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その9 part1

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「そこのお嬢さん……そこのお嬢さん!!!!」

気が付くと……私は眠りこけていたようでした。そして、目の前には年老いた狩人のような大男がたっていました。

「あれっ……ひょっとして、神様ですか???ああ、もうお迎えが来たのかしら…………」

私は思わずそう言いました。思い返せば、このへんてこりんなバグ空間に閉じ込められて、気力がなくなって、それで、寝込んでいたのでした。

「なにバカなことを言ってるんじゃ???お前さんの目はまだ黒いままだぞ???ほら、大きく息を吸ってみな」

男の言う通り、私は深呼吸をしました。特に匂いもしない、変哲もない空間だと思いました。

「自分の意識でできているんだから……お前さんはまだ生きているんだよ。ところで……どうして、お前さんはこんな辺鄙な空間に迷いこんだのじゃ???」

男に尋ねられて、私は少しずつ思い出しました。

「ああ、そう言えば、私、テレポートしようとしたんですよ。そしたら……ここに来ちゃったんです……」

「なに、テレポートだって???お前さん、ひょっとして、魔法使いか???」

「ええ、一応そうですけど……」

「はあっ……そうなのかい……」

男はそう言って、少し考え事をしているようでした。悪そうな人には見えませんでしたが、不思議でした。少なくとも、私と違って、この空間にいても、驚いていないようです。

「あの……ひょっとして、おじいさんも魔法使いですか???」

私がこう尋ねると、男は、

「ああ、一応は魔法使いだ」

と答えました。

「そんな!!!」

私は大いに驚くことになりました。


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