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「強盗」
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「ハァ......ハァ......ハァ......ここまでくれば、警察も追ってはこないだろ。それにしても、雨がポツポツと降ってきたな」
俺は、強盗犯だ。顔には、黒い覆面をし、腰のあたりには拳銃をかけていた。
先ほど宝石店に入り、店の宝石を奪ってやった。店の警備は、思ったより緩く、簡単に奪い取ることができた。ふん、俺にとっては、簡単過ぎたぜ。
と、思ったのだが、外からパトカーのサイレンが鳴り響く音がして大ピンチ。急いで、宝石を手にとり店を飛び出し、ここまで来たというわけだ。
その最中、急に雲行きが怪しくなり、黒い雲から雨が降ってきた。全く、今日の天気予報は、晴れじゃなかったのかよ。
まあ、サイレンの音や人の気配はない。無事に警察の目から逃れられたようだから、よしとしよう。
「おっ!?ここに雨宿りできそうな洞窟があるじゃねーか。よし、ここにしばらく入っていよう」
俺は、雨水に打たれながら、急いで洞窟まで駆け抜けると、洞窟の中に入った。
「警察から全速力で走って逃げていたから、疲れた。これは、翌日、筋肉痛になるぞ。石がゴツゴツしているが、もたれて楽にするか」
俺は、迫っていたリュックを地面に下ろし、壁にもたれ座った。肩の力を抜いて、何の気なしに洞窟の中を眺めた瞬間、何者かの気配を感じ取り立ち上がった。
「誰だ!!そこにいるのは」
俺は叫んだが、返事は返ってこず、それどころかどんどんこちらに近づいてきた。
やばい。俺は、黒い覆面をかぶり腰の辺りに拳銃をかけている。明らかに、怪しい。自ら強盗犯と言っているようなものだ。こいつが、警察に連絡したら厄介なことになるぞ。
「おい、そこの奴!!近寄るな。そこで止まれ。それ以上、近づいたら撃つぞ」
俺は、腰にかけていた拳銃を手に取り銃の先を近づく何者かに向けた。
「おい、近づくな。おい~」
何者かは、全く怖がる様子はなく、迫ってきた。いかれてやがる。一体、なんなんだ、こいつは。銃を向けられて、平然としていやがるとは、ただものじゃねー。
「ほんとに、撃つぞ。撃っちゃうよ。引き金引いちゃうよ」
こいつ、一言も発せず、ただ、俺のことをまっすぐ見つめていやがる。何が奴をそこまで、突き動かすのだろうか。
「ポテチ......」
なんだ、こいつ、何かつぶやいたぞ。
「ポテチ......」
まただ。ポテチ。こいつ、ポテチって言ったのか。たった一言だが、なんだか意味深な言葉に聞こえる。こいつ、行動が読めない。気を引き締めなければ、こちらがやられる。
俺は、極度の緊張状態で口の中に溜まった唾を飲み込んだ。その時だった。
「ポテチをよこせーー!!!!」
すごい勢いで男は、俺ではなく、俺の荷物まで、駆け出し中身をあさりだした。
「おい、なに、勝手にひとの荷物あさってんだよ!!」
男は、リュックの中身を次から次へと両手を使って取り出していった。止まんねーな。
今日、店から盗み出した宝石が入った箱を見つけると、せわしなく動かしていた手を止めた。どうやら、箱に興味を示したらしい。
右手で箱を取り、左手で箱のふたを開けて中身を確認した。
「......」
奴の動きが止まった。全く、動かない。中の宝石を見たまま、微動だにしない。
すると、男は宝石の入った箱を自分のポケットにしまい込み再びリュックの中身をあさり始めた。
「この野郎、強盗の荷物を盗んでんじゃねーよ!!」
俺は、強盗犯だ。顔には、黒い覆面をし、腰のあたりには拳銃をかけていた。
先ほど宝石店に入り、店の宝石を奪ってやった。店の警備は、思ったより緩く、簡単に奪い取ることができた。ふん、俺にとっては、簡単過ぎたぜ。
と、思ったのだが、外からパトカーのサイレンが鳴り響く音がして大ピンチ。急いで、宝石を手にとり店を飛び出し、ここまで来たというわけだ。
その最中、急に雲行きが怪しくなり、黒い雲から雨が降ってきた。全く、今日の天気予報は、晴れじゃなかったのかよ。
まあ、サイレンの音や人の気配はない。無事に警察の目から逃れられたようだから、よしとしよう。
「おっ!?ここに雨宿りできそうな洞窟があるじゃねーか。よし、ここにしばらく入っていよう」
俺は、雨水に打たれながら、急いで洞窟まで駆け抜けると、洞窟の中に入った。
「警察から全速力で走って逃げていたから、疲れた。これは、翌日、筋肉痛になるぞ。石がゴツゴツしているが、もたれて楽にするか」
俺は、迫っていたリュックを地面に下ろし、壁にもたれ座った。肩の力を抜いて、何の気なしに洞窟の中を眺めた瞬間、何者かの気配を感じ取り立ち上がった。
「誰だ!!そこにいるのは」
俺は叫んだが、返事は返ってこず、それどころかどんどんこちらに近づいてきた。
やばい。俺は、黒い覆面をかぶり腰の辺りに拳銃をかけている。明らかに、怪しい。自ら強盗犯と言っているようなものだ。こいつが、警察に連絡したら厄介なことになるぞ。
「おい、そこの奴!!近寄るな。そこで止まれ。それ以上、近づいたら撃つぞ」
俺は、腰にかけていた拳銃を手に取り銃の先を近づく何者かに向けた。
「おい、近づくな。おい~」
何者かは、全く怖がる様子はなく、迫ってきた。いかれてやがる。一体、なんなんだ、こいつは。銃を向けられて、平然としていやがるとは、ただものじゃねー。
「ほんとに、撃つぞ。撃っちゃうよ。引き金引いちゃうよ」
こいつ、一言も発せず、ただ、俺のことをまっすぐ見つめていやがる。何が奴をそこまで、突き動かすのだろうか。
「ポテチ......」
なんだ、こいつ、何かつぶやいたぞ。
「ポテチ......」
まただ。ポテチ。こいつ、ポテチって言ったのか。たった一言だが、なんだか意味深な言葉に聞こえる。こいつ、行動が読めない。気を引き締めなければ、こちらがやられる。
俺は、極度の緊張状態で口の中に溜まった唾を飲み込んだ。その時だった。
「ポテチをよこせーー!!!!」
すごい勢いで男は、俺ではなく、俺の荷物まで、駆け出し中身をあさりだした。
「おい、なに、勝手にひとの荷物あさってんだよ!!」
男は、リュックの中身を次から次へと両手を使って取り出していった。止まんねーな。
今日、店から盗み出した宝石が入った箱を見つけると、せわしなく動かしていた手を止めた。どうやら、箱に興味を示したらしい。
右手で箱を取り、左手で箱のふたを開けて中身を確認した。
「......」
奴の動きが止まった。全く、動かない。中の宝石を見たまま、微動だにしない。
すると、男は宝石の入った箱を自分のポケットにしまい込み再びリュックの中身をあさり始めた。
「この野郎、強盗の荷物を盗んでんじゃねーよ!!」
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