親が逮捕された時の事だろうが、目の前の少女はあの月原の友人という事と、こうして自分に話しかけようとしている事を考えると――
「もしかして、理事長先生にお世話になった事って、憑き物関係なの?」
めぐみは少し驚いたような顔をしたが、どうやら正解だったようだ。
「わ、分かりますか!」
分かりやすい表情に、分かりやすい反応。何から何まで月原とは真逆だ。意外にこういう純真なタイプの方が変人とは合うのだろうか。
「顔に書いてあるわ。もし良かったら、あなたの憑き物の事、聞かせてくれる?」
華名子の言葉にめぐみは勢い良く頷いた。
めぐみはあまり説明が上手い方では無かったが、いつ鬼と言う憑き物が母親に取り憑き、めぐみも危うく母親共々首を吊らされそうになった所、月原に助けられ、それからの仲だと言う。
世間知らずで暢気そうなめぐみだが、その裏では母親と共に殺されかけ、父親は犯罪者となり逮捕され、追われるようにこの地を離れた、と聞くと意外にハードな人生だ。
華名子はめぐみの話を聞いていると、妙な親近感を抱き始めている事に気づいた。
めぐみも華名子も、父親のせいで人生を狂わされた――
目の前の少女は、実の父親をどう思っているのだろう。やはり、恨んでいるのだろうか、思い出したくもないのだろか。
自分が同じ立場なら、きっと間違いなく恨むだろう。
しかし、めぐみは話の中で、ただの一度も父親の悪口や恨み言は口にしなかった。普段は娘にとって、いい父親だったのだろうか。しかし、一見善良な――味方と思っていた人物だって平気で裏切るのだ。
後ろ暗い考えに支配されつつあったが、めぐみの視線に気づいて我にかえった。
「大変だったわね……」
こう、返すのが一番だろう。
「そんな事無いです、とは言えませんよね。でも、今は落ち着いています。先生は、今真っ最中って感じですね」
「そうね……早く全部終わればいいんだけれど。月原さんにも申し訳ない事をしたわ。まさか、体を乗っ取られるなんて」
急にめぐみは驚いたような表情になった。まるで、わたしも同じ、と言わんばかりだ。
「実は私も体を乗っ取られたんです! なんか、変な感じですよね」
分かりやすい子だ。
「ええ、本当に。でも、考えてみたら憑き物も、お祓いなんかされたく無いわよね。だって消えちゃうんだもの」
一瞬の間を置いて、めぐみが口を開いた。
「どう言う事ですか?」
めぐみが何やら不思議そうな表情をしている。特別難しい事を言った訳では無いが、何処か腑に落ちない所があったのだろうか。
華名子は何故か、急に目の前の少女が面倒な存在に思えてきたが、何も答えない訳にもいかない。
「言葉の通りよ? 私そんなに変な事言ったかしら」
平静を装うが、何処か言葉に棘があると自覚していた。
「ええと、あの、詳しいことは聞いてないんですけど、憑き物をお祓いしようとして、体を乗っ取られたんですか?」
「そうよ。お祓いをする為の手掛かりがある場所へ向かおうとしていたの。それで、憑き物が自分の存在を消されたくなくて私に取り憑いて月原さんを刺したのね」
めぐみの表情が険しくなっていく。どうやら何か、知らない内に間違った答えをしてしまったのだろうか。
憑き物に対する知識は月原の友達であるめぐみの方がまだ豊富だろう。
余裕があるように見せても、すでに華名子の心は苛立ちを覚えていた。
訳の分からない事に巻き込まれて、見たくない、知りたく無い事実を突きつけられ、更には人を刺してしまった。本来なら今頃警察のご厄介になっているのだ。
もはや感覚が麻痺しているのか、精神が不安定なのか。
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