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新たな旅路 その2

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   旅路は思いのほか険しくはなかった。エドワードが驚くほど、私の足は軽かった。

「そんな顔をしないでおくれよ。全てを終わらせるための道のりなんだ。ぱあっと祝ってくれた方が嬉しいな」

「いいえ、私はこれが最後だとは思いませんよ」

「それはありがたいね」

「王様。私には愛というものがよく分かりません。ですから、あなた様が羨ましいです。愛に突き動かされて国を捨てるのも、仕方がないことでしょう。私は決して否定しません。私はひょっとしたら、あなたに刃を向けていたかもしれませんが……」
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