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2章 私が生まれた世界“トゥーラン”
35.今日から冒険者
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はぐれた場合はギルドで待つこと。
そんな約束をしていたおかげでギルドで二人と合流が出来た。最初龍くんに怒られはした物の、私が産まれた場所に行っていたと言ったら、それならいいと言われ怒られずにすんだ。
そして私達は案内の人にまたさっきの応接室に通され、今度はすぐにいろんな書類を持ったヨハンさんがやって来た。
「これがあなた達の今の診断結果よ。リュウノスケとセイヤはレベルは低くなってはいる物の、それでもこの数値だったらギルド登録者でもトップ十以内に入るわ」
「思いの外下がってないんだな。星夜はどうなんだ?」
私達全員にグラフや数字と文字が書かれた診断表と預けた魔法石を渡し、まずはパパと龍くんの結果を伝える。
龍くんはその結果内容に納得したようで安堵するけれど、パパは不満があるらしく眉を曲げ顔をしかめた。
「本当にこの数値は正しいのか? これだったら以前の八割程度だが、感覚的には五割程度しか掴んでないんだが」
「正しいに決まってるわよ。しかも三十年前より精度が上がってるわ」
「お前はいつだって過小評価し過ぎだからな? それとも三十年前の自分を過大評価し過ぎなんじゃないか?」
あろうことか診断結果を疑うパパに、セレスさんはムッとして正しいと主張。龍くんはやれやれと言わんばかりに、ばっさりとパパの性格を見抜く。
私も龍くんの前方の考えに一票。
ガーロットを跳び蹴りだけ気絶させる。それだけで能力は高いに決まっている。
それなのにパパはまだ納得がいかないらしい。
「さすが龍ノ介ね。セイヤのことは任せるわ。セイカちゃん達にはチンプンカンプンだと思うから、詳しく見方の説明をするわね」
『はい』
今度は私達の番になり緊張のあまり唾をゴクンと飲む。
ヨハンさんの言う通り、診断表を見ても基準数値が分からないからさっぱりだ。
特殊スキル 魔王の力 聖女の力。
これはよく分かる。けれ魔王の力を持っていると公表したら、騒ぎになるだけじゃなくって処刑されるだろう。
「まずは魔力量なんだけれど、これは天性の才能。努力して限界値を上げられたとしても10数程度。普通の人は100前後で、魔術の才能があると言われる人は200以上。400以上あれば、王家管轄の魔術部隊に入れるわ。ちなみに魔力というのは現在の魔力。リュウノスケは魔力量が人類最高の720で、魔力は680」
「だから龍くんはチートなんだ。私は魔力量が650で、魔力が400? 結構高い」
「私は魔力量が322で、魔力が150だって」
「……オレは魔力量も魔力も100……」
魔力量の基準を聞いて確かめれば、あたしと陽の値は高かった。
太は普通の人だったことにショックを受け肩を落としているけれど、龍くんに魔術の才能はないと言われていたから予想通りかも知れない。
「 太くんは剣士の素質が高いわよ。ウエポンが今で400、徒手は299。これなら憲兵団の見習いになれる。ウエポンとは武器を装備した時に上乗せされる戦闘力。これ以外に武器その物の攻撃力も追加されるわ。徒手は生身の戦闘力。この二つは努力すれば上がるの。人によって限界値は違うけどね。普通でウエポン180前後。徒手だと男性で150前後。女性で100前後。ちなみにセイヤは、ウエポンが408、徒手が723。魔王を倒した当時は人類最強の800はあったわね」
パパも龍くん同様チートだった。
そして太もすでにウエポンがパパとそんなに変わらないのは、結構すごいことなのかも知れない。
それとも10の違いでも結構差はあるのかな?
「私はえ~とウエポンが173で徒手は200か。徒手が高いのはパパの娘だからしょうがないか」
自分の結果を見てちょっとショックに思える結果でも、パパの娘と言うならば思むしろこの結果で嬉しい。
トゥーラン最強の格闘家の娘だから、優秀な遺伝をちゃんと引き継がれている。
さすがにそれを伸ばしてパパのような格闘家にはなるつもりはないけれど、自分の身は自分で護れるように基礎程度は習おうと思う。
「それで他の数値は何を指しているんですか?」
「それらの数値で新人冒険者は、自分に向いている職業を知ることになるの。読み方はね」
陽の問いにヨハンさんはそう答え、残りのデータの読み方を教えてくれる。
魔術系の職業はセンス・想像力、武道系は忍耐力・瞬発力、が特に高いと数値が伸びやすいと言われているそうだ。
冒険者になるには第六感が300以上と15歳以上じゃないと無理だけど、私達は全員そこはクリアーしている。
その他にもいろんな項目があって組み合わせることで、その人の不向きと向きの職業が分かる見たい。でも強制ではなく参考程度。
ただ万年魔術師は人材不足なため、魔力量が350以上の人には魔術師の道に進むよう説得しているとか。
そう言えば龍くんも魔術師になることを勧められて、結果魔術剣士になったんだよね?
だとしたら私も基本魔力が高いから魔術師になった方が……それとも聖女と言うのは職業? でも私が聖女って言うことは、まだ秘密じゃなかったっけぇ? 魔王だって
「セイヤとセイカちゃんは正体を隠すようセレス姫様に言われているから、データーは改ざんしてあるわ。この数値なら問題ないでしょ?」
「さすがヨハン。何から何まで助かったよ」
思っている矢先すでに根回しされているようで、私とパパには別の診断表を渡される。
隠蔽された診断表には、聖女の力と魔王の力という文字が消えていた。それから魔力量も500に減らされている。
「魔力量が多いと目立つんですか?」
「ええ。550以上あると魔術部隊に報告しないといけないの。だからその数値すれば、高いけれど報告義務はないの」
「なるほど。ありがとうございました」
これまた分かりやすい説明ですぐに納得が行った。
その後パーティーについてのガイダンスを受け、私達が正式にギルドに登録された。
そんな約束をしていたおかげでギルドで二人と合流が出来た。最初龍くんに怒られはした物の、私が産まれた場所に行っていたと言ったら、それならいいと言われ怒られずにすんだ。
そして私達は案内の人にまたさっきの応接室に通され、今度はすぐにいろんな書類を持ったヨハンさんがやって来た。
「これがあなた達の今の診断結果よ。リュウノスケとセイヤはレベルは低くなってはいる物の、それでもこの数値だったらギルド登録者でもトップ十以内に入るわ」
「思いの外下がってないんだな。星夜はどうなんだ?」
私達全員にグラフや数字と文字が書かれた診断表と預けた魔法石を渡し、まずはパパと龍くんの結果を伝える。
龍くんはその結果内容に納得したようで安堵するけれど、パパは不満があるらしく眉を曲げ顔をしかめた。
「本当にこの数値は正しいのか? これだったら以前の八割程度だが、感覚的には五割程度しか掴んでないんだが」
「正しいに決まってるわよ。しかも三十年前より精度が上がってるわ」
「お前はいつだって過小評価し過ぎだからな? それとも三十年前の自分を過大評価し過ぎなんじゃないか?」
あろうことか診断結果を疑うパパに、セレスさんはムッとして正しいと主張。龍くんはやれやれと言わんばかりに、ばっさりとパパの性格を見抜く。
私も龍くんの前方の考えに一票。
ガーロットを跳び蹴りだけ気絶させる。それだけで能力は高いに決まっている。
それなのにパパはまだ納得がいかないらしい。
「さすが龍ノ介ね。セイヤのことは任せるわ。セイカちゃん達にはチンプンカンプンだと思うから、詳しく見方の説明をするわね」
『はい』
今度は私達の番になり緊張のあまり唾をゴクンと飲む。
ヨハンさんの言う通り、診断表を見ても基準数値が分からないからさっぱりだ。
特殊スキル 魔王の力 聖女の力。
これはよく分かる。けれ魔王の力を持っていると公表したら、騒ぎになるだけじゃなくって処刑されるだろう。
「まずは魔力量なんだけれど、これは天性の才能。努力して限界値を上げられたとしても10数程度。普通の人は100前後で、魔術の才能があると言われる人は200以上。400以上あれば、王家管轄の魔術部隊に入れるわ。ちなみに魔力というのは現在の魔力。リュウノスケは魔力量が人類最高の720で、魔力は680」
「だから龍くんはチートなんだ。私は魔力量が650で、魔力が400? 結構高い」
「私は魔力量が322で、魔力が150だって」
「……オレは魔力量も魔力も100……」
魔力量の基準を聞いて確かめれば、あたしと陽の値は高かった。
太は普通の人だったことにショックを受け肩を落としているけれど、龍くんに魔術の才能はないと言われていたから予想通りかも知れない。
「 太くんは剣士の素質が高いわよ。ウエポンが今で400、徒手は299。これなら憲兵団の見習いになれる。ウエポンとは武器を装備した時に上乗せされる戦闘力。これ以外に武器その物の攻撃力も追加されるわ。徒手は生身の戦闘力。この二つは努力すれば上がるの。人によって限界値は違うけどね。普通でウエポン180前後。徒手だと男性で150前後。女性で100前後。ちなみにセイヤは、ウエポンが408、徒手が723。魔王を倒した当時は人類最強の800はあったわね」
パパも龍くん同様チートだった。
そして太もすでにウエポンがパパとそんなに変わらないのは、結構すごいことなのかも知れない。
それとも10の違いでも結構差はあるのかな?
「私はえ~とウエポンが173で徒手は200か。徒手が高いのはパパの娘だからしょうがないか」
自分の結果を見てちょっとショックに思える結果でも、パパの娘と言うならば思むしろこの結果で嬉しい。
トゥーラン最強の格闘家の娘だから、優秀な遺伝をちゃんと引き継がれている。
さすがにそれを伸ばしてパパのような格闘家にはなるつもりはないけれど、自分の身は自分で護れるように基礎程度は習おうと思う。
「それで他の数値は何を指しているんですか?」
「それらの数値で新人冒険者は、自分に向いている職業を知ることになるの。読み方はね」
陽の問いにヨハンさんはそう答え、残りのデータの読み方を教えてくれる。
魔術系の職業はセンス・想像力、武道系は忍耐力・瞬発力、が特に高いと数値が伸びやすいと言われているそうだ。
冒険者になるには第六感が300以上と15歳以上じゃないと無理だけど、私達は全員そこはクリアーしている。
その他にもいろんな項目があって組み合わせることで、その人の不向きと向きの職業が分かる見たい。でも強制ではなく参考程度。
ただ万年魔術師は人材不足なため、魔力量が350以上の人には魔術師の道に進むよう説得しているとか。
そう言えば龍くんも魔術師になることを勧められて、結果魔術剣士になったんだよね?
だとしたら私も基本魔力が高いから魔術師になった方が……それとも聖女と言うのは職業? でも私が聖女って言うことは、まだ秘密じゃなかったっけぇ? 魔王だって
「セイヤとセイカちゃんは正体を隠すようセレス姫様に言われているから、データーは改ざんしてあるわ。この数値なら問題ないでしょ?」
「さすがヨハン。何から何まで助かったよ」
思っている矢先すでに根回しされているようで、私とパパには別の診断表を渡される。
隠蔽された診断表には、聖女の力と魔王の力という文字が消えていた。それから魔力量も500に減らされている。
「魔力量が多いと目立つんですか?」
「ええ。550以上あると魔術部隊に報告しないといけないの。だからその数値すれば、高いけれど報告義務はないの」
「なるほど。ありがとうございました」
これまた分かりやすい説明ですぐに納得が行った。
その後パーティーについてのガイダンスを受け、私達が正式にギルドに登録された。
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