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英雄奪還編 後編

七章 第五十話 時の女神

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 龍帝はラウムを引き連れ二人でボーンネルに訪れていた。ただ龍帝の治めるニルファーム国がモンドと繋がったわけではない。ニルファームに向けられる僅かな戦力を不審に思い各地を調査した結果辿り着いたのがモンドだったのだ。

「おうおう、派手にやってんねえ。うちとは大違いだ」

「ジンは大丈夫かしら。心配だわ」

 二人は内に秘めた膨大な魔力を完全に隠しモンドの中へと入っていた。辺りに広がる異様な光景はまさに厄災。しかし二人にとっては取るに足らない。上空から戦場を俯瞰し冷静に状況を見極めていた。

「奴らここにほとんどの戦力を割いてやがるな。ちっと来るのが遅かったか。負傷者も酷い数だな」

「ひとまずは私の魔法でほとんど助けられるわ。でも敵の戦力が広範囲に広がり過ぎている。ゼステナ達がいても全てをカバーするのは無理だわ」

 ラウムは降り立ちそっと地面に手を当てると瞬時に魔力が広がっていった。この広い戦場で対象者のみに治癒を与えるという超高度な魔法をラウムはものの数秒でやったのだ。

「でもさ、妙だと思わねえか。どうして戦力を一か所に集約させる必要があるんだ。この際帝王全員が来ちまえば敵はどう考えても不利だろ」

「それほどパールちゃんを奪いたいのじゃない? だってあの子とてもかわいかったもの」

「かわいいから奪うね····それほとんどラウムちゃんの私情じゃんか」

「まあ真面目な話······周期が来たのでしょうね。いずれにしろパールちゃんを奪われればどんな道を辿るかなんて分かっている。だから女神がこれほど必死に粛清を行なっている。女神なら下界に干渉せずに運命を受け入れてほしいものだわ。どれだけの力を手に入れても来たる運命を避けることなんてできない。そうでしょう」

「まあな······ん? あれって」

「———?」

 並び立つ二人の目の前には見覚えのある者達が現れた。低空飛行していたその者達はニルギスとラウムを見つけると翼を閉じ地面に降り立った。それに反応するようにしてニルギス達は二人を観察し戦闘の構えを取る。

「おうニルギス、ラウム。百年ぶりか? ひっさしぶりだなぁ」

 ラミリアと共に現れたメイロードは快活な笑い声を響かせ構える二人の前に堂々と仁王立ちをした。その様子に二人は顔を合わせ小さく頷きクスりと笑った。

「おう久しぶりだな。メイロードちゃん向こうについたって聞いてたけどその様子だともう大丈夫そうじゃん。ラミリアちゃんも久しぶり」

「お久しぶりですお二人とも。ご安心を。メイロード様は大丈夫です」

「もちのろんよ。私があんなグズ共につくわけねえっつの」

「私は初めから分かっていたけれどね。これからあなた達は何処に行くの?」

「ここにいるジンってやつに用があってな。お前らは知ってるか?」

「ジンちゃんなら俺たち二人とも会ったことあるぜ。どうしたんだ?」

「少し会って確認したいことがある。なぜそいつなのかは······まあ勘だ。私の勘がそう言ってる。それでお前達は?」

「俺達はただ手助けに来ただけだぜ。それと驚いたことにゼステナちゃんとクリュスちゃんはジンちゃんの配下になってんだ。二人とも会いたいと思うぜ」

「ちなみにゼグトスもね」

「····あいつはいいっつうの」

「へえ、あの三人がね。ますますそのジンってやつに興味が湧いてきた。私は急ぐぜ、お前達も気をつけろよ」

「ではお二方、失礼致します」

 そうして二人は再び翼を広げ高速で飛んでいった。ニルギス達は笑顔で二人を見送ると反対方向を向く。切り替え真剣な面持ちの二人の視界には大量のメカが入っていた。無尽蔵に湧くその敵は二人をロックオンし一斉に動き出す。二人は余裕そうな顔で立ち迫り来るメカを見つめた。

「五分だな」

 ニルギスはそう呟きゆっくりと歩みを進めた。



 ************************************



 想像の何倍もモンドの中は酷い状況だった。クレース達と別れた後に向かった場所には倒れていた機械兵やメカのみが見当たり他には誰もいない。ただ見慣れた建物は崩れ去りモンドの空間は全て別物になっている。ロードの助けがないと絶対に道に迷ってる。多分、さっきの機人族が一人で全て改変したんだ。

「あれ?」

 見覚えのある扉だ。週に二、三回この扉を開けている。もし中身が同じなら、この中には可愛い魔物達がいる。

「······」

 扉を開けた瞬間、ものすごい数の視線が向けられた。木々が生い茂るこの環境はいつもと同じだ、でも少し緊張する。支配権を奪われた今、自我がどうなっているのか分からない。

「グギャアアアアああ!!」

 魔物達の鳴き声が一斉に響き渡り一気に風が吹き込んできた。魔物達はジンの姿を見つけると駆け寄り入り口は一瞬のうちに大量の魔物で埋め尽くされた。魔物の種類は多種多様でありAランクからSランクの魔物が争い合うことなく密集している。

「よかったぁ、大丈夫そうだね」

魔物はジンの前で急に大人しくなりまるで親と接するように甘え始めた。

「あれ、こんなにいたかな」

 初めは小さかった魔物も今では高ランクの種へと進化している。でも本当に特別なことは何もしてない。ご飯をあげて、撫でているだけだ。多分この空間の魔力濃度が高いからその分成長速度も高いのかもしれない。

「うわ、かなり······すごい」

 地面には数十体のメカが倒れているけどこれは不自然だ。単純な魔物のランクで考えればメカを簡単に倒せはしない。戦い方を教えたわけでもないから特別強い個体になったわけでもないのだ。なのに見る限り誰も傷ついている様子は見えなかった。

 あと何故か違和感を感じる。一体だけ他の魔物達とは雰囲気の違う魔力を感じる。だけど辺りを見渡しても何も······

 ———何も

「———えっ」

 あまりにも周りと同化していて気づかなかった。深い緑色の鎧。見上げるほどの大きな人型の魔物は音を立てて跪いた。

「我が王よ、我らの前に御姿を見せてくださるとは。何という僥倖」

知らない、申し訳ないけど本当に誰だか分からない。でもこんなこと言えない。

「しゃべっ···た」

 人型の魔物は身体を収縮させ人間ほどの大きさになると頭を垂れ持っていた刀を目の前にそっと置いた。

「はじめ····まして?」

「このように会話をするのは初めてでございます。我が王よ」

 本当に何者なんだ。何故かものすごく慕ってくれてる。でも確かなのは魔力の性質が他の魔物達とは根本的に違うことだ。多分一度見たら忘れない。

「その、名前とか····」

「偉大なる我が王に名乗るほどの名などありません。ただ俗世では『在る者』と呼ばれております」

 多分いいや絶対、Gランクの魔物だ。実物は初めて見た。Sランクの魔物なら何体も見てきたけどこの魔物は格が違う。おそらくこの空間で突然生まれた、もしくは外部から好んでここに住み着いたかだ。だけそともかく味方なのは確かだ。

「でも『在る者』か····名前があった方が便利じゃない? 私がつけてもいい?」

「おおッ······なんと」

『在る者』は感激し身体が震えていた。垂れていた頭を上げジンの言葉を待ち侘びるように前傾姿勢になっていた。

「えっと······」

 そもそもGランクの魔物に名前なんてつけていいのか分からない。まあいいや、こういう時は直感でいい。

「グリンとかどう?」

「グリン····グリン·········グリン、グリン。流石は我が王。素晴らしい、これほどしっくりとくる名は他にありません。グリンとしてあなた様に一生の忠誠を。我が王よ、我らに御命令を。そして御安心を、私がいる限りここにいる同胞たちは死なせません」

「分かった。手加減はいらない、誰も死なずに敵を殲滅させて」

 魔物達は武者振るいしその命令を胸に刻む。グリンは剣を手に取り帯刀すると立ち上がり、ジンの方を向いたまま胸に手をあてて頭を下げた。

「では、敵の殲滅を開始致します」

「········流石」

 グリンは言葉を言い終えるとすぐ無数の魔物と共に消え去った。その空間には魔物により倒された数百体ものメカとジンのみになった。こうして戦場にはグリム率いる魔物の集団が解き放たれたのだ。

「よし······急がないと」

 まずはパールとガルと会わないと。魔力は感じられないけどガルのいる場所は何となく分かる。

「······あれ」

(ジン? どうしたんだい?)

(ガルがどこかで呼んでる)

(ガルが? 僕には聞こえないよ)

(ううん、分かるんだ。ガルが助けを呼んでる)

 小さな頃から一緒にいると魔力とか関係なく場所を感じ取れる。戦場は高密度の魔力で満たされているけどガルの気配が濃くなってきた。方向は分かる、多分近くだ。

「ガル! パール!」

 近くにいる。ガルの近くにパールの魔力も感じられる。よかった、長時間ガルとパールを抱いてないと不安になる。だけどもうすぐで会える。

「あそこの扉だ」

 確信を持って扉を開けた。
 ガルの匂いがする。
 ガルの匂いが······

「ガルが····血が······」

「······ジン」

視界には確かにパールとガルがいた。いつもと違うのはパールの目には涙が浮かべている。そしてガルは、ガルは。

血を流して倒れ込んでいる。

「ガルっ······」

 ガルは巨大な姿に変わりながらパールを囲い込むように尻尾を巻きつけていた。血の流れるその身体へパールの治癒魔法が流し込まれていたがガルは一向に回復していない。その前には女が一人立ちパールに向けて魔力を放出しようとしていた。

「······バぅ」

 ガルは主人の存在を感じ安心したように目を瞑った。

「······邪魔が入りましたか」

 女は小さく呟き手を止めた。その女神——アウロラはジンの気配を感じると振り返りパール達から目を逸らす。

「———?」

 アウロラの視界にはすぐ近くにジンの顔が映っていた。一瞬見た背丈では明らかに自分の方が上、しかし何故か今遠くにあったその顔が眼前にまで迫っていた。見下したような冷たい瞳。その目を見た瞬間、違和感を感じた。

(何故····私は地面に膝をついている。この者がしたのか、いつ、どうやって)

「じん····ごめんなさいぃ。ガルなおらない」

「大丈夫、ありがとう······癒しの手エスト

 治癒魔法をかけられたガルの容体は落ち着き身体の大きさは元に戻った。

「アウロラ様ご無事ですか」

 アウロラの隣には機人族を連れた天使が現れた。特級天使が三体に加え機人族が二体。女神の護衛として十分と言える戦力だった。

「問題ありません。ですが早急に終わらせることが賢明でしょう」

 アウロラは立ち上がり精神を集中させる。凡人には一生生み出せないような特殊な質の魔力。そんな魔力をアウロラは最も簡単に作り出した。小さくそして高密度の魔力の玉は手の中でうごめき始める。

「ジン気をつけて。何もしてないのにガルがたおされた」

「大丈夫だよパール、安心して」

「これ以上の抵抗はやめてください。痛めつけるつもりはありません。あなたでは私と同じ時を動けません」

 アウロラは手に持っていた魔力を静かに解放した。空間は歪みその瞬間、辺りの音が消え去った。

時間支配ヨグ・ソトース

 時の女神、そう呼ばれるアウロラにとって時間を停止させることなど容易いことであった。この状態ではアウロラの他誰一人として動くことができない。時間支配ヨグ・ソトースを使用したアウロラは文字通り無敵だった。パールの方へとゆっくりと歩いていき手を伸ばす。

「いいのです。これでエメスティアはッ」

ロード・オブ・フロノス

 アウロラは手を掴まれ背筋が凍りつく。時間支配ヨグ・ソトースはアウロラ自身が解除しない限り他者から干渉されることはなかった。今までは。しかし今、自身の時間領域は他人に支配されている。

(どうして。どうして。人族の分際で何故私の時間の中を動けている)

「容赦するつもりはない。あの子は渡さないし、もう傷つけさせない」

「······あなたは一体」

 アウロラは久しく忘れていた焦りを感じた。時間支配ヨグ・ソトースにより時間を止めパールを奪っていくつもりだった。しかし使用した場合魔力消費は凄まじく女神と言えども長時間は使えなかった。アウロラがすぐさま時間支配ヨグ・ソトースを解除すると辺りの様子は元に戻っていた。

「アウロラ様!? これは一体」

 この状況に一番驚いていたのは護衛の天使であった。アウロラ以外の時間が止まるとはいえ、魔法の開始と終了を観察することは難しくない。隣にいたアウロラはパールの近くまで移動しているが直前でジンに止められている。その事実に驚愕していたのだ。

(この者が使用したのはおそらく私の魔法と同等、いいえそれ以上。続けないということはおそらく私と同じように魔力消費が激しいということ)

「ジン? だいじょうぶ?」

「大丈夫だよ。私の後ろから離れないでね」

「うん!」

「あなた達では相手になりません、下がっていなさい」

「で、ですが····」

 躊躇う天使の横で機人族は一歩前に出た。

「我らは女神の命令を聞くつもりはない。強者との戦いを求める」

「それならば何も言いません」

 アウロラは結果を分かりきったような顔でジンに向かっていく二人の機人族を一瞥した。

虚無ロード・オブ・ヴォイド

 戦闘と言えるものなど始まってすらいなかった。ジンに向かい走り出した瞬間、機人族は突如現れた空間の中へと呑み込まれていったのだ。アウロラの警戒はさらに強まり護衛の特級天使はアウロラの言葉の意味を理解する。

「その天使は必ず····」

 アウロラは自分に言い聞かせるように呟き戦闘を開始した。
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