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第117話:進軍
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――――――――――ミナスガイエス帝国にて。ウートレイド王国に向けて進軍中のヴォルフガング大将視点。
ポクポクと愛馬の背に揺られ、ウートレイドとの国境に向かう。
ウートレイド侵攻計画が実現することになったのは一年以上前、陛下との密談のあった日に遡る。
◇
「ヴォルフ、近う寄れ」
「は」
皇帝カールハインツ陛下は英邁であらせられる。
でなければ士官学校出ではあっても平民の俺など、大将に上り詰めることはできなかったろう。
かの密談の日も用件が用件であったとは言え、近侍も置かず部屋には陛下と俺だけだった。
陛下の信頼が嬉しい。
「迂遠なことは言わぬ。結論としてウートレイド遠征は行う。その方が総司令官だ」
「はい」
陛下がお決めになられたのだ。
反対など許されない。
しかし意見を述べるのは臣としての務めではある。
「難しい戦にございますぞ。まず第一に大義名分がありませぬ。第二にウートレイドの諜報と内応の役目を担った自然派教団でしたか。あれが潰されてしまったと聞きました。内部から撹乱することができないと考えざるを得ません」
自然派教団。
それはウートレイド征服に執念を燃やす皇弟のお一人、マルティン殿下の肝煎りの組織と聞いた。
規模にもよるが、正規軍の侵攻と同時に王都コロネリアで戦いの火の手を上げさせることに成功したなら、ウートレイドの体力を確実に削ったと思われる。
しかしコロネリア治安当局の恩情措置で、どうやら自然派教団は丸め込まれてしまったとのことだった。
敵ながら有能だ。
ミナスガイエスと自然派教団の繋がりを察したのかもしれないな。
「続けよ」
「このままでは勝てぬ戦にございます」
「お主の戦闘指揮能力をもってしてもか」
「は」
「ふむ、そうであろうの」
「は?」
ウートレイドが国防結界を守ることを支持する同盟諸国は多い。
ウートレイドに与する援軍が集まれば勝てぬ程度のことを、陛下がわからぬはずはない。
ではなぜウートレイド戦を推進する?
「マルティンからの献策なのだがの。コロネリアから聖女が去り、国防結界が危機に瀕したとされる事件があったろう?」
「はい」
今から二年半前、陛下との密談の時から一年数ヶ月前のことだ。
当時ウートレイド王家と聖教会の間に軋轢があったのではないかと推測されている。
その溝を埋めるために、王太子クインシー殿下と聖女パルフェの婚約が画策されたのだろうと。
「マルティンの報告によると、ウートレイドの国防結界とは、魔物が外部から侵入しようとすれば摩耗するもので確定だそうだ」
「ほう」
ウートレイドは国防結界の詳しい仕様を明かしていない。
魔力を使用して魔物自体を弾く仕様なのか、それとも魔物の力を弱める浄化系の結界なのか、あるいはその他の手段なのか知られていなかったのだ。
マルティン殿下の報告が正しければ、我らの用いる防御マントに近い仕様のようだ。
「意外ではありますな。では元々国防結界内にいる魔物は制限を受けないことになります」
「コロネリアには魔素が湧き、魔物がいる森があるというぞ? おそらくその魔物は他の手法で押さえこんでいるのだ」
「なるほど、そういうことでありますか」
して、マルティン殿下からの献策とは何だろう?
国防結界の仕様が解明されたからといって、戦争に勝てることにはならないだろう?
陛下の心を動かしたのは何だ?
「マルティンはガーツ山脈のワイバーンの群れをテイムすることに成功したそうだ」
「な、何ですと?」
マルティン殿下は不思議な声『妖の口』を持っている。
酒に脳が浸される様な心地がする、こちらの判断力を奪う声だ。
小鳥に語りかけて指先に留まらせるという技を実際に見たこともある。
テイムというならば、ワイバーンの群れに言うことを聞かせることができる?
「ワイバーンの群れを国防結界に突入させることを繰り返せば、おそらく聖女の魔力が足りずに結界は破れる」
「可能なのですか。それが」
「マルティンは可能と見ているようだな」
陛下が皮肉に笑った。
もちろんマルティン殿下の言い分など、話半分に思っているのだろうが。
「国防結界を破れるほどなら撹乱戦力としては十分。また国防結界の管理状況に非を鳴らせば大義名分はあるだろう、とな」
「確かに。同盟諸国を離反させることはできるかもしれませんな」
「ヴォルフよ、正直に申せ。その方は戦争に反対なのであろう?」
「反対であります」
無用の戦だ。
兵士の命をムダに消費していいものではない。
また自国の関わる戦争は消費だけを加速させるから、得られるものがよほど大きくない限り経済にいい影響を及ぼさない。
「ふ、その方は軍人らしくないの」
「褒め言葉と受け取っておきまする」
「だからこそ信用できるのだが」
陛下の言葉を待つ。
真意はいかに?
「もちろんマルティンの言うことを頭から信じているわけではない」
「さようでありましょうとも」
「しかし予はあやつの能力について、そなたよりもよう知っておる。またウートレイドを併合したいというあやつの執念もな」
マルティン殿下の母御はウートレイド人であったともいう。
優れた魔道士である殿下が、魔道の王国と呼ばれ国防結界を管理しているウートレイドに並々ならぬ興味を持つのもわかる。
ただ母御の身分の低いマルティン殿下は、国内では浮かぶ瀬がないと考えているのではないか?
そのためにウートレイド戦で並ぶもののない功績を挙げ、かなうならば占領地で大きな権益を得たいということでは?
「個人の思惑で戦を起こされてはかないませんな」
「ふむ、そなたならそう言うであろうな。しかし我がミナスガイエス帝国にとって人類世界の統一は国是であり、悲願でもある」
「陛下の仰る通りではございますが……」
「マルティンの作戦がもし当たった場合、千載一遇のチャンスだとは思わぬか?」
なるほど、マルティン殿下の仰ることがどこまで信じられるかはわからない。
しかしもし丸々本当だったならば、この好機にウートレイドを仕掛けないことはむしろ怠惰で臆病とのそしりを受けかねないということか。
くだらなくはあるが、陛下の評価を落とすかもしれない。
「ワイバーン隊が国防結界を破壊することができなくても、危機に瀕した事実があれば管理体制の是非を問うことが可能であろう?」
「交渉でそこを突けということでございますな?」
「そうだ。そなたには難しい判断を負わせてしまうが、全面的に任せる。ミナスガイエスに最大の利をもたらすよう動いてくれ」
つまり陛下は、必ずしも戦端を開く必要はない。
俺の好きにしていいと宣っている。
順風の強さを見極めて作戦規模を決め、ウートレイドに最大の譲歩を迫れということか。
陛下が俺に全幅の信頼を置いてくださっている。
臣下として滾るではないか。
「了解であります。して作戦決行時期はいつになりそうでありますか?」
「一年後くらいであろうな。大雑把ではあるが」
「はっ、ではそれくらいを時期に出動できるよう、準備を整えます」
「ふむ、軍を出す名目はどうする?」
「ウートレイドとの国境を確定させたい。測量隊を派遣するが、その警護であるということでどうでしょうか?」
ウートレイドとの国境は川であるが、長い間には流路も変わる。
どこが真の国境なのか、実はかなり曖昧なのだ。
陛下が莞爾と笑う。
「名案だな」
「ではそのセンで遠征準備を進めます」
◇
一〇日もあれば目的地の国境の川に到着だ。
既にマルティン殿はワイバーンどもに指示を出し終り、コロネリアに潜伏しようとしているはずだが?
ポクポクと愛馬の背に揺られ、ウートレイドとの国境に向かう。
ウートレイド侵攻計画が実現することになったのは一年以上前、陛下との密談のあった日に遡る。
◇
「ヴォルフ、近う寄れ」
「は」
皇帝カールハインツ陛下は英邁であらせられる。
でなければ士官学校出ではあっても平民の俺など、大将に上り詰めることはできなかったろう。
かの密談の日も用件が用件であったとは言え、近侍も置かず部屋には陛下と俺だけだった。
陛下の信頼が嬉しい。
「迂遠なことは言わぬ。結論としてウートレイド遠征は行う。その方が総司令官だ」
「はい」
陛下がお決めになられたのだ。
反対など許されない。
しかし意見を述べるのは臣としての務めではある。
「難しい戦にございますぞ。まず第一に大義名分がありませぬ。第二にウートレイドの諜報と内応の役目を担った自然派教団でしたか。あれが潰されてしまったと聞きました。内部から撹乱することができないと考えざるを得ません」
自然派教団。
それはウートレイド征服に執念を燃やす皇弟のお一人、マルティン殿下の肝煎りの組織と聞いた。
規模にもよるが、正規軍の侵攻と同時に王都コロネリアで戦いの火の手を上げさせることに成功したなら、ウートレイドの体力を確実に削ったと思われる。
しかしコロネリア治安当局の恩情措置で、どうやら自然派教団は丸め込まれてしまったとのことだった。
敵ながら有能だ。
ミナスガイエスと自然派教団の繋がりを察したのかもしれないな。
「続けよ」
「このままでは勝てぬ戦にございます」
「お主の戦闘指揮能力をもってしてもか」
「は」
「ふむ、そうであろうの」
「は?」
ウートレイドが国防結界を守ることを支持する同盟諸国は多い。
ウートレイドに与する援軍が集まれば勝てぬ程度のことを、陛下がわからぬはずはない。
ではなぜウートレイド戦を推進する?
「マルティンからの献策なのだがの。コロネリアから聖女が去り、国防結界が危機に瀕したとされる事件があったろう?」
「はい」
今から二年半前、陛下との密談の時から一年数ヶ月前のことだ。
当時ウートレイド王家と聖教会の間に軋轢があったのではないかと推測されている。
その溝を埋めるために、王太子クインシー殿下と聖女パルフェの婚約が画策されたのだろうと。
「マルティンの報告によると、ウートレイドの国防結界とは、魔物が外部から侵入しようとすれば摩耗するもので確定だそうだ」
「ほう」
ウートレイドは国防結界の詳しい仕様を明かしていない。
魔力を使用して魔物自体を弾く仕様なのか、それとも魔物の力を弱める浄化系の結界なのか、あるいはその他の手段なのか知られていなかったのだ。
マルティン殿下の報告が正しければ、我らの用いる防御マントに近い仕様のようだ。
「意外ではありますな。では元々国防結界内にいる魔物は制限を受けないことになります」
「コロネリアには魔素が湧き、魔物がいる森があるというぞ? おそらくその魔物は他の手法で押さえこんでいるのだ」
「なるほど、そういうことでありますか」
して、マルティン殿下からの献策とは何だろう?
国防結界の仕様が解明されたからといって、戦争に勝てることにはならないだろう?
陛下の心を動かしたのは何だ?
「マルティンはガーツ山脈のワイバーンの群れをテイムすることに成功したそうだ」
「な、何ですと?」
マルティン殿下は不思議な声『妖の口』を持っている。
酒に脳が浸される様な心地がする、こちらの判断力を奪う声だ。
小鳥に語りかけて指先に留まらせるという技を実際に見たこともある。
テイムというならば、ワイバーンの群れに言うことを聞かせることができる?
「ワイバーンの群れを国防結界に突入させることを繰り返せば、おそらく聖女の魔力が足りずに結界は破れる」
「可能なのですか。それが」
「マルティンは可能と見ているようだな」
陛下が皮肉に笑った。
もちろんマルティン殿下の言い分など、話半分に思っているのだろうが。
「国防結界を破れるほどなら撹乱戦力としては十分。また国防結界の管理状況に非を鳴らせば大義名分はあるだろう、とな」
「確かに。同盟諸国を離反させることはできるかもしれませんな」
「ヴォルフよ、正直に申せ。その方は戦争に反対なのであろう?」
「反対であります」
無用の戦だ。
兵士の命をムダに消費していいものではない。
また自国の関わる戦争は消費だけを加速させるから、得られるものがよほど大きくない限り経済にいい影響を及ぼさない。
「ふ、その方は軍人らしくないの」
「褒め言葉と受け取っておきまする」
「だからこそ信用できるのだが」
陛下の言葉を待つ。
真意はいかに?
「もちろんマルティンの言うことを頭から信じているわけではない」
「さようでありましょうとも」
「しかし予はあやつの能力について、そなたよりもよう知っておる。またウートレイドを併合したいというあやつの執念もな」
マルティン殿下の母御はウートレイド人であったともいう。
優れた魔道士である殿下が、魔道の王国と呼ばれ国防結界を管理しているウートレイドに並々ならぬ興味を持つのもわかる。
ただ母御の身分の低いマルティン殿下は、国内では浮かぶ瀬がないと考えているのではないか?
そのためにウートレイド戦で並ぶもののない功績を挙げ、かなうならば占領地で大きな権益を得たいということでは?
「個人の思惑で戦を起こされてはかないませんな」
「ふむ、そなたならそう言うであろうな。しかし我がミナスガイエス帝国にとって人類世界の統一は国是であり、悲願でもある」
「陛下の仰る通りではございますが……」
「マルティンの作戦がもし当たった場合、千載一遇のチャンスだとは思わぬか?」
なるほど、マルティン殿下の仰ることがどこまで信じられるかはわからない。
しかしもし丸々本当だったならば、この好機にウートレイドを仕掛けないことはむしろ怠惰で臆病とのそしりを受けかねないということか。
くだらなくはあるが、陛下の評価を落とすかもしれない。
「ワイバーン隊が国防結界を破壊することができなくても、危機に瀕した事実があれば管理体制の是非を問うことが可能であろう?」
「交渉でそこを突けということでございますな?」
「そうだ。そなたには難しい判断を負わせてしまうが、全面的に任せる。ミナスガイエスに最大の利をもたらすよう動いてくれ」
つまり陛下は、必ずしも戦端を開く必要はない。
俺の好きにしていいと宣っている。
順風の強さを見極めて作戦規模を決め、ウートレイドに最大の譲歩を迫れということか。
陛下が俺に全幅の信頼を置いてくださっている。
臣下として滾るではないか。
「了解であります。して作戦決行時期はいつになりそうでありますか?」
「一年後くらいであろうな。大雑把ではあるが」
「はっ、ではそれくらいを時期に出動できるよう、準備を整えます」
「ふむ、軍を出す名目はどうする?」
「ウートレイドとの国境を確定させたい。測量隊を派遣するが、その警護であるということでどうでしょうか?」
ウートレイドとの国境は川であるが、長い間には流路も変わる。
どこが真の国境なのか、実はかなり曖昧なのだ。
陛下が莞爾と笑う。
「名案だな」
「ではそのセンで遠征準備を進めます」
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