婚約者をNTRた公爵令嬢が悪役だと誰が決めた？！！

月夜の庭

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乙女ゲームの全貌

隠れキャラ

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「本日より、Sクラスの剣技の講師を務めますランスロットです。王国騎士団から派遣されたので、兼任という形ですが、よろしくお願いします」

全校集会ではなく、Sクラスの朝礼のみの挨拶なので、私が在籍するクラス限定の特別講師です。

微妙な空気の保険室に、ランスロット様が入って来て「明日からSクラス限定の剣技講師として、派遣される事が決定した。他のクラスにも、部下達が一人ずつ派遣される」と切り出したので、私とエドワード様は事前に知っていた。

「同じく王室から……魔法の授業の講師として派遣されました………デズモンドです」

茶色いローブ姿で、深くフードを被っているので顔が見えません。

でも………聞き覚えがある声です。

「お二人はSクラスの副任となりますので、皆さん、失礼のないように」

緑色の髪をオールバックにした眼鏡の紳士、オースティン先生が2人の黒板に書かれていた名前を黒板消しで消した。

朝礼が終わり、ラフレアがSクラスに入ってくると、ランスロット様とデズモンド様に興奮気味で近寄った。

「私は次のテストでSクラスになる予定のラフレアです。よろしくお願いします！」

肌蹴た胸を擦り寄せようとして、ランスロット様には避けられ、デズモンド様には顔面を右手で掴まれた。

鷲掴み？あれが俗に言うアイアンクローとかいうヤツなのかな？？

「触るな」

「そんなに怒らないで？」

「…………」

ポイッとゴミでも捨てる様に払い除けられた。

床に転がったラフレアは、満面の笑みを浮かべている。

「ふふっ………こんなに早く隠れキャラの2人に会えるなんて、やっぱり私がヒロインなんだわ」

ラフレアの独り言に私とエドワード様は、一瞬だけ顔を見合わせた。

その隠れキャラであるランスロット様は、攻略不可能なんだけどね。

でも、ランスロット様の予想通り、手紙に書かれていない攻略対象者が存在している事が分かりました。

ラフレアを警戒しているモーガン、ジャスパー、ゼロ、アメリアの4人は、私の近くの席に座っている。

いつもの光景です。

今日はエドワード様も一緒です。

私が近くに居るからエドワード様に近寄れないと、勘違いさせておくには、これが一番なので。

「それにしても……ラフレアは、殿方なら誰でもよろしいのかしら？本当に見境がございませんのね？」

呆れ顔で見ているアメリア様の頭をエドワード様が撫でている。

「アメリアも、あんなのに絡まれて大変だね」

「あぅ………いえ、とりあえず逃げておりますので大丈夫ですわ。リリアーヌが一緒に居てくれるので助かります………それにリリアーヌは優しく……楽しいので……」

「ふふっお友達のアメリア様をお助けするのは当然ですわ」

「……お友達」

嬉しそうに、はにかんだアメリアが可愛いです！

「でもさ、デズモンド様の嫌がり方は凄いなぁ。いくら鬱陶しいからって、女の子の頭を鷲掴みするなんて」

「そうか？ジャスパーは女に無駄に優しいからな」

「…………僕は、もっとやれって思った」

「だよなぁ」

そんなにやり取りをしていると、私達の前にラフレアが腰に手を当てて仁王立ちしてた。

「ふん！！攻略漏れ確定キャラが集まって、私の悪口ですか？」

攻略漏れ？あぁ、攻略を諦めたから手紙に書いたのね。

「私は主要キャラよりも、隠れキャラが好きだって思い出したの！！今更、私に相手にされなくなったからって僻まないでよね！」

言うだけ言って帰って行きました。

「相手にしないそうですわ」

「だがなリリアーヌ、アイツはアメリアへの嫌がらせを止めていない。諦めた振りの可能性も捨て難い。用心しよう」

ランスロット様がラフレアのターゲットになっている事に、一抹の不安を感じていました。

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