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その1
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「おい、メンフィスよ。私は君との婚約を破棄しようと思っているんだ!!!!」
まあまあ、なんとも勇ましい王子様ですこと。自分の不倫を棚に上げて、私が全て悪いかのように言いふらしているみたいじゃないですか?私の侍女たちまでもが、王子様の虚言に騙されて、私に白い目を向けております。全く、とんだ勘違いだと言うのに、どうして誰も、私の言うことに耳を傾けてくれないのでしょうか?
そもそも、王子様が嘘つきであることなんて、誰でも知っているのです。いつもいつも、大きなことを言っては、結局のところ、何も実現することなんて出来ずに終わってしまいます。それを、あたかも、他の人が悪いかのように言い出して、誰か適当な貴族を追放するのです。
ええ、こんなことを続けていたら、そのうち、この国は滅んでしまうと思いますよ。いや、一度滅んだほうがいいのかもしれませんね。義理のお父様であられる皇帝陛下や、義理のお母様であられる妃様は、非常にお人柄が良いわけでございますが、その息子である第一王子で私の婚約者のハンソン様は、どこで道を踏み外したのか、非常に残念なお人柄なのでした。
そんな王子様ですが、夜のお付き合いだけは、非常に積極的でした。というのも、私は毎日毎日王子様の顔を見るだけで、嫌気がさすほど王子様のことが嫌いでした。王子様も、きっとそうだったのかもしれません。お互い、ストレスがどんどんどんどんどんどん増えていく一方だったのです。
そんなストレスを解消するには、女として男を受け入れるのが一番でした。自分でするよりも、王子様は非常に優れたものを持っておりましたので、夜は大いに盛ったわけでございます。王子様のことは嫌いでしたが、王子様のものは、好物でした。
このようなぎこちない夫婦生活を営んでいるうちに、私は王子様の子供を授かりました。王家にとって、後継は大切でございますから、この時ばかりは、王子様もニッコリと微笑みました。もちろん、私に対してではなく、お腹の中の赤ん坊にでしたが。
王子様との子供を産むのは、正直言ってめんどくさいと思いました。本気で愛していない、そればかりか、嫌いな相手との子供なんて、普通は煩わしいだけなのです。
それでも、仕方なく産むことにしました。親の都合で殺すことなんてできません。とりあえず、産むだけ産んで、後は乳母が育ててくれるだろう、なんて考えていました。王子様は、生まれてきた子供を、ハリソンと名付けました。
まあまあ、なんとも勇ましい王子様ですこと。自分の不倫を棚に上げて、私が全て悪いかのように言いふらしているみたいじゃないですか?私の侍女たちまでもが、王子様の虚言に騙されて、私に白い目を向けております。全く、とんだ勘違いだと言うのに、どうして誰も、私の言うことに耳を傾けてくれないのでしょうか?
そもそも、王子様が嘘つきであることなんて、誰でも知っているのです。いつもいつも、大きなことを言っては、結局のところ、何も実現することなんて出来ずに終わってしまいます。それを、あたかも、他の人が悪いかのように言い出して、誰か適当な貴族を追放するのです。
ええ、こんなことを続けていたら、そのうち、この国は滅んでしまうと思いますよ。いや、一度滅んだほうがいいのかもしれませんね。義理のお父様であられる皇帝陛下や、義理のお母様であられる妃様は、非常にお人柄が良いわけでございますが、その息子である第一王子で私の婚約者のハンソン様は、どこで道を踏み外したのか、非常に残念なお人柄なのでした。
そんな王子様ですが、夜のお付き合いだけは、非常に積極的でした。というのも、私は毎日毎日王子様の顔を見るだけで、嫌気がさすほど王子様のことが嫌いでした。王子様も、きっとそうだったのかもしれません。お互い、ストレスがどんどんどんどんどんどん増えていく一方だったのです。
そんなストレスを解消するには、女として男を受け入れるのが一番でした。自分でするよりも、王子様は非常に優れたものを持っておりましたので、夜は大いに盛ったわけでございます。王子様のことは嫌いでしたが、王子様のものは、好物でした。
このようなぎこちない夫婦生活を営んでいるうちに、私は王子様の子供を授かりました。王家にとって、後継は大切でございますから、この時ばかりは、王子様もニッコリと微笑みました。もちろん、私に対してではなく、お腹の中の赤ん坊にでしたが。
王子様との子供を産むのは、正直言ってめんどくさいと思いました。本気で愛していない、そればかりか、嫌いな相手との子供なんて、普通は煩わしいだけなのです。
それでも、仕方なく産むことにしました。親の都合で殺すことなんてできません。とりあえず、産むだけ産んで、後は乳母が育ててくれるだろう、なんて考えていました。王子様は、生まれてきた子供を、ハリソンと名付けました。
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