殿下は、幼馴染で許嫁の没落令嬢と婚約破棄したいようです。

 ナーブリー王国の第三王位継承者である王子ラスティンは、幼馴染で親同士が決めた許嫁である、男爵令嬢フェイとの婚約を破棄したくて仕方がなかった。
 フェイは王国が建国するより前からの家柄、たいして王家はたかだか四百年程度の家柄。
 国王と臣下という立場の違いはあるけど、フェイのグラブル男爵家は王国内では名家として知られていたのだ。 
 ……例え、先祖が事業に失敗してしまい、元部下の子爵家の農家を改築した一軒家に住んでいるとしてもだ。
 こんな見栄えも体裁も悪いフェイを王子ラスティンはなんとかして縁を切ろうと画策する。
 理由は「貧乏くさいからっ!」
 そんなある日、フェイは国王陛下のお招きにより、別件で王宮へと上がることになる。
 たまたま見かけたラスティンを追いかけて彼の後を探すと、王子は別の淑女と甘いキスを交わしていて……。

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