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4.計画
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カイトは計画がありますと言った。
「まずは僕のスマートフォンに貴方の足音を録音します」
カイトはスマートフォンを取り出すと細い指で画面をスワイプして録音アプリを開いた。
「じゃあいきますよ。はい、歩いて」
私は言われるままに部屋の端から端まで歩いた。
「はいもういいですよ」
録音が停止される。
「これどうするの?」
「これを隣の部屋で大音量で流して貴方の彼氏を誘き寄せます。その隙に僕たちは脱出します」
「なるほど、スマホを囮にして私たちは一階から何とかして脱出するってことだね!」
_________________________________
ヒナタ視点
一目惚れだった。
目の前を歩いていた彼女を見て、
早く自分のものにしなくてはと思い告白した。
彼女はすぐに俺を受けいてれてくれたからこれは運命だと確信したんだ。
だから俺は君が少しくらい逃げても怒ったりしない。
むしろ可愛いなって思ってる。
だっていくら足掻いても最終的には俺と結ばれる運命だって知ってるからね。
それに君はどうせこの屋敷から脱出することなんて出来ない。
コツコツ。
コツコツ。
下の階から彼女の足音が聴こえてくる。
が、何か様子がおかしい。
息を潜めて俺から逃げてる彼女がこんなに大きな足音を立てて歩くだろうか。
これは罠だと確信していたが、少しだけ彼女のお遊びに付き合ってあげることにした。
真っ直ぐ音の出所へ向かう。
だんだん音は大きくなる。
「あはは。いつまで歩いてんのー?」
ヒナタは丁寧に音のなる部屋のドアをノックした。
「入るよ」
ドアノブを捻って中へ入るとそこに彼女は見当たらなかった。
どこかに隠れていて何か反撃するつもりなのかもと考えたが、それはすぐに違うとわかった。
部屋には彼女の代わりに一台のスマートフォンがテーブルの上に置かれており、そこから彼女の足音の音声が流れていた。
「スマホ…?誰の?」
そこでヒナタはこの屋敷に自分とアオイ以外の誰かがいることに気がついた。
ヒナタはスマートフォンを手に取り床に投げつける。
そして何度も何度も足で踏んで壊した。
「アオイぃ…浮気はダメだろぉ?」
そう言ってポケットから包丁を取り出す。
「クソ野郎…アオイをたぶらかしやがってぇぇぇえええええええええええ!!!!!お前もこのガラクタみたいにグチャグチャにしてやるよ!!!!!」
ヒナタは部屋を飛び出した。
大体予想はついている。
俺をここに誘き寄せて一階の扉を壊すなりピッキングするなりして脱出する計画なのだろう。
ヒナタは唐突に腹を抱えて笑い出した。
だが甘い!
一階の扉はとても頑丈上、生体認証以外では開けられない仕組みになっている。
それに外へ出たって高い塀と門に囲まれていて敷地から出ることはほぼ不可能だ。
おそらくクソ野郎は俺がアオイを車で連れてきた時に隙を見て侵入したのだろう。
俺はこれから一階の扉に向かって、そこにいるアオイを捕まえてクソ野郎を殺す。
これで皆んなハッピーエンドだ。
「まずは僕のスマートフォンに貴方の足音を録音します」
カイトはスマートフォンを取り出すと細い指で画面をスワイプして録音アプリを開いた。
「じゃあいきますよ。はい、歩いて」
私は言われるままに部屋の端から端まで歩いた。
「はいもういいですよ」
録音が停止される。
「これどうするの?」
「これを隣の部屋で大音量で流して貴方の彼氏を誘き寄せます。その隙に僕たちは脱出します」
「なるほど、スマホを囮にして私たちは一階から何とかして脱出するってことだね!」
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ヒナタ視点
一目惚れだった。
目の前を歩いていた彼女を見て、
早く自分のものにしなくてはと思い告白した。
彼女はすぐに俺を受けいてれてくれたからこれは運命だと確信したんだ。
だから俺は君が少しくらい逃げても怒ったりしない。
むしろ可愛いなって思ってる。
だっていくら足掻いても最終的には俺と結ばれる運命だって知ってるからね。
それに君はどうせこの屋敷から脱出することなんて出来ない。
コツコツ。
コツコツ。
下の階から彼女の足音が聴こえてくる。
が、何か様子がおかしい。
息を潜めて俺から逃げてる彼女がこんなに大きな足音を立てて歩くだろうか。
これは罠だと確信していたが、少しだけ彼女のお遊びに付き合ってあげることにした。
真っ直ぐ音の出所へ向かう。
だんだん音は大きくなる。
「あはは。いつまで歩いてんのー?」
ヒナタは丁寧に音のなる部屋のドアをノックした。
「入るよ」
ドアノブを捻って中へ入るとそこに彼女は見当たらなかった。
どこかに隠れていて何か反撃するつもりなのかもと考えたが、それはすぐに違うとわかった。
部屋には彼女の代わりに一台のスマートフォンがテーブルの上に置かれており、そこから彼女の足音の音声が流れていた。
「スマホ…?誰の?」
そこでヒナタはこの屋敷に自分とアオイ以外の誰かがいることに気がついた。
ヒナタはスマートフォンを手に取り床に投げつける。
そして何度も何度も足で踏んで壊した。
「アオイぃ…浮気はダメだろぉ?」
そう言ってポケットから包丁を取り出す。
「クソ野郎…アオイをたぶらかしやがってぇぇぇえええええええええええ!!!!!お前もこのガラクタみたいにグチャグチャにしてやるよ!!!!!」
ヒナタは部屋を飛び出した。
大体予想はついている。
俺をここに誘き寄せて一階の扉を壊すなりピッキングするなりして脱出する計画なのだろう。
ヒナタは唐突に腹を抱えて笑い出した。
だが甘い!
一階の扉はとても頑丈上、生体認証以外では開けられない仕組みになっている。
それに外へ出たって高い塀と門に囲まれていて敷地から出ることはほぼ不可能だ。
おそらくクソ野郎は俺がアオイを車で連れてきた時に隙を見て侵入したのだろう。
俺はこれから一階の扉に向かって、そこにいるアオイを捕まえてクソ野郎を殺す。
これで皆んなハッピーエンドだ。
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