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第一部

第六話 九番目の依頼人 人妻ツクモ・アヤ(中編の中)

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「Hi!」

少し外国語のアクセントのあるアヤさんは、見るからにエッチそうな、でも童顔でかわいい系のブルネット。そしてグラマラスな肢体をぼくの前に現した。

 ハナエ!

 ハナエさんとハイタッチ、そして、ハグするアヤさん。

 まあ、こんな依頼を受けてくるぐらいだから、ダンナさんのツクモさんとも奥さんのアヤさんとも深い付き合いなのだろうことはわかる。

 ぼくはソファーを立って会釈した。

「・・・どうも」

 初対面だ。どうしても高テンションは合わせられなかった。せめて陰キャに見えないように、笑顔だけは、作った。

「Oh! あなたが、ヒロキくんね! ハナエから聞いてるわ。はじめまして、アヤです! よろしくね!」

日本語の中に外国語のイントネーションが入ってくる。こういう人は、たまにいる。差し出された日焼けしてほっそりした手を握った。こんな日本人離れしたあいさつをする人も、たまにみかける。柔らかな彼女の手は、ちょっと湿っていた。

ローテーブルをはさんで、アヤさんはぼくの目の前に掛けた。

隣のハナエさんとはまた違う、フローラルな香りが漂ってくる。

ツクモさんはアヤさんに優しいキスをして、彼女のむき出しの太ももの上に手を置いた。今握手したばかりのアヤさんの日焼けした手がその上に重なる。睦まじい夫婦。そんなカンジだ。

「もう、3年になるかしら」

 ハナエさんが尋ねる。結婚して、ということだろう。

「そう、3年目だね」

 目の前のご夫婦が優しく見つめあう。夫婦仲は良さそうだ。

「アヤはね、南の島の国のミックスなんだ。モデルもしてた。ファッション系のね。ショーにも出てたよな。

 で、副業で、コールもしてた」

 ドキ!

 コール、って、コール・ガール?

 イキナリ?!

「不定期に、セレブ向けにね。で、ぼくと出会った」

 ハナエさんが驚いてはいなかったから、知ってたんだろう。急に淫靡な雰囲気が流れた。窓の外の素敵なイングリッシュガーデンにあまりにもそぐわない空気。ぼくだけがドキドキしてた。

「で、ひとめぼれしちゃった。で、もう誰にも触れさせたくなくなった。

 で、・・・ね」

 結婚したと、ツクモさんは言った。

「ところがね、アヤを手に入れたとたん、ぼくが、ダメになった」

 あ・・・。

「どうしても、妻を悦ばせることができなくなったんだよ。

 で、今まで、いろんな人に、来てもらった。その道のプロの人がいるんだよね。アダルトに出てる人にも来てもらったことがあるかな。

 で、今日はきみ、ヒロキくん、に、来てもらった、ってわけなんだ」

 あ・・・、そういうこと・・・。

 独特の、喋り方。

 あまりにもアッサリと、ツクモさんは核心なことを言ってのけた。おかげで、いつもは感じなかった高いハードルを抱えていたぼくは、だいぶラクになった。

 ダンナさんがいるけど、ダンナさんがOK。

 その他のことは、同席してるハナエさんがいわゆる保証人になってくれるだろう。地位の高い人そうだから、秘密も守ってくれるだろうし・・・。

「・・・いいかな?」

 と、ツクモさんが尋ねた。

「はい・・・。あの、」

「ん? 何でも言って。遠慮しないで」

「あの、どの程度、ってか、どんな風に、ってか・・・」

「ああ・・・」

 ツクモさんはもう一度アヤさんを顧みた。

 そして、こう言った。

「妻が求めるなら、なにしたって構わないよ。ぐっちょんぐっちょんに萌えさせて、愉しませて、イカせてやってくれ。いいだろ、アヤ」

 そして、アヤさんに問いかけた。

「ええ」

 と、アヤさんは言った。そして、こう続けた。

「それに、ヒロキくん、とってもカワイイし。・・・楽しみだわ」

 彼女のブラウンの瞳の奥が、妖しく光った。


 


 

「じゃ、終わったころに迎えに来るから。がんばってね、ヒロキ」

 ぼくをアテンドすると、ハナエさんもまたアッサリ出て行った。

 これでもう、ぼくはヤルしかなくなった。

「じゃ、行きましょう。ついてきて?」

「頼むよ、ヒロキくん」

 背中から掛けられたツクモさんの声がビミョーに響いた。


 


 

 アヤさんと連れ立って、バスルームへ、シャワーを浴びに行った。

 カラダにぴったりのチビTシャツの下はノーブラ。ショートパンツもするする脱いだアヤさんはぱんつもスルッと脱ぎ捨ててあまりにも潔(いさぎよ)すぎて拍子抜けした。ぼくのほうがモタモタしちゃって手伝ってもらう始末。

「うふ・・・。カワイイ!」

 そして、アヤさんに手を引かれて中へ。

 シャワーヘッドを取ってお湯の温度を確かめるアヤさん。お尻も大きい。サチコには及ばないけどハナエさんよりはある。

「じゃ、かけるね」

 振り向いた彼女のムネもまた、ハナエさん以上の量感。しかも、もう乳首勃起ってるし。

 ぼくの身体にお湯を浴びせながら、右手で肩から胸、腹をナデナデしてくる。で、当然にマイサンもニギニギ。で、当然に、反応する。

「ま! ゲンキね! ・・・おっきい! それに、カタい・・・」

 ぼくはアヤさんの甘いキスを受ける。

 いつもはぼくがする、誘うようなついばみに思わず応えてしまうと、イキナリ貪るようなキョーレツなヤツ。もちろん、その間もマイサンはニギニギ、シコシコ、先っぽもグリグリ。

「ああ、たまらない! ヒロキが、欲しいわ」

 耳元で囁かれた。

 豊満なムネを押し付け、アヤさんはギュッと抱き着いてきた。

           (中編の後に続く)
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