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2章 誘拐・融解事件
78話 地味に出ていた答え
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「焦ってると周囲って見えなくなると改めて痛感する。言われてみれば確かに、アイリスさんは最初から答え出してくれていた。彼女、ずっと地下牢から呼び掛けていたんだよな」
「……あっ?! あぁあああ?!」
フレッドも大きな声を上げて、張り出されていた夢の中のアイリスの写真を手に取る。感極まったように、アイリス、とフレッドが呟いた。
黄ばんだ壁、壁から吊るされた枷。そして鉄格子。隅にはベッドも見える。
アイリスのいる場所は地下牢だ。
ついこの前捜査に行ったエルヴィス家にも違法で作られた地下牢があった。和葉も、頭には入っていたのに。
ここまで教会に関する情報が出て来ていたのなら、アイリスの夢の事も合わせて考えれば、必然的に地下牢も違法で建設されたという推測は立てられただろう。
キーラの言う通り、『王族の保護』を受け持つことにもなる教会の建設時、何らかの書面を交わしていてもおかしくないと推測に至れたはず。その方面から王家で教会建設時に関連した書類を持っていないかと声を掛ければゴルドバ建設へ辿り着いたかもしれない。
「せいては事を仕損じる……今回は、キーラさんに助けられました。ありがとうございます」
キーラは「どういたしましてぇ~」と唇を尖らせて鍵を指先で振り回した。何だろう、面白くなさそうだ。
「乗り込むつもりだったんでしょう」
「当り前じゃなぁ~い。面白そ……げふん」
「一緒に行っても良いのでは?」
「騒がしいのは好きじゃないのよ~。仕事戻るわ~」
キーラはひらひらと手を振って会議室を出て行ってしまった。
「どうかしら、アシュレイ様? 準備できそう?」
「……昨日、見た」
アシュレイがボソッと答えた。
「ある場所は知ってる。だが、四十分後に頼む」
「分かりました。自室にお繋ぎしますね」
「自室の座標位置把握されてるとか怖いんだが……」
「カズハ、静かに!」
思ったことを言ったらケイに閉口するよう言われた。
サビータが笑顔を張り付けたままこっち見ている表情の方が怖かった。
「皆さん、どこに行くんだろうか。正面突破だけだと、地下水路っていう逃走ルートから逃げられてしまうんだが」
「そこにはお前が行け、ギメイ。ダニエルも行かせる。ゾンビの相手なら造作もない。これから『鍵』の持ち出し許可を取ってくるから、まだ行くなよ」
「かしこまりました」
ダニエルが頭を下げたのに習って、和葉も頭を下げる。自室に繋がれたアシュレイはすぐに扉を閉じた。
「えっと……私は、どうしよう?」
「お前も職員の服に着替えろ。その格好で行くのは俺が許さない」
言われてみれば、寝間着のままだったのを忘れていた。
和葉は着替えた後に食事でも摂ろうと考えながら学園と会議室と冒険者ギルドをつないでいる扉の方を開く。真正面には窓。ベッドが左右に分かれて置かれ、天井からは仕切り代わりのカーテンがぶら下がっている。見慣れた職員寮の部屋だ。
「…………」
「便利でしょ?」
「あ、はい」
プライバシーをブレイクスルーされた気がした。和葉は初めて、魔法が怖いと思った。
■□■□■
着替え終わってそっと扉を開けたらいつもの見慣れた廊下で安心した。時間は昼を過ぎ、ランチの時間だ。階段下から聞こえてくる音が慌ただしい。
一緒に寮部屋へ来たケイと共に間を降りて行くと、そこには白い布地に縁に金色の刺繍で飾られているローブを被った人が座っていた。その額には和葉が夢の中で見た……正確には、魂が連れて行かれた先で見た、魔神召喚の資料に押印されていたペルーナ教会の紋章……鏡を抱くドラゴンの紋章が精緻に刺繍されている。
その人物はフードを剥いだ。
「やあ」
「カルロスさん」
今までは一本に束ねていた髪は解かれていた。
「お前、帝都を出るんじゃなかったのか?」
「そうしようと思ったんだけど、帝都は全面封鎖中でしょ? 出られはするけど、出たらまずいでしょ?」
言われてみれば確かに。和葉は同意する。
「その様子からして、仲間の説得は失敗したのか?」
「うん。それどころか、ペルーナ神への忠誠心が足りないだとか言われちゃってさー」
やはり意地になっているだけのようだ。関係ないところで怒っている。忠誠心があるなら悪事こそ見逃してはいけない。
「それで、私達の所に来た理由は?」
「マルセイ達の摘発の手伝い。あんなの庇ってられないよ。さっさと帝国軍に調べてもらおうと思ってね」
「朗報か残念なお知らせかは君次第になるが、実はついさっき、教会で地下牢の違法建築を証明する契約書とその設計図が発見された」
「あー……」
カルロスは視線を逸らしたものの、「まぁいいか」とソファーから立ち上がった。
裾は長い。ほぼ全身がローブに覆われて体格が見えない。それでも、どこか教会関係者であるのは分かる。
「帝国って地下牢の建築禁止なんだ? いつから?」
「もう二百年以上前からだ。時が経つにつれて地下牢を持てる個人邸宅や施設は基準が厳しくなっている」
「そりゃ駄目だね。シャラリアならあの規模の教会だと国の手伝いの一環として犯罪者を一時的に捕縛する地下牢は併設されてて当たり前だけど、ここは帝国だからね」
カルロスはやれやれと溜息を零して、肩を竦めた。
「……あっ?! あぁあああ?!」
フレッドも大きな声を上げて、張り出されていた夢の中のアイリスの写真を手に取る。感極まったように、アイリス、とフレッドが呟いた。
黄ばんだ壁、壁から吊るされた枷。そして鉄格子。隅にはベッドも見える。
アイリスのいる場所は地下牢だ。
ついこの前捜査に行ったエルヴィス家にも違法で作られた地下牢があった。和葉も、頭には入っていたのに。
ここまで教会に関する情報が出て来ていたのなら、アイリスの夢の事も合わせて考えれば、必然的に地下牢も違法で建設されたという推測は立てられただろう。
キーラの言う通り、『王族の保護』を受け持つことにもなる教会の建設時、何らかの書面を交わしていてもおかしくないと推測に至れたはず。その方面から王家で教会建設時に関連した書類を持っていないかと声を掛ければゴルドバ建設へ辿り着いたかもしれない。
「せいては事を仕損じる……今回は、キーラさんに助けられました。ありがとうございます」
キーラは「どういたしましてぇ~」と唇を尖らせて鍵を指先で振り回した。何だろう、面白くなさそうだ。
「乗り込むつもりだったんでしょう」
「当り前じゃなぁ~い。面白そ……げふん」
「一緒に行っても良いのでは?」
「騒がしいのは好きじゃないのよ~。仕事戻るわ~」
キーラはひらひらと手を振って会議室を出て行ってしまった。
「どうかしら、アシュレイ様? 準備できそう?」
「……昨日、見た」
アシュレイがボソッと答えた。
「ある場所は知ってる。だが、四十分後に頼む」
「分かりました。自室にお繋ぎしますね」
「自室の座標位置把握されてるとか怖いんだが……」
「カズハ、静かに!」
思ったことを言ったらケイに閉口するよう言われた。
サビータが笑顔を張り付けたままこっち見ている表情の方が怖かった。
「皆さん、どこに行くんだろうか。正面突破だけだと、地下水路っていう逃走ルートから逃げられてしまうんだが」
「そこにはお前が行け、ギメイ。ダニエルも行かせる。ゾンビの相手なら造作もない。これから『鍵』の持ち出し許可を取ってくるから、まだ行くなよ」
「かしこまりました」
ダニエルが頭を下げたのに習って、和葉も頭を下げる。自室に繋がれたアシュレイはすぐに扉を閉じた。
「えっと……私は、どうしよう?」
「お前も職員の服に着替えろ。その格好で行くのは俺が許さない」
言われてみれば、寝間着のままだったのを忘れていた。
和葉は着替えた後に食事でも摂ろうと考えながら学園と会議室と冒険者ギルドをつないでいる扉の方を開く。真正面には窓。ベッドが左右に分かれて置かれ、天井からは仕切り代わりのカーテンがぶら下がっている。見慣れた職員寮の部屋だ。
「…………」
「便利でしょ?」
「あ、はい」
プライバシーをブレイクスルーされた気がした。和葉は初めて、魔法が怖いと思った。
■□■□■
着替え終わってそっと扉を開けたらいつもの見慣れた廊下で安心した。時間は昼を過ぎ、ランチの時間だ。階段下から聞こえてくる音が慌ただしい。
一緒に寮部屋へ来たケイと共に間を降りて行くと、そこには白い布地に縁に金色の刺繍で飾られているローブを被った人が座っていた。その額には和葉が夢の中で見た……正確には、魂が連れて行かれた先で見た、魔神召喚の資料に押印されていたペルーナ教会の紋章……鏡を抱くドラゴンの紋章が精緻に刺繍されている。
その人物はフードを剥いだ。
「やあ」
「カルロスさん」
今までは一本に束ねていた髪は解かれていた。
「お前、帝都を出るんじゃなかったのか?」
「そうしようと思ったんだけど、帝都は全面封鎖中でしょ? 出られはするけど、出たらまずいでしょ?」
言われてみれば確かに。和葉は同意する。
「その様子からして、仲間の説得は失敗したのか?」
「うん。それどころか、ペルーナ神への忠誠心が足りないだとか言われちゃってさー」
やはり意地になっているだけのようだ。関係ないところで怒っている。忠誠心があるなら悪事こそ見逃してはいけない。
「それで、私達の所に来た理由は?」
「マルセイ達の摘発の手伝い。あんなの庇ってられないよ。さっさと帝国軍に調べてもらおうと思ってね」
「朗報か残念なお知らせかは君次第になるが、実はついさっき、教会で地下牢の違法建築を証明する契約書とその設計図が発見された」
「あー……」
カルロスは視線を逸らしたものの、「まぁいいか」とソファーから立ち上がった。
裾は長い。ほぼ全身がローブに覆われて体格が見えない。それでも、どこか教会関係者であるのは分かる。
「帝国って地下牢の建築禁止なんだ? いつから?」
「もう二百年以上前からだ。時が経つにつれて地下牢を持てる個人邸宅や施設は基準が厳しくなっている」
「そりゃ駄目だね。シャラリアならあの規模の教会だと国の手伝いの一環として犯罪者を一時的に捕縛する地下牢は併設されてて当たり前だけど、ここは帝国だからね」
カルロスはやれやれと溜息を零して、肩を竦めた。
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