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その22
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「お前がこの世界の崩壊を望むだけで……そう言うことをするのだとしたら、私も戦うしかないんだろうな……」
皇帝陛下はこのように言いました。そして、皇帝陛下もまた、戦う準備を始めました。
「おいおい、お父様と言い、王子と言い、一体どうしちゃったんだよ……」
客の皆様は、未だにこの事態の重大さを理解していないようでございました。無理もありません。所詮は皆さま、外野なのでございますから!!!
「さあさあ、これ以上の長居は無用と思うのだが……お前たちもまた、戦いを望むわけなのか???」
皇帝陛下がこのように質問しますと、客たちは、
「いいえ、そんなことは決してありませんよ!!!」
と答えたのでございました。
「ならば、早く立ち去るがよかろう。私の息子に殺されない内に……」
息子……そして、客の皆様から見れば兄弟であるわけでございますが、とにもかくにも、このままではまずいと、誰もがそう思ったはずでございます。そして、王子様の不可解な攻撃を受ける前に、みんな逃げ出しました。
「奴は何がしたいのか分からねえ!!!」
そんなことを言いながら逃げるしかない彼らが本当に無様に見えたのは、私だけではないはずです。しかしながら、それに関して私が何か糾弾することはできないと思いました。
残されたお姉様と私、そして、皇帝陛下は、思い思いに王子様のことを見つめておりました。
「私の人生をも狂わそうとするのなら……このまま生かしておくわけにはいかないな!!!」
皇帝陛下の執念と言いますか、王子様を確実に葬りたいという気持ちは、際立っているように見えました。何がそこまで皇帝陛下を駆り立てるのでございましょうか……王子様には王子様なりの理屈があるわけでございましょう。
「私の運命は、父上を葬り去って、私の新しい世界を作り上げることなのです。その邪魔者は……全て排除したいと思います!!!!」
王子様が意気込む中で、バカばかしさと正義の両方に挟まれてしまったお姉様の心中を察しますと、こののち、お姉様が再び暴れ出すことも、容易に想像できたと思います。ただ、実際にそれが現実になってしまいますと、やはり、どうしたものか、と考え込んでしまいますね。それだけ、大変な問題なのです。しかしながら、お姉様が何を考えるのか、そして、この後の世界をどのようにしたいのか、それを私も真剣に考えてみました。そうすれば……お姉様がこれから目指そうとなさっている世界実現のために、私は自分の身を投げうってでも、協力したいと思いました。
「では行くぞ!!!」
皇帝陛下は、戦いのように武装し、その切っ先を王子様に向けました。
「私も……本気で戦いたいと思います!!!」
王子様も、皇帝陛下を確実に殺すつもりだったのでございましょう。真剣勝負でした。どちらかが生き、どちらかが死ぬことを約束されているようでした。そして……この惨劇に怒りを感じ、改めて戦う覚悟を抱いたのがお姉様でございました。
「さあ、行きましょう!!!!」
この戦いの終わりを信じて……最後の運命が動き始めました……。
皇帝陛下はこのように言いました。そして、皇帝陛下もまた、戦う準備を始めました。
「おいおい、お父様と言い、王子と言い、一体どうしちゃったんだよ……」
客の皆様は、未だにこの事態の重大さを理解していないようでございました。無理もありません。所詮は皆さま、外野なのでございますから!!!
「さあさあ、これ以上の長居は無用と思うのだが……お前たちもまた、戦いを望むわけなのか???」
皇帝陛下がこのように質問しますと、客たちは、
「いいえ、そんなことは決してありませんよ!!!」
と答えたのでございました。
「ならば、早く立ち去るがよかろう。私の息子に殺されない内に……」
息子……そして、客の皆様から見れば兄弟であるわけでございますが、とにもかくにも、このままではまずいと、誰もがそう思ったはずでございます。そして、王子様の不可解な攻撃を受ける前に、みんな逃げ出しました。
「奴は何がしたいのか分からねえ!!!」
そんなことを言いながら逃げるしかない彼らが本当に無様に見えたのは、私だけではないはずです。しかしながら、それに関して私が何か糾弾することはできないと思いました。
残されたお姉様と私、そして、皇帝陛下は、思い思いに王子様のことを見つめておりました。
「私の人生をも狂わそうとするのなら……このまま生かしておくわけにはいかないな!!!」
皇帝陛下の執念と言いますか、王子様を確実に葬りたいという気持ちは、際立っているように見えました。何がそこまで皇帝陛下を駆り立てるのでございましょうか……王子様には王子様なりの理屈があるわけでございましょう。
「私の運命は、父上を葬り去って、私の新しい世界を作り上げることなのです。その邪魔者は……全て排除したいと思います!!!!」
王子様が意気込む中で、バカばかしさと正義の両方に挟まれてしまったお姉様の心中を察しますと、こののち、お姉様が再び暴れ出すことも、容易に想像できたと思います。ただ、実際にそれが現実になってしまいますと、やはり、どうしたものか、と考え込んでしまいますね。それだけ、大変な問題なのです。しかしながら、お姉様が何を考えるのか、そして、この後の世界をどのようにしたいのか、それを私も真剣に考えてみました。そうすれば……お姉様がこれから目指そうとなさっている世界実現のために、私は自分の身を投げうってでも、協力したいと思いました。
「では行くぞ!!!」
皇帝陛下は、戦いのように武装し、その切っ先を王子様に向けました。
「私も……本気で戦いたいと思います!!!」
王子様も、皇帝陛下を確実に殺すつもりだったのでございましょう。真剣勝負でした。どちらかが生き、どちらかが死ぬことを約束されているようでした。そして……この惨劇に怒りを感じ、改めて戦う覚悟を抱いたのがお姉様でございました。
「さあ、行きましょう!!!!」
この戦いの終わりを信じて……最後の運命が動き始めました……。
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