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86.好きなシチュエーション

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「斗夢。目を覚ましてくれ」
「今覚めたよ。お前は冷たい男だ。教えてくれてありがとう」

「斗夢。聞けよ。アイツ本当に居なくなったんだ。もう何日も連絡がとれない」
「願ったり叶ったりだろー」
「それでも兄弟である事は変わらないんだ。どうかわかって欲しい」

「どうしろって言うんだよ」
「俺も消えるよ。お前の前からな」
「なんでそうなるんだよ?」
「前から考えてた。俺達は出会っちゃいけなかったんだ。何とかなると思ったけど甘かった」

「志風音のせいなのか?」
「いや、俺が不甲斐ないせいだ。志風音を残して出てきてお前に会った。それまでは志風音と別れた事が悲しくて生きていけそーになかったけどな。お前に会って一緒に過ごすうちにだんだんお前の事が本気で好きになっていった。礼を言うよ」

「何言ってんだ。消えるなんて卑怯だからな。僕は許さないよ」
「もう無理なんだとわかった」
「何がわかったんだ。何にもわかっちゃない」
「もうよそう。俺は消える。やり直しだ。始めから。志風音の無事がわかったら知らせてくれ。一人きりの大事な弟には違いないからな」

「ダーメーだ。そんなのは許さない。志風音が消えてお前まで消えたら僕はどーしたら良いんだよ!お前ら勝手過ぎるぞ!」

「斗夢。最後にキス…」
「ダメだ!ムリ!お前ホント信じらんない奴だな!」
「頼むよ。後生だから」
桜蘭は土下座をしそうな勢いだ。

「わかった。キスしてもいい。そのかわり消えるのはナシ。それならいい」
「消えるのは男がいったん決めた事だ」

「勝手にお前が決めたんだ。よし、じゃあキス以上のものならどうだ?」
「キス以上のもの?」

「桜蘭。お前さー。僕のお尻が欲しかったんじゃないの?」
「欲しいよ」
「今でも?」
「今でも」

「お尻は誰にもさせてない」
「信じるよ」
「なんでかってゆーと」
「ゆーと?」
「お前のためにとってあるからだ。桜蘭」

「まじか」
「マジだ。消えるのはナシにするか?」
「無しだ。たった今無効になった」

「よし。キスしてよし!」
「斗夢!」
「桜蘭!」

Chuuuuu!!

これ以上はないってくらい熱い口づけ。
僕の顔はすぐ桜蘭のヨダレでベチョベチョになった。

Tシャツの中に桜蘭の汗ばんだ手が入ってきて僕の胸を揉む。

あ、はぁ~ 桜蘭…
だめ…

僕を後ろから羽交い締めにしてレギンスの中に手を突っ込んでくる。

「やめ… 桜蘭!」

あ…!オチンチンを握られた…!

「桜蘭!だめったら!今じゃないよ…!」

うなじや耳元にキスの雨を降らせながら僕の乳首とオチンチンを揉みしだく桜蘭はもう止まりそうにない。

「桜蘭!ダメだよ!人が来る…」
「好きなシチュエーションだろ?斗夢?俺は知ってるぞ」

「あぁ… 桜蘭… 我慢できないの?」
「出来ない!」

桜蘭は僕のレギンスを膝までずり下げ、片脚を高く持ち上げた。

「だめ…!お尻が丸見えになっちゃう…!」

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