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婚約破棄 進行中?
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「これから婚約破棄を発表する……と思った?おや、にやついている顔が強張ったね……」
令嬢のアリーは困惑していた。
どうして?とっくに終わった話……とでも思っていたみたいだ。
「君が嫁ぎたいのはそこの皇太子なんだろうが……簡単に婚約を破棄することはできないよ?」
アリーの婚約者であるフィリー王子は皇太子を嫌っていた。全てにおいて劣っている。それは誰が見ても明らかなことだった。だから……婚約については譲れないということだった。
「フィリー君……私の婚約にケチを付けようとでもいうのかね?」
皇太子は余裕たっぷり。
「いいえ、皇太子。ケチを付けようなどとは思いません。しかしながら、アリーは私の婚約者なのですから、これはルール違反です」
「ほうほう……私の所業はルールを超越しているのだが……そうか、君は知らないわけか……」
当然、皇帝や皇太子の所業を裁くことはできない。彼らそのものがルールなのだから。
「いいでしょう。それなら……この方々はどうしましょうか?」
フィリーが合図をすると、少女たちが現れた。皇太子は突如目を丸くした。
「皇太子……。無論、あなたの趣味を否定することはできません。しかしながら……彼女たちを寝取った責任……幼子に対する淫行は神の定める罰なんですがねぇっ……」
「私は知らない……」
「そうですか?私の勘違いですか……おい、アリー!」
アリーが目を丸くした原因は怪しげな壺。その中にあったのは……。
「これが何かお分かりですか?皇太子……」
「知らないなぁっ……」
「そうですか……おい、アリー!これを飲んでみろ!」
「私に……これを飲めと?」
「寝室に置いてあったんだ……君のだろ?」
「あっ……そうだったかしら?」
「そうだ……ほら、飲んでみな?」
「えっ……あっ、いや……その……」
「どうした?飲めないのかい?」
「それは……一体?」
皇太子は質問した。
「いいえ、私は知りません。ねえっ、アリー?」
「ええっ……あの、フィリー様?」
「どうかしたかい?」
「いや、ちょっと……」
アリーは私を連れ出した。
「あれは皇太子を殺すための毒薬なんだろう?」
「まさか!」
「皇太子を葬って遺産でも奪おうって魂胆だね?」
「どうして……そんなことを?」
「まあ、いいや。好きにするがいいさ。さて、皇太子のところに戻るかな?」
「あの……」
「あの……」
皇太子とアリーの声が重なった。
「はい?」
フィリーは交互に二人を見回した。
「フィリー君……この話はなかったことにしよう……」
「フィリー様……皇太子さまとの婚約は……」
「破棄……!」
フィリーは高らかに叫んだ。
「それがよろしゅうございます!」
結局フィリーはアリーとの婚約を成功させた。
令嬢のアリーは困惑していた。
どうして?とっくに終わった話……とでも思っていたみたいだ。
「君が嫁ぎたいのはそこの皇太子なんだろうが……簡単に婚約を破棄することはできないよ?」
アリーの婚約者であるフィリー王子は皇太子を嫌っていた。全てにおいて劣っている。それは誰が見ても明らかなことだった。だから……婚約については譲れないということだった。
「フィリー君……私の婚約にケチを付けようとでもいうのかね?」
皇太子は余裕たっぷり。
「いいえ、皇太子。ケチを付けようなどとは思いません。しかしながら、アリーは私の婚約者なのですから、これはルール違反です」
「ほうほう……私の所業はルールを超越しているのだが……そうか、君は知らないわけか……」
当然、皇帝や皇太子の所業を裁くことはできない。彼らそのものがルールなのだから。
「いいでしょう。それなら……この方々はどうしましょうか?」
フィリーが合図をすると、少女たちが現れた。皇太子は突如目を丸くした。
「皇太子……。無論、あなたの趣味を否定することはできません。しかしながら……彼女たちを寝取った責任……幼子に対する淫行は神の定める罰なんですがねぇっ……」
「私は知らない……」
「そうですか?私の勘違いですか……おい、アリー!」
アリーが目を丸くした原因は怪しげな壺。その中にあったのは……。
「これが何かお分かりですか?皇太子……」
「知らないなぁっ……」
「そうですか……おい、アリー!これを飲んでみろ!」
「私に……これを飲めと?」
「寝室に置いてあったんだ……君のだろ?」
「あっ……そうだったかしら?」
「そうだ……ほら、飲んでみな?」
「えっ……あっ、いや……その……」
「どうした?飲めないのかい?」
「それは……一体?」
皇太子は質問した。
「いいえ、私は知りません。ねえっ、アリー?」
「ええっ……あの、フィリー様?」
「どうかしたかい?」
「いや、ちょっと……」
アリーは私を連れ出した。
「あれは皇太子を殺すための毒薬なんだろう?」
「まさか!」
「皇太子を葬って遺産でも奪おうって魂胆だね?」
「どうして……そんなことを?」
「まあ、いいや。好きにするがいいさ。さて、皇太子のところに戻るかな?」
「あの……」
「あの……」
皇太子とアリーの声が重なった。
「はい?」
フィリーは交互に二人を見回した。
「フィリー君……この話はなかったことにしよう……」
「フィリー様……皇太子さまとの婚約は……」
「破棄……!」
フィリーは高らかに叫んだ。
「それがよろしゅうございます!」
結局フィリーはアリーとの婚約を成功させた。
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