6 / 38
ストーカー撃退
しおりを挟む
次の日の朝、俺は登校中に美和に声をかけられた。
「おはよう」
「ああ、おはよう!」
そのまま一緒に歩き始める。すると美和が話し出す。
「昨日、話した事なんだけどさ通学帰宅中にまた、あの男が現れたら気持ち悪いわ」
「たしかにそうだな。俺も不審な奴に注意するようにするよ」
「お願いね。それともう一つお願いがあるんだけど」
「なんだ?」と俺が言うと美和は顔を赤面させながら、小さな声で「今日は私と一緒に帰ってくれない?」と頼んできた。
俺はその言葉を聞いてドキッとした。
だが、「いいぜ!」と答えた。そして、俺と美和はそのまま大学まで歩いていった。
その日の放課後、俺と美和は一緒に帰宅していた。
俺は緊張しながら横にいる美和を見た。
「どうしたの?」と美和が不思議そうに聞いてくる。
「いや、なんでもないよ……」と答えて前を向いた。
しばらく歩いていると、俺は異変に気づいた。
後ろから誰かが尾行しているような気がするのだ。
俺は立ち止まり、美和の方を向き「ちょっと先に行っててくれないか?」
美和は「どうしたの?」と尋ねる。
「後をつけてる人がいるみたいだ」
と俺は答え、後ろを振り返り確認する。
(誰もいない……)と思っていると、電柱に隠れていた男が飛び出し、襲ってきた。
「死ねぇー!!」と叫び、ナイフを突き刺してきたが、俺はそれを軽々と避けた。
「くそっ! 外したか……」と男は悔しそうに言い、再び襲いかかってくる。
俺は攻撃をかわすとナイフを持った相手の腕を取り、背負い投げをした。
「ぐはぁ!」と相手は地面に叩きつけられた。
俺はすかさず男の腕を後ろに捻り上げ肩と腕を極め抑え込むと、相手が叫んだ。
「痛てぇ!! 放せよクソ野郎!!」
俺は相手に話しかける。
「おい、お前誰だよ? なんで俺たちの後をつけた?」
「うるせえ! いいから早く放しやがれ!」
俺は少し力を入れて男の腕をさらに締め上げた。
「ぐあっ!……わかった、話すから勘弁してくれ!」と男は苦しそうに言った。
美和はその男の顔を見ると驚いた表情になった。
「あなたは、この前の!!」
「以前、無理やり誘おうとしていた男か?」
「うん、間違いない。こいつよ」
「お前が美和のストーカーだな?」
「俺はその子が好きだったんだ!」と男は言う。
「それで強引に誘おうとしたのか?」
「そうだ」と男が答える。
「お前最低だな」
「うるせぇ! 男がいたとは知らなかったがな」と言い返される。
すると美和が口を開く。
「あんたみたいなのは最低よ」
「そんな……」と男がショックを受けている。
「もう二度と近づかないと約束しろ」
「……わかった」と男は答える。
「じゃあ、解放してやるよ」と言って俺は手を離した。
無言で男は去って行った。
「大丈夫だったか?」
「うん、ありがとう」
「気にすんなよ」と俺は答え歩き出した。
「ねえ、一つ聞いていい?」
「なんだ?」
「どうして、男につけられてるのが分かったの?」
「実は俺には人の気配を感じる能力があってさ……」
俺はそう言って説明した。
「そうなんだ。なんか凄いね」と美和が感心したように言った。
その後、俺と美和は何事もなく帰宅した。
その頃、美和にストーカーをしていた男は「あの男、強すぎる。武器を持ってても敵わなかった。どうすれば、あの男に邪魔されずに……」
と呟きながら歩いていた。
「もしよろしければ私が、あの男に勝てるようにする力を与えましょうか?」とスーツを着た端正な顔をした男が近づきながら話してきた。
「誰だ!?」とストーカー男は驚いて声を上げた。
「私は、あなたの願いを叶える者です」
「本当なのか?」とストーカー男は半信半疑の様子で言う。
「はい。ただし、条件があります」
「どんな事だ?」
「私の望みをかなえて欲しいのです」
「何をさせる気だ?」
「それは、まだ言えません……。ただ、その代償としてあなたは強くなれます」
「……わかった。どうしたらいい?」
「まずは、こちらに来てください」と男が手招きをする。
ストーカー男は恐る恐る男の方に近づいていく。
「そのまま動かないで下さい」と言われてストーカー男は立ち止まった。
すると、男の手から黒い霧のようなものが現れ、ストーカー男を包み込んだ。
「うわぁー!」とストーカー男は叫び、もがき苦しむ。
しばらくすると、黒い霧は消えていった。
「今のはなんだったんだ?」とストーカー男が不安げに言う。
「今からあなたは力を手に入れました。試しに私を攻撃してください」と男が言い、右手を前に出して構える。
「こうか?」とストーカー男が拳を振り上げて殴りかかる。
「それでは駄目ですね。もっと力を入れないと」
「難しいな」
「イメージしなさい。あなたは、あの男よりも強いと念じるのですよ」
「そうか。わかった。やってみる!」とストーカー男は言うと目を閉じた。
すると、身体中に力がみなぎってくるような感覚があった。
そして目を開けると、目の前にいるはずの男の姿は見えなくなっていた。
「あれっ?」とストーカー男は周りを見渡すが見当たらない。
「どこを見てるんですか?あなたは、もうすでに強くなっているんですよ」と背後から声が聞こえてきた。
振り返ると、いつの間にか先程まで目に映らなかったはずの男が立っていた。
「本当に強くなったのか?」
「はい、もちろんです」
「よし、ならもう一度あいつを倒してやるぜ!」
「頑張って下さいね」と男が言った瞬間、ストーカー男は走り出していた。
「待ってろよ! クソ野郎!!」とストーカー男は叫ぶと、あっという間に姿を消した。
「私の役に立ってくれればいいんですがね……」
「おはよう」
「ああ、おはよう!」
そのまま一緒に歩き始める。すると美和が話し出す。
「昨日、話した事なんだけどさ通学帰宅中にまた、あの男が現れたら気持ち悪いわ」
「たしかにそうだな。俺も不審な奴に注意するようにするよ」
「お願いね。それともう一つお願いがあるんだけど」
「なんだ?」と俺が言うと美和は顔を赤面させながら、小さな声で「今日は私と一緒に帰ってくれない?」と頼んできた。
俺はその言葉を聞いてドキッとした。
だが、「いいぜ!」と答えた。そして、俺と美和はそのまま大学まで歩いていった。
その日の放課後、俺と美和は一緒に帰宅していた。
俺は緊張しながら横にいる美和を見た。
「どうしたの?」と美和が不思議そうに聞いてくる。
「いや、なんでもないよ……」と答えて前を向いた。
しばらく歩いていると、俺は異変に気づいた。
後ろから誰かが尾行しているような気がするのだ。
俺は立ち止まり、美和の方を向き「ちょっと先に行っててくれないか?」
美和は「どうしたの?」と尋ねる。
「後をつけてる人がいるみたいだ」
と俺は答え、後ろを振り返り確認する。
(誰もいない……)と思っていると、電柱に隠れていた男が飛び出し、襲ってきた。
「死ねぇー!!」と叫び、ナイフを突き刺してきたが、俺はそれを軽々と避けた。
「くそっ! 外したか……」と男は悔しそうに言い、再び襲いかかってくる。
俺は攻撃をかわすとナイフを持った相手の腕を取り、背負い投げをした。
「ぐはぁ!」と相手は地面に叩きつけられた。
俺はすかさず男の腕を後ろに捻り上げ肩と腕を極め抑え込むと、相手が叫んだ。
「痛てぇ!! 放せよクソ野郎!!」
俺は相手に話しかける。
「おい、お前誰だよ? なんで俺たちの後をつけた?」
「うるせえ! いいから早く放しやがれ!」
俺は少し力を入れて男の腕をさらに締め上げた。
「ぐあっ!……わかった、話すから勘弁してくれ!」と男は苦しそうに言った。
美和はその男の顔を見ると驚いた表情になった。
「あなたは、この前の!!」
「以前、無理やり誘おうとしていた男か?」
「うん、間違いない。こいつよ」
「お前が美和のストーカーだな?」
「俺はその子が好きだったんだ!」と男は言う。
「それで強引に誘おうとしたのか?」
「そうだ」と男が答える。
「お前最低だな」
「うるせぇ! 男がいたとは知らなかったがな」と言い返される。
すると美和が口を開く。
「あんたみたいなのは最低よ」
「そんな……」と男がショックを受けている。
「もう二度と近づかないと約束しろ」
「……わかった」と男は答える。
「じゃあ、解放してやるよ」と言って俺は手を離した。
無言で男は去って行った。
「大丈夫だったか?」
「うん、ありがとう」
「気にすんなよ」と俺は答え歩き出した。
「ねえ、一つ聞いていい?」
「なんだ?」
「どうして、男につけられてるのが分かったの?」
「実は俺には人の気配を感じる能力があってさ……」
俺はそう言って説明した。
「そうなんだ。なんか凄いね」と美和が感心したように言った。
その後、俺と美和は何事もなく帰宅した。
その頃、美和にストーカーをしていた男は「あの男、強すぎる。武器を持ってても敵わなかった。どうすれば、あの男に邪魔されずに……」
と呟きながら歩いていた。
「もしよろしければ私が、あの男に勝てるようにする力を与えましょうか?」とスーツを着た端正な顔をした男が近づきながら話してきた。
「誰だ!?」とストーカー男は驚いて声を上げた。
「私は、あなたの願いを叶える者です」
「本当なのか?」とストーカー男は半信半疑の様子で言う。
「はい。ただし、条件があります」
「どんな事だ?」
「私の望みをかなえて欲しいのです」
「何をさせる気だ?」
「それは、まだ言えません……。ただ、その代償としてあなたは強くなれます」
「……わかった。どうしたらいい?」
「まずは、こちらに来てください」と男が手招きをする。
ストーカー男は恐る恐る男の方に近づいていく。
「そのまま動かないで下さい」と言われてストーカー男は立ち止まった。
すると、男の手から黒い霧のようなものが現れ、ストーカー男を包み込んだ。
「うわぁー!」とストーカー男は叫び、もがき苦しむ。
しばらくすると、黒い霧は消えていった。
「今のはなんだったんだ?」とストーカー男が不安げに言う。
「今からあなたは力を手に入れました。試しに私を攻撃してください」と男が言い、右手を前に出して構える。
「こうか?」とストーカー男が拳を振り上げて殴りかかる。
「それでは駄目ですね。もっと力を入れないと」
「難しいな」
「イメージしなさい。あなたは、あの男よりも強いと念じるのですよ」
「そうか。わかった。やってみる!」とストーカー男は言うと目を閉じた。
すると、身体中に力がみなぎってくるような感覚があった。
そして目を開けると、目の前にいるはずの男の姿は見えなくなっていた。
「あれっ?」とストーカー男は周りを見渡すが見当たらない。
「どこを見てるんですか?あなたは、もうすでに強くなっているんですよ」と背後から声が聞こえてきた。
振り返ると、いつの間にか先程まで目に映らなかったはずの男が立っていた。
「本当に強くなったのか?」
「はい、もちろんです」
「よし、ならもう一度あいつを倒してやるぜ!」
「頑張って下さいね」と男が言った瞬間、ストーカー男は走り出していた。
「待ってろよ! クソ野郎!!」とストーカー男は叫ぶと、あっという間に姿を消した。
「私の役に立ってくれればいいんですがね……」
5
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる