61 / 62
弓弦と結婚しない場合も書いてみた
用務員編③
しおりを挟む
用務員さんが運転する車に乗り、来たのは山の別荘地だった。
「用務………将司さん、ココは?」
木々に囲まれたログハウス風の建物の前で車を降りる。
「俺の家」
「御家族と一緒に?」
「いいや。俺が買った」
女子校の用務員さんって、そんなに給料が良いの?それともローン?
「………何を想像してるか顔を見れば、大体は想像つくが、生前贈与で、まとまった金が手に入ったから、自然に囲まれた所に住みたくて買ったんだ。間違い無く俺の持ち家だ」
「いい所ですね」
「そう思うか?」
「はい。車の音ではなく、鳥の声と木を揺らす風の音しかしないなんて最高じゃないですか」
「そうか」
デートの待ち合わせ場所に、ジープっぽい車で現れた将司さんに、花菜達が3人がかりで変装させられた私を見てビックリしていた。
ギャルっぽいメッシュの金髪のカツラに、太ももが見える白いマイクロミニのスカートに、水色のビスチェに透けている生地のノースリーブのシャツを着て、厚底サンダルを履き、黒いキャップを被っていた。
メールでギャルっぽい変装しまいましたと送っておいたので、直ぐに私だと分かってくれたようです。
「凄いな」
「ガングロだけは阻止しまいました」
「はははっ百合は何を着ても可愛い」
私服姿の将司さんは、デニムに黒のTシャツとシンプルながらも、大きめのサングラスをしているので、パッと見では用務員さんと同一人物とは分かりにくいかもしれない。
車の助手席に座ると、シートベルトに手を掛けた瞬間に、いきなり車のドアを開けられる。
「はい。お泊まりセット」
ドサッと鞄を足の上に置かれた。
よく見るとニヤニヤ笑っている花菜だった。
「私と百合は実家の用事で外泊するから。寮には手続きしてあるから、ゆっくり楽しんで来なよ」
「待て待て待て!双子の妹なら、外泊は阻止するだろう?!」
「いやいや、可愛い百合がイケメンとイチャイチャするのを覗いたり、妄想するのが趣味だから、邪魔はしないって。それに大杉先生の件で百合を守ってくれた張本人に、お礼をしないとね。百合が幸せになるなら全力で応援するから」
「マルガリータは、そんな性格だったのか?」
困惑している将司さんのTシャツの裾を少し引っ張る。
「花菜は覗きの常習犯ですよ。オースティンもマルガリータを警戒していました」
「マジか」
「大マジ!あの野郎、婚約したのをいい事に、覗き見防止の結界をオプションで付けやがって、けしからん!」
「「………」」
そんな結界を張ってたんだ。
将司さんと2人で呆然と花菜を見ていた。
「とりあえず、いってらっしゃい」
「「………イッテキマス」」
最初の内は無言でドライブしていたけど、なんだか花菜の態度が可笑しくて笑いが込み上げてくると、隣の将司さんも噴き出していた。
「なんだあれ。双子でも、こんなに違うもんなんだな」
「花菜は明るいから」
「………百合の方が可愛いけどな」
急に褒められると、ビックリするやら、恥ずかしいやらで顔が熱くなる。
「学校では俺は職員だからな。でも百合が好きだ。その気持ちは変わらない」
「ちゃんと目を見て言ってください」
「後でな」
「はい」
楽しいドライブの後、着いたのは山の中に建つログハウス。
そして今の私は
(ギャル+厚底サンダル)+山道 な状態の上に山に不慣れな私なので結果として
「すみません」
派手に転んで膝から血を流した状態で、将司さんに お姫様抱っこで運ばれています。
「………役得……とは言い難いな。白くて綺麗な足に痕でも残ったら大変だ。早くて手当をしよう」
「重いですか?」
「いや。軽過ぎるが………足とか肩とか……直接的に肌に触れるのは………男としての忍耐を試されている気がする」
そっと熱い胸に耳を付けると、ドキドキと少し速いテンポの鼓動が聞こえる。
ログハウスの中は、割と近代的で木そのままって感じではなく、壁紙が貼ってあったりしていた。
二人がけソファに座らされると、部屋の奥から救急箱を持ってきて、しゃがみ込んで将司さんが息を飲んだ音がした。
何事も無かった様に膝を消毒し、大きめの絆創膏を貼られる。
かすり傷なので血も止まっている。
治療が終わっても、将司さんが中々立ち上がろうとしない。
何かを見て固まって………視線の先にはマイクロミニから伸びた脚………あれ?
慌ててスカートの裾を下に引っ張る。
位置からして下着が丸見えのばすです。
「おっ………お見苦しい物を」
「いや」
顔を赤くしながら視線を外す将司さんが、まだ床に座ったまま固まっています。
日焼けした腕がお腹の下を隠すようにしている。
「………脚………触りますか?」
「大人をからかうんじゃない」
「からかっていなければ良いんですか?」
スカートを押さえていた手を外す。
「将司さんが好き。私が触れられたいのは将司さんだけ」
「後悔するなよ」
「しません」
ゆっくり脚を開いてみせた。
「好き」
「俺もだ。俺も百合が好きだ」
私の腕を引っ張り床の上に座る将司さんの膝の上に座らされると、触れるだけのキスする。
チュッも音を立てて何度もキスする。
この時、花菜に渡された鞄を開けずにいた事を後悔するとは思っていませんでした。
「用務………将司さん、ココは?」
木々に囲まれたログハウス風の建物の前で車を降りる。
「俺の家」
「御家族と一緒に?」
「いいや。俺が買った」
女子校の用務員さんって、そんなに給料が良いの?それともローン?
「………何を想像してるか顔を見れば、大体は想像つくが、生前贈与で、まとまった金が手に入ったから、自然に囲まれた所に住みたくて買ったんだ。間違い無く俺の持ち家だ」
「いい所ですね」
「そう思うか?」
「はい。車の音ではなく、鳥の声と木を揺らす風の音しかしないなんて最高じゃないですか」
「そうか」
デートの待ち合わせ場所に、ジープっぽい車で現れた将司さんに、花菜達が3人がかりで変装させられた私を見てビックリしていた。
ギャルっぽいメッシュの金髪のカツラに、太ももが見える白いマイクロミニのスカートに、水色のビスチェに透けている生地のノースリーブのシャツを着て、厚底サンダルを履き、黒いキャップを被っていた。
メールでギャルっぽい変装しまいましたと送っておいたので、直ぐに私だと分かってくれたようです。
「凄いな」
「ガングロだけは阻止しまいました」
「はははっ百合は何を着ても可愛い」
私服姿の将司さんは、デニムに黒のTシャツとシンプルながらも、大きめのサングラスをしているので、パッと見では用務員さんと同一人物とは分かりにくいかもしれない。
車の助手席に座ると、シートベルトに手を掛けた瞬間に、いきなり車のドアを開けられる。
「はい。お泊まりセット」
ドサッと鞄を足の上に置かれた。
よく見るとニヤニヤ笑っている花菜だった。
「私と百合は実家の用事で外泊するから。寮には手続きしてあるから、ゆっくり楽しんで来なよ」
「待て待て待て!双子の妹なら、外泊は阻止するだろう?!」
「いやいや、可愛い百合がイケメンとイチャイチャするのを覗いたり、妄想するのが趣味だから、邪魔はしないって。それに大杉先生の件で百合を守ってくれた張本人に、お礼をしないとね。百合が幸せになるなら全力で応援するから」
「マルガリータは、そんな性格だったのか?」
困惑している将司さんのTシャツの裾を少し引っ張る。
「花菜は覗きの常習犯ですよ。オースティンもマルガリータを警戒していました」
「マジか」
「大マジ!あの野郎、婚約したのをいい事に、覗き見防止の結界をオプションで付けやがって、けしからん!」
「「………」」
そんな結界を張ってたんだ。
将司さんと2人で呆然と花菜を見ていた。
「とりあえず、いってらっしゃい」
「「………イッテキマス」」
最初の内は無言でドライブしていたけど、なんだか花菜の態度が可笑しくて笑いが込み上げてくると、隣の将司さんも噴き出していた。
「なんだあれ。双子でも、こんなに違うもんなんだな」
「花菜は明るいから」
「………百合の方が可愛いけどな」
急に褒められると、ビックリするやら、恥ずかしいやらで顔が熱くなる。
「学校では俺は職員だからな。でも百合が好きだ。その気持ちは変わらない」
「ちゃんと目を見て言ってください」
「後でな」
「はい」
楽しいドライブの後、着いたのは山の中に建つログハウス。
そして今の私は
(ギャル+厚底サンダル)+山道 な状態の上に山に不慣れな私なので結果として
「すみません」
派手に転んで膝から血を流した状態で、将司さんに お姫様抱っこで運ばれています。
「………役得……とは言い難いな。白くて綺麗な足に痕でも残ったら大変だ。早くて手当をしよう」
「重いですか?」
「いや。軽過ぎるが………足とか肩とか……直接的に肌に触れるのは………男としての忍耐を試されている気がする」
そっと熱い胸に耳を付けると、ドキドキと少し速いテンポの鼓動が聞こえる。
ログハウスの中は、割と近代的で木そのままって感じではなく、壁紙が貼ってあったりしていた。
二人がけソファに座らされると、部屋の奥から救急箱を持ってきて、しゃがみ込んで将司さんが息を飲んだ音がした。
何事も無かった様に膝を消毒し、大きめの絆創膏を貼られる。
かすり傷なので血も止まっている。
治療が終わっても、将司さんが中々立ち上がろうとしない。
何かを見て固まって………視線の先にはマイクロミニから伸びた脚………あれ?
慌ててスカートの裾を下に引っ張る。
位置からして下着が丸見えのばすです。
「おっ………お見苦しい物を」
「いや」
顔を赤くしながら視線を外す将司さんが、まだ床に座ったまま固まっています。
日焼けした腕がお腹の下を隠すようにしている。
「………脚………触りますか?」
「大人をからかうんじゃない」
「からかっていなければ良いんですか?」
スカートを押さえていた手を外す。
「将司さんが好き。私が触れられたいのは将司さんだけ」
「後悔するなよ」
「しません」
ゆっくり脚を開いてみせた。
「好き」
「俺もだ。俺も百合が好きだ」
私の腕を引っ張り床の上に座る将司さんの膝の上に座らされると、触れるだけのキスする。
チュッも音を立てて何度もキスする。
この時、花菜に渡された鞄を開けずにいた事を後悔するとは思っていませんでした。
0
お気に入りに追加
3,285
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢を演じて婚約破棄して貰い、私は幸せになりました。
シグマ
恋愛
伯爵家の長女であるソフィ・フェルンストレームは成人年齢である十五歳になり、父親の尽力で第二王子であるジャイアヌス・グスタフと婚約を結ぶことになった。
それはこの世界の誰もが羨む話でありソフィも誇らしく思っていたのだが、ある日を境にそうは思えなくなってしまう。
これはそんなソフィが婚約破棄から幸せになるまでの物語。
※感想欄はネタバレを解放していますので注意して下さい。
※R-15は保険として付けています。
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~
古里@10/25シーモア発売『王子に婚約
恋愛
前世コミュ障で話し下手な私はゲームの世界に転生できた。しかし、ヒロインにしてほしいと神様に祈ったのに、なんとモブにすらなれなかった。こうなったら仕方がない。せめてゲームの世界が見れるように一生懸命勉強して私は最難関の王立学園に入学した。ヒロインの聖女と王太子、多くのイケメンが出てくるけれど、所詮モブにもなれない私はお呼びではない。コミュ障は相変わらずだし、でも、折角神様がくれたチャンスだ。今世は絶対に恋に生きるのだ。でも色々やろうとするんだけれど、全てから回り、全然うまくいかない。挙句の果てに私が悪役令嬢だと判ってしまった。
でも、聖女は虐めていないわよ。えええ?、反逆者に私の命が狙われるている?ちょっと、それは断罪されてた後じゃないの? そこに剣構えた人が待ち構えているんだけど・・・・まだ死にたくないわよ・・・・。
果たして主人公は生き残れるのか? 恋はかなえられるのか?
ハッピーエンド目指して頑張ります。
小説家になろう、カクヨムでも掲載中です。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる