上 下
18 / 62
動き出す攻略対象者達

いけない先生

しおりを挟む
「まさかデズモンドが、セシルの替え玉の弟だったとはな」


「オースティン様………この事は」


「分かっている。何も言わない」


オースティン先生は、国王陛下の弟で、王宮や貴族を嫌い、逃げ回っていた所をアスランお父様に捕まって、しばらくブルームフォンテーン公爵家に居候していました。


「リリーの本命は、ランスロットでは無いのか?」


「私には、最初から選択権などありませんでしたもの」


「好きなのだろう?」


「分かりません」


オースティン様が眼鏡を外し、私の机に腰を下ろした。


「公爵令嬢の役目………か?」


「私の気持ちなど、誰も聞いてはくれませんわ」


いつでも決定事項として知らされる。


「……………今でも夢は……オレの嫁か?」


オースティン先生の時は”私”だけど、ブルームフォンテーン公爵家に遊びに来る時は”オレ”だった。


「今は答えられないわ」


エドワード様の婚約者候補になる前から、ずっと一緒に暮らしていた、年上の優しいお兄ちゃん。


私の初恋の人。


「ラフレアは”はじめまして”って挨拶してきたぞ」


「覚えていないのなしょう」


「まぁリリー以外は、近寄って来なかったからな」


「王弟ですもの。気安く接する事は、難しいのですわ」


「リリー」


名前を呼ばれて顔を上げると、オースティン先生に唇を奪われた。


「コレで、今日は4回目のキスだな」


「…………見ていましたの?」


「保険室に集まっている事は知っていたからな」


「いつから?」


「それは”いつから気が付いていたの?”もしくは”いつから見ていたの?”の”いつから”で良いのか?」


「両方です」


「………ずーっと最初から見ていた。呪いの手紙を受け取って、保険室で王子達と相談していた事も知っていた。よっぽどリリーのファーストキスはオレだと教えてやしたかったぞ」


「え?」


セシル様じゃない?


「幼いリリーに夜這いを掛けて、キスして帰ったからな」


「えぇ!!?」


「教師になる為に寮制の学校に行く前日の夜に、行かないでと大泣きしたリリーが忘れられなくて、真夜中に忍び混んだ。あまりに可愛かったから、小さなリリーの唇を堪能させて貰った」


「本当に?」


「あぁ………ちなみに我慢出来なくて、舌も入れて濃厚なキスをさせて貰った」


サラッと………爆弾投下しないで欲しいです!


「覚えていないのか?」


首を横に振る私を抱き上げ、オースティン先生の膝の上に座らせる。


包み込む様に抱き締められ、顎を片手で持ち上げられた。


「リリーが誰のモノか、思い出させてやるよ」


私からも顔を近づけ、キスをする。


何度も角度を変え、乱れる息ごと飲み込まれ、熱い舌が唇を割って入ってきた。


舌を絡め、口の中を這い回り、私の舌を引っ張り出すとオースティン様がソレに吸い付きた。


口の中でオースティン様の唾液が溜まっていくと、ゆっくり唇を離される。


「リリー……オレの唾液を飲み込んでごらん」


言われるままコクリの飲み下す。


「良い子だ………愛してるよ、オレのリリー」


心配した執事が迎えに来るまで、オースティン様とのキスを止められなかった。


1度は諦めた初恋の人交わす濃厚な大人のキスに酔いしれていました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

【R18】婚約破棄に失敗したら王子が夜這いにやってきました

ミチル
恋愛
婚約者である第一王子ルイスとの婚約破棄に晴れて失敗してしまったリリー。しばらく王宮で過ごすことになり夜眠っているリリーは、ふと違和感を覚えた。(なにかしら……何かふわふわしてて気持ちいい……) 次第に浮上する意識に、ベッドの中に誰かがいることに気づいて叫ぼうとしたけれど、口を塞がれてしまった。 リリーのベッドに忍び込んでいたのは婚約破棄しそこなったばかりのルイスだった。そしてルイスはとんでもないこと言い出す。『夜這いに来ただけさ』 R15で連載している『婚約破棄の条件は王子付きの騎士で側から離してもらえません』の【R18】番外になります。3~5話くらいで簡潔予定です。

【R18】熱い一夜が明けたら~酔い潰れた翌朝、隣に団長様の寝顔。~

三月べに
恋愛
酔い潰れた翌朝。やけに身体が重いかと思えば、ベッドには自分だけではなく、男がいた! しかも、第三王子であり、所属する第三騎士団の団長様! 一夜の過ちをガッツリやらかした私は、寝ている間にそそくさと退散。まぁ、あの見目麗しい団長と一夜なんて、いい思いをしたと思うことにした。が、そもそもどうしてそうなった??? と不思議に思っていれば、なんと団長様が一夜のお相手を捜索中だと! 団長様は媚薬を盛られてあの宿屋に逃げ込んでやり過ごそうとしたが、うっかり鍵をかけ忘れ、酔っ払った私がその部屋に入っては、上になだれ込み、致した……! あちゃー! 氷の冷徹の団長様は、一体どういうつもりで探しているのかと息をひそめて耳をすませた。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

あららっ、ダメでしたのねっそんな私はイケメン皇帝陛下に攫われて~あぁんっ妊娠しちゃうの♡~

一ノ瀬 彩音
恋愛
婚約破棄されて国外追放された伯爵令嬢、リリアーネ・フィサリスはとある事情で辺境の地へと赴く。 そこで出会ったのは、帝国では見たこともないくらいに美しく、 凛々しい顔立ちをした皇帝陛下、グリファンスだった。 彼は、リリアーネを攫い、強引にその身体を暴いて――!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

【R18】騎士たちの監視対象になりました

ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。 *R18は告知無しです。 *複数プレイ有り。 *逆ハー *倫理感緩めです。 *作者の都合の良いように作っています。

R18、アブナイ異世界ライフ

くるくる
恋愛
 気が付けば異世界。しかもそこはハードな18禁乙女ゲームソックリなのだ。獣人と魔人ばかりの異世界にハーフとして転生した主人公。覚悟を決め、ここで幸せになってやる!と意気込む。そんな彼女の異世界ライフ。  主人公ご都合主義。主人公は誰にでも優しいイイ子ちゃんではありません。前向きだが少々気が強く、ドライな所もある女です。  もう1つの作品にちょいと行き詰まり、気の向くまま書いているのでおかしな箇所があるかと思いますがご容赦ください。  ※複数プレイ、過激な性描写あり、注意されたし。

【R18】落ちこぼれ魔術師令嬢、寡黙な最強聖騎士様に吸われる

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
 同級生デクランに婚約破棄されてしまった落ちこぼれ侯爵令嬢ミーアが、隣国から帰ってきた幼馴染の寡黙な聖騎士ランベイルお兄ちゃんに、溢れ出す魔力を吸われていたはずが、いつの間にか欲望を注がれていた(吐き出されていた)話。 ※寝取りシーン加筆。他、部分加筆。 ※ムーンライト様で日間総合3位、日間短編1位をとった作品になります。 ※6/12ムーンライト様で無事に1万ポイントに到達しましたので、記念にアルファポリス様でも投稿を開始いたします。 ※ざまぁはぬるめ ※全12話+おまけ

処理中です...