6 / 44
物語の始まり
ジルの家族に会う(フィオ)
しおりを挟む
今日は、ジルのご家族と初めて顔合わせをする予定になっていた。
因みに今日お会いするのは、お義父さまとジルのお母さん、二人いるお義兄さまのうちの一人だ。
後から来るって言ってたジルのお母さんとは子供の頃からの知り合いで、何度もお会いして気心も知れた仲だから良いけれど、お義父さまとお義兄さまはどうなんだろう?
お義父さまの方は、村にジル達を迎えに来た時ちょっと見たけれど、あの時はジルと別れるのが悲しくてほとんど覚えていないなぁ。
でもがジルと婚約するためには必要な事なんだ。
ちゃんと認めてもらうために頑張らないと……。
******
「やぁ、良く来たね。父親のメルキオールだ」
「初めまして、私がジルヴァーノの一番上の兄のヴァレリオだ。そしてこちらが婚約者のセレーナだよ」
俺はお義父さまから順に挨拶をし、最後に高貴な雰囲気の女性の前へ……。
「よろしくお願い致します」
「……普通ね」
本家の中庭に設えられた、お茶会用のテーブルの周りには4人の人物が待っていた。
因みに今、ジルはいない。
直前になって仕事場から迎えが来て無理矢理連れて行かれてしまったからだ。
お義父さま、お義兄さま、何故かお義兄さまの婚約者、そしてジルのお母さんではなく正妻のアリーチェ様……これはどういう事かな?
それにしてもアリーチェ様の反応。
良いんだけどね、俺、本当に普通だし。
取り合えず、エドモンドさんに習った通りのマナーで席に着く。
礼儀作法はまだまだ勉強中なので許して欲しいと、最初に一応断っておいたけれど大丈夫かな。
それにしても、ジルはハンサムなお義父さまによく似ているな。
ジルの目はお義母様譲り、お義父さまもこの目に魅かれたって聞いた。
うん、解る。
濃い青に金色の光が散った目は、夜空みたいでとても綺麗だもの。
お義兄さまもジルやお義父さまと同じ黒髪だが、目は明るい青で、プラチナブロンドに中空の月みたいな黄色の目のセレーナ様と並ぶと対照的で素敵だ。
アリーチェ様は王族の血筋の方らしく、王族に良くいるピカピカの金髪に青い目だった。
いやぁ、いくら良い服を着ていても、これは俺の平凡さが際立つなぁ。
お茶会が始まると早速、俺たちの出会いから婚約を考えるに至るまでの経緯を根掘り葉掘り聞かれる。
別に隠すことなんかないから良いんだけれど、アリーチェ様の反応が微妙過ぎて居心地が悪い。
それにしてもお義父さまとお義兄さまは人懐っこいな。
ジルも二人きりだと人懐こいし、この二面性がこの家の男性の特徴なのかもね。
セレーナ様は皆に合わせて笑ってはくれているけれど、よく見ると俺を警戒してるみたい。
多分、平民の俺如きがって思われてるんだろうな。
ちょっと悲しいけれど、そもそも貴族のジルと俺が婚約したいなんて言うのが変なんだよな。
「……ところでフィオとやら、お前はジルヴァーノ殿のどういうところが気に入ったのかえ?」
ヘラヘラと愛想笑いを浮かべていた俺に、アリーチェ様が突然質問して来た。
「もしも、そちが家の財産や権利を狙っているのだとしたら、諦めた方が良い。
言い方は悪いが、平民のそちとジルヴァーノ殿では釣り合わぬ。
妾腹のジルヴァーノ殿に渡る財産も殆どないのだし諦めたらどうじゃ。
まぁ、ジルヴァーノ殿は家の中での争い事を避ける為に、子が出来ない男を相手に選んだのであろうがな。
もう少し身分の高い者を選べばよいのに」
「アリーチェ慎みなさい」
お義父さまが止めてくれたが、アリーチェ様の話は俺に刺さる。
こんな事言われて、これが村にいた時の俺なら逃げちゃったと思うんだ。
でも、今はジルを諦めたくない気持ちの方が大きい。
俺の為にいっぱい努力してくれたのに、俺が諦める訳に行かないんだ。
だから、俺はテーブルの下で両手をギュっと握って、アリーチェ様の方を真っ直ぐ見て言った。
「お義母さま、確かに俺は元々大した物を持っていない平民ですけれど、ジル……ジルヴァーノを世界一あ、愛しています。俺たちは小さい頃からの知り合いです。だからこそ、村を出てからジルがどれほど努力して今の地位に付いたのか、どんなに苦労したのかよくわかるのです。はそんなジルを守りたい、それだけです。他には何もいりません」
シーンと静まり返った中、誰かが息を飲んだ音だけが聞こえた。
もしかして言い過ぎちゃった?
「あのぉ……すみません!」
俺は勢いよく頭を下げた。
「ふっ、ふふふ」
笑い声が聞こえてびっくりして辺りを見ると、アリーチェ様が「平民は、いらぬ度胸だけはあるものよ」と笑って席を立って行ってしまった。
皆で唖然としてその姿を見送ってしまうと、お義父さまが口を開いた。
「まさか、君があんな事言うとはね。アリーチェと私も幼なじみでね。身分が釣り合わない私との婚約を周囲から反対された時に、同じ様な事を言って庇ってくれたのを思い出したよ」
「そうなんですか」
「それなのに、私は他に好きな人を作ってしまって……そう言えばルイーザも私以外はいらないと言ってくれたなぁ。私はそう言ってくれる人に弱いんだ」
そう言って、お義父さまが弱々しく微笑んだ。
俺、最近気が付いたんだ。
ジルは実際にとても女性にモテる。
当たり前だよね、あんなに格好良いんだからって、最初は思ってた。
でも、俺がジルと付き合っているのを嗅ぎつけた人がに何度か言いがかりをつけて来て、ん?何か違うなって思った。
皆、ジルの地位や名誉、実家の伯爵家の財産の事ばかりで、ジルの事は二の次。
だからはジルをそんな人たちには渡したくない。
それに、皆には「ジルを守りたい」なんて言ったけれど、実はジルを守るどころか閉じ込めて自分だけのものにしたいと思ってるくらいだ。
ジルと再会してから、はどんどん欲張りになっていく。
今までこんな気持ちになった事なんか無いのにね。
そうして暫くしてからお義父さまから連絡が来て、俺は晴れてジルの婚約者として認めてもらう事ができた。
因みに今日お会いするのは、お義父さまとジルのお母さん、二人いるお義兄さまのうちの一人だ。
後から来るって言ってたジルのお母さんとは子供の頃からの知り合いで、何度もお会いして気心も知れた仲だから良いけれど、お義父さまとお義兄さまはどうなんだろう?
お義父さまの方は、村にジル達を迎えに来た時ちょっと見たけれど、あの時はジルと別れるのが悲しくてほとんど覚えていないなぁ。
でもがジルと婚約するためには必要な事なんだ。
ちゃんと認めてもらうために頑張らないと……。
******
「やぁ、良く来たね。父親のメルキオールだ」
「初めまして、私がジルヴァーノの一番上の兄のヴァレリオだ。そしてこちらが婚約者のセレーナだよ」
俺はお義父さまから順に挨拶をし、最後に高貴な雰囲気の女性の前へ……。
「よろしくお願い致します」
「……普通ね」
本家の中庭に設えられた、お茶会用のテーブルの周りには4人の人物が待っていた。
因みに今、ジルはいない。
直前になって仕事場から迎えが来て無理矢理連れて行かれてしまったからだ。
お義父さま、お義兄さま、何故かお義兄さまの婚約者、そしてジルのお母さんではなく正妻のアリーチェ様……これはどういう事かな?
それにしてもアリーチェ様の反応。
良いんだけどね、俺、本当に普通だし。
取り合えず、エドモンドさんに習った通りのマナーで席に着く。
礼儀作法はまだまだ勉強中なので許して欲しいと、最初に一応断っておいたけれど大丈夫かな。
それにしても、ジルはハンサムなお義父さまによく似ているな。
ジルの目はお義母様譲り、お義父さまもこの目に魅かれたって聞いた。
うん、解る。
濃い青に金色の光が散った目は、夜空みたいでとても綺麗だもの。
お義兄さまもジルやお義父さまと同じ黒髪だが、目は明るい青で、プラチナブロンドに中空の月みたいな黄色の目のセレーナ様と並ぶと対照的で素敵だ。
アリーチェ様は王族の血筋の方らしく、王族に良くいるピカピカの金髪に青い目だった。
いやぁ、いくら良い服を着ていても、これは俺の平凡さが際立つなぁ。
お茶会が始まると早速、俺たちの出会いから婚約を考えるに至るまでの経緯を根掘り葉掘り聞かれる。
別に隠すことなんかないから良いんだけれど、アリーチェ様の反応が微妙過ぎて居心地が悪い。
それにしてもお義父さまとお義兄さまは人懐っこいな。
ジルも二人きりだと人懐こいし、この二面性がこの家の男性の特徴なのかもね。
セレーナ様は皆に合わせて笑ってはくれているけれど、よく見ると俺を警戒してるみたい。
多分、平民の俺如きがって思われてるんだろうな。
ちょっと悲しいけれど、そもそも貴族のジルと俺が婚約したいなんて言うのが変なんだよな。
「……ところでフィオとやら、お前はジルヴァーノ殿のどういうところが気に入ったのかえ?」
ヘラヘラと愛想笑いを浮かべていた俺に、アリーチェ様が突然質問して来た。
「もしも、そちが家の財産や権利を狙っているのだとしたら、諦めた方が良い。
言い方は悪いが、平民のそちとジルヴァーノ殿では釣り合わぬ。
妾腹のジルヴァーノ殿に渡る財産も殆どないのだし諦めたらどうじゃ。
まぁ、ジルヴァーノ殿は家の中での争い事を避ける為に、子が出来ない男を相手に選んだのであろうがな。
もう少し身分の高い者を選べばよいのに」
「アリーチェ慎みなさい」
お義父さまが止めてくれたが、アリーチェ様の話は俺に刺さる。
こんな事言われて、これが村にいた時の俺なら逃げちゃったと思うんだ。
でも、今はジルを諦めたくない気持ちの方が大きい。
俺の為にいっぱい努力してくれたのに、俺が諦める訳に行かないんだ。
だから、俺はテーブルの下で両手をギュっと握って、アリーチェ様の方を真っ直ぐ見て言った。
「お義母さま、確かに俺は元々大した物を持っていない平民ですけれど、ジル……ジルヴァーノを世界一あ、愛しています。俺たちは小さい頃からの知り合いです。だからこそ、村を出てからジルがどれほど努力して今の地位に付いたのか、どんなに苦労したのかよくわかるのです。はそんなジルを守りたい、それだけです。他には何もいりません」
シーンと静まり返った中、誰かが息を飲んだ音だけが聞こえた。
もしかして言い過ぎちゃった?
「あのぉ……すみません!」
俺は勢いよく頭を下げた。
「ふっ、ふふふ」
笑い声が聞こえてびっくりして辺りを見ると、アリーチェ様が「平民は、いらぬ度胸だけはあるものよ」と笑って席を立って行ってしまった。
皆で唖然としてその姿を見送ってしまうと、お義父さまが口を開いた。
「まさか、君があんな事言うとはね。アリーチェと私も幼なじみでね。身分が釣り合わない私との婚約を周囲から反対された時に、同じ様な事を言って庇ってくれたのを思い出したよ」
「そうなんですか」
「それなのに、私は他に好きな人を作ってしまって……そう言えばルイーザも私以外はいらないと言ってくれたなぁ。私はそう言ってくれる人に弱いんだ」
そう言って、お義父さまが弱々しく微笑んだ。
俺、最近気が付いたんだ。
ジルは実際にとても女性にモテる。
当たり前だよね、あんなに格好良いんだからって、最初は思ってた。
でも、俺がジルと付き合っているのを嗅ぎつけた人がに何度か言いがかりをつけて来て、ん?何か違うなって思った。
皆、ジルの地位や名誉、実家の伯爵家の財産の事ばかりで、ジルの事は二の次。
だからはジルをそんな人たちには渡したくない。
それに、皆には「ジルを守りたい」なんて言ったけれど、実はジルを守るどころか閉じ込めて自分だけのものにしたいと思ってるくらいだ。
ジルと再会してから、はどんどん欲張りになっていく。
今までこんな気持ちになった事なんか無いのにね。
そうして暫くしてからお義父さまから連絡が来て、俺は晴れてジルの婚約者として認めてもらう事ができた。
0
お気に入りに追加
100
あなたにおすすめの小説
もう一度、貴方に出会えたなら。今度こそ、共に生きてもらえませんか。
天海みつき
BL
何気なく母が買ってきた、安物のペットボトルの紅茶。何故か湧き上がる嫌悪感に疑問を持ちつつもグラスに注がれる琥珀色の液体を眺め、安っぽい香りに違和感を覚えて、それでも抑えきれない好奇心に負けて口に含んで人工的な甘みを感じた瞬間。大量に流れ込んできた、人ひとり分の短くも壮絶な人生の記憶に押しつぶされて意識を失うなんて、思いもしなかった――。
自作「貴方の事を心から愛していました。ありがとう。」のIFストーリー、もしも二人が生まれ変わったらという設定。平和になった世界で、戸惑う僕と、それでも僕を求める彼の出会いから手を取り合うまでの穏やかなお話。
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
龍の逆鱗は最愛の為にある
由佐さつき
BL
転生と聞くと奇跡のようなイメージを浮かべるかもしれないが、この世界では当たり前のように行われていた。
地球から異世界へ、異世界から地球へ。望んだものが自由に転生の出来る世界で、永藤逸瑠は生きている。生きて、転生を望んで、そうして今は、元の世界で死んだ人間として生きていた。
公にされていない事実として、転生に失敗する場合もある。もしも失敗してしまった場合、元の生活に戻ることは出来ない。戸籍を消されてしまった者たちは、脱落者として息を潜めて生活することを余儀なくされた。
そんな中、逸瑠は一人の転生者と知り合う。水が溶けたような水色とも、陽かりを浴びて輝く銀色ともとれる長髪。凪いだ水面を連想させる瞳には様々な色が滲んでいて、その人とは呼べない美しさに誰もが息を飲んでしまう。
龍の国から転生してきたアイラ・セグウィーン。彼は転生に関する研究に協力するという名目で、逸瑠の暮らす寮にたびたび足を運ぶようになった。少しずつ話すうちにアイラがいかに優しく、穏やかな気性を持っているのかを知る。
逸瑠は純粋に懐いてくるアイラに、転生したいと思ったきっかけを話す。きっと気持ち悪がられると思っていた逸瑠の話に、アイラは自分もそうだと同意を示してくれた。
否定されないことが嬉しくて、逸瑠はアイラを信用するようになる。ころころと変わる表情に可愛いという感想を抱くようになるが、仲睦まじく育んでいた関係も、アイラのたった一言で崩壊を迎えてしまった。
転生神子は『タネを撒く人』
香月ミツほ
BL
深い森の中で目を覚ますと、全裸だった。大きな木の根本の、ふかふかの苔の上。人がくる気配はない。
おれは自力で森を抜ける。
「あぁ……、神子様。ようこそこの世界へ」
森の外には神官と騎士、そんな感じの美形な2人がおれを迎えに来てくれていた。
※予告なく性描写が入ります。多いです。
※植物が人間になった世界で、妊娠出産は番外編までありませんが、授乳はあります。
※元が植物なので花粉を撒き散らすように、『愛』をばら撒きます。
※挿入だけが固定です。
美人神官× 主人公
男前騎士× 主人公
※ムーンライトにも掲載しています。
2021.1.7.番外編3話追加しました。
苦手な方には申し訳ありませんが、妊娠出産があります。
道ならぬ恋を
天海みつき
BL
ある世界に獣人の住む国があった。そこでは数年前に、暴虐を尽くした獅子獣人の王を相手にしたクーデターが発生していた。その後任として玉座についたのはクーデターを指揮した黒狼の青年。青年には恋人がいたが、恋人は裏切り者のスパイだった――。
獣人の定義としては、人間にケモミミと尻尾がついた姿としています。それぞれ元になる獣の特徴を併せ持ち、(ファンタジーなので)男性妊娠あり。作者的に美味しいシチュエーションを盛り込んでみました。
懲りずに新作を投稿してみますが、例のごとく完結まで行けるかは未知数です。暇潰しにどうぞ。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
勇者様が怖すぎるので今すぐ仕事を辞めたいのだが
星井
BL
遙か遠くの北方の空に不気味な黒雲が現れた。
どうやら蟲の王が復活したらしい。
それと共に新たな勇者が現れ、いよいよ討伐へ向かうという。
しかし一般人のフリーには関係ない。そう、王都を出たこともない、箱入り息子のフリーには。
そんなとき、国中の薬売りが王宮へ呼び出される。どうやら勇者一行は同行できる才ある薬売りを探しているのだという。
運の悪いことにフリーはちょっとだけ薬草調合師としての才能があった。
つまり……?
「……おまえ、俺たちと来ないか?」
「……へ?」
最強勇者様に目をつけられ、断れきれずに同行してしまった薬売りの無念なお話。
無自覚俺様勇者様×ヘタレ薬売り
※このお話は以前別タイトルで別サイトに掲載していたものを加筆修正したものです。
旧題「クビになりたい」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる