ハウスDr.園子

MIKAN🍊

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11.AV

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シャワーを浴びTバックに履き替えた。
美佐夫は長椅子に寝そべりAVを見ている。
画面の中では髪を振り乱した女が四つん這いになって喘いでいる。もう一人の男が別の女の口に猿ぐつわを噛ませて床に転がす。

園子は洗面台で髪を乾かしドレッサーに向かった。
妊娠検査薬の反応は陽性だった。病院にはまだ行っていない。
美佐夫に伝えるタイミングは診断を受けてからでも遅くはないだろうと思い始めていた。
美佐夫に話そうとすると憂うつになるのだ。素直に喜べないのはどうしてか。鏡の中の自分に問い掛けてみた。

「おい、まだか」
美佐夫は早くも素っ裸になって腕を振り回していた。
初めの頃はもっと紳士的だった。懇切丁寧に仕事を教えてくれ、こちらがもどかしくなるくらい優しく接してくれたのに。
近頃ではAVを見ながらの、おざなりのセックス。

付き合い始めた当初は、行為が終わった後もぶ厚い胸板に耳を当て、美佐夫の鼓動を聞くのが何より嬉しかった。
美佐夫も園子が寝入るまで頭をさすってくれたものだ。

園子は長椅子に歩み寄った。
「そこ立つと見えねえって。横に来い」
園子をグイと床にひざまずかせる。

「すげえなこりゃ」
「ねえ。美佐夫」
「なんだ」
「ここに来てどれくらいになる?」
「ここって?」
「私の部屋によ」
「お前の部屋にか」
「そう」
「一ヶ月くらいか」
「もう四ヶ月よ」
「そんなになるか。たまには俺のアパートでやるか」
そう言ってテレビを見たまま園子の胸をまさぐった。
「あン…」
美佐夫に触れられるとすぐ感じてしまう。
「尻をこっちに向けろ。園子」
傍若無人な振る舞いや言葉遣いにもすっかり慣れっこになってしまった。

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