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幸せになるために産まれてきた事、忘れないで
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私伯珠がお仕事を受ける時、その依頼が急を要するものか計るスピリチュアルな物差しがあります。
それが『生命の危機メーター』というものです。
人命に関わる場合、そのメーターが点灯して教えてくれます。
今回の依頼です。
不登校になって5年になる中学生の男の子が徐々に死をほのめかすようになり、お母さんが本気かもしれないと心配になりました。
人づてに紹介されて男の子とお母さんに会いに行く事になったのです。
男の子は精神的に危険な状態で、早くお会いした方がいいと判断して速攻で伺いました。
男の子は切れ長の目をした羽生結弦君似。
しかしその端正な顔は暗く伏し目がちでした。
お母様は明るく言いました。
「この子がここ二週間くらい死にたいとかいっぱいいってくるんです。」
「ハイハイってきいてたんだけど、昨日、あれ、これもしかして危ないのかな?って思い始めたんですよ」
「本人に死にたいってホントなの?って聞いたら本当に死にたいって言うから、病院以外で相談できるところを慌てて探したんです」
お母様は明るく話してましたが、相当不安なご様子でした。
頷きながら、私は息子さんの心に大きすぎる穴があいているのを感じていました。
息子さんに質問開始。
「君の心の中に、大きな電池があるとするね。
100%充電がたまってたら元気100倍、なんでもできる。
0%の時はもう何もできない、気力がない時。
今、君の心の充電池は何%たまってる?」
息子さんはちょっと考えて
「15%くらい…かな?」
と答えました。
心の充電池が30%以下の時、鬱病などが実際に疑われると言う事を以前女性精神科医に教えていただきました。
その目安に当てはまる状態でした。
ものすごく辛いことを我慢して我慢して、そうじゃないと子供はこうならないのです。
今まで何があったのか、遠慮なく全部話してほしいと伝えると、少年はゆっくりはなしはじめました。
学校に通えなくなって、中学にいったら通えるかな、と思ったんだけどやっぱり通えなかった。
ずっと時が過ぎちゃって、もう来年高校受験だけど、ユーチューブで不登校の未来がどんなに悲惨か調べてたら、僕はやっぱり死んだ方がいいって思っちゃったんだ。
未来が怖いから今死にたいって思ったんだ。
30分くらいかけて、ポツリポツリと話してくれました。
ふと横を見るとお母さんが涙を流していました。
「どうして、どうして死にたいなんて思うのよ、お願いだから一緒に生きようよ」
お母さんが震える声で言いました。
少年は、コクリと頷きました。
やらなくてはならない事があります。
誰かが未来ある人を叩き潰した可能性が非常に高いのです。
その悪意の傷を癒さねばなりません。
なので私は息子さんに聞きました。
「息子さんに悪意を持って叩き潰そうとした人がいると思います。
小学校に通えなくなったきっかけを教えて。辛いかもしれないけど、悪いやつらのせいで君の幸せな未来を潰されてるんだよ。
ゆっくりでいいから教えて。」
息子さんは、自分の未来が誰かに潰されている、という言葉に反応しました。
息子さんは、小学校5年の時の女担任にクラスメイト全員の前で
「この子は生意気で将来ダメ人間になりますよー、彼みたいにならないようにしましょうね」
と複数回言われたのです。
ちょっと賢くて自分で勉強もサクサク進めてしまうタイプの子で、ちょっと上から目線で話してしまう事もあった息子さんは女教師に目の敵にされたのだそうです。
お母さんは
「そんなこと言われたの!?本当に!?」
と驚いていました。
息子さんはあまりに屈辱過ぎて家族に言えず、学校に行こうとすると腹痛や頭痛に苛まれるようになり不登校になったのです。
女教師に『不登校は家庭に問題があるからじゃないんでしょうか?』と遠回しに言われていたお母さんはマジ切れしていました。
私は息子さんに言いました。
その女教師は、君の未来を潰しておいて
「ほらやっぱり私の言った通りダメ人間になったわ」
って喜ぶんだよ。君の事が嫌いなやつの言う通りになってはいけないよ。
お母さん大好きでしょう。お母さんと一緒に楽しく生きて行くためには、クソ教師の悪意に負けちゃいけないんだよ。
少年はゆっくり口を開きました。
「僕も、僕がダメ人間じゃないことを証明するのが一番だと思って受験勉強はじめて見返してやろうって思ったんだ。
でも、問題の文章が難しくてわからなくなっててもう無理だと思ったんだ。」
そらあそうです。
小学校5年から不登校だったのだから。
急に中3の問題は解けません。
それに、今は心の傷を癒すのが最優先です。
心の傷を癒す食べ物があって、それはメンタルパワーフードと私は呼んでいます。
彼にいま必要なのはメンタルパワーフード。
食べ物が変わると人生が変わる。
そしてそのときの彼に必要だったのは牛肉とチーズでした。
伯珠「マックでいうとダブルチーズバーガーとか」
息子「マックなら大好きです、ママが反対だけど」
母親「ええージャンクフードじゃないですかー」
伯珠「ついでにポテトもよいです」
母親「」
伯珠「ゴボウと人参も行けます」
息子「ゴボウと人参は食べられます」
伯珠「あと、息子さんの成績がさらっと上がる参考書を選定します」
書店にある参考書の中から、息子さんの学力を上げる最も良い参考書を見つける特殊技能が伯珠にはあります。
ダメな参考書でいくら勉強してもダメなのです。
親子でホンマですか…という顔をしていましたが、結果的に高校合格したので効果はそれなりだったと思います。
自分が幸せになるために産まれてきた事を忘れないで、悪いやつらの悪意に負けないでほしいです。
絶対に自分が幸せにいきるという強い意志を持って、信頼できる大人に助けを求めてください。
今回はお化けの話ではないですけど、人生のお悩み相談にものっています。
それが『生命の危機メーター』というものです。
人命に関わる場合、そのメーターが点灯して教えてくれます。
今回の依頼です。
不登校になって5年になる中学生の男の子が徐々に死をほのめかすようになり、お母さんが本気かもしれないと心配になりました。
人づてに紹介されて男の子とお母さんに会いに行く事になったのです。
男の子は精神的に危険な状態で、早くお会いした方がいいと判断して速攻で伺いました。
男の子は切れ長の目をした羽生結弦君似。
しかしその端正な顔は暗く伏し目がちでした。
お母様は明るく言いました。
「この子がここ二週間くらい死にたいとかいっぱいいってくるんです。」
「ハイハイってきいてたんだけど、昨日、あれ、これもしかして危ないのかな?って思い始めたんですよ」
「本人に死にたいってホントなの?って聞いたら本当に死にたいって言うから、病院以外で相談できるところを慌てて探したんです」
お母様は明るく話してましたが、相当不安なご様子でした。
頷きながら、私は息子さんの心に大きすぎる穴があいているのを感じていました。
息子さんに質問開始。
「君の心の中に、大きな電池があるとするね。
100%充電がたまってたら元気100倍、なんでもできる。
0%の時はもう何もできない、気力がない時。
今、君の心の充電池は何%たまってる?」
息子さんはちょっと考えて
「15%くらい…かな?」
と答えました。
心の充電池が30%以下の時、鬱病などが実際に疑われると言う事を以前女性精神科医に教えていただきました。
その目安に当てはまる状態でした。
ものすごく辛いことを我慢して我慢して、そうじゃないと子供はこうならないのです。
今まで何があったのか、遠慮なく全部話してほしいと伝えると、少年はゆっくりはなしはじめました。
学校に通えなくなって、中学にいったら通えるかな、と思ったんだけどやっぱり通えなかった。
ずっと時が過ぎちゃって、もう来年高校受験だけど、ユーチューブで不登校の未来がどんなに悲惨か調べてたら、僕はやっぱり死んだ方がいいって思っちゃったんだ。
未来が怖いから今死にたいって思ったんだ。
30分くらいかけて、ポツリポツリと話してくれました。
ふと横を見るとお母さんが涙を流していました。
「どうして、どうして死にたいなんて思うのよ、お願いだから一緒に生きようよ」
お母さんが震える声で言いました。
少年は、コクリと頷きました。
やらなくてはならない事があります。
誰かが未来ある人を叩き潰した可能性が非常に高いのです。
その悪意の傷を癒さねばなりません。
なので私は息子さんに聞きました。
「息子さんに悪意を持って叩き潰そうとした人がいると思います。
小学校に通えなくなったきっかけを教えて。辛いかもしれないけど、悪いやつらのせいで君の幸せな未来を潰されてるんだよ。
ゆっくりでいいから教えて。」
息子さんは、自分の未来が誰かに潰されている、という言葉に反応しました。
息子さんは、小学校5年の時の女担任にクラスメイト全員の前で
「この子は生意気で将来ダメ人間になりますよー、彼みたいにならないようにしましょうね」
と複数回言われたのです。
ちょっと賢くて自分で勉強もサクサク進めてしまうタイプの子で、ちょっと上から目線で話してしまう事もあった息子さんは女教師に目の敵にされたのだそうです。
お母さんは
「そんなこと言われたの!?本当に!?」
と驚いていました。
息子さんはあまりに屈辱過ぎて家族に言えず、学校に行こうとすると腹痛や頭痛に苛まれるようになり不登校になったのです。
女教師に『不登校は家庭に問題があるからじゃないんでしょうか?』と遠回しに言われていたお母さんはマジ切れしていました。
私は息子さんに言いました。
その女教師は、君の未来を潰しておいて
「ほらやっぱり私の言った通りダメ人間になったわ」
って喜ぶんだよ。君の事が嫌いなやつの言う通りになってはいけないよ。
お母さん大好きでしょう。お母さんと一緒に楽しく生きて行くためには、クソ教師の悪意に負けちゃいけないんだよ。
少年はゆっくり口を開きました。
「僕も、僕がダメ人間じゃないことを証明するのが一番だと思って受験勉強はじめて見返してやろうって思ったんだ。
でも、問題の文章が難しくてわからなくなっててもう無理だと思ったんだ。」
そらあそうです。
小学校5年から不登校だったのだから。
急に中3の問題は解けません。
それに、今は心の傷を癒すのが最優先です。
心の傷を癒す食べ物があって、それはメンタルパワーフードと私は呼んでいます。
彼にいま必要なのはメンタルパワーフード。
食べ物が変わると人生が変わる。
そしてそのときの彼に必要だったのは牛肉とチーズでした。
伯珠「マックでいうとダブルチーズバーガーとか」
息子「マックなら大好きです、ママが反対だけど」
母親「ええージャンクフードじゃないですかー」
伯珠「ついでにポテトもよいです」
母親「」
伯珠「ゴボウと人参も行けます」
息子「ゴボウと人参は食べられます」
伯珠「あと、息子さんの成績がさらっと上がる参考書を選定します」
書店にある参考書の中から、息子さんの学力を上げる最も良い参考書を見つける特殊技能が伯珠にはあります。
ダメな参考書でいくら勉強してもダメなのです。
親子でホンマですか…という顔をしていましたが、結果的に高校合格したので効果はそれなりだったと思います。
自分が幸せになるために産まれてきた事を忘れないで、悪いやつらの悪意に負けないでほしいです。
絶対に自分が幸せにいきるという強い意志を持って、信頼できる大人に助けを求めてください。
今回はお化けの話ではないですけど、人生のお悩み相談にものっています。
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