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その17
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テイルの説明を全て聞き、エリーナの事故に巻き込まれたのが、旧友であるリリーであることを知ったエリーナは、ずっと涙を流していた。
「あまりにも酷すぎるわ……そんなこと、普通起こらないでしょう……」
「お姉様、しっかりなさってください」
「無理よ。そんなことできるわけないじゃない。私のせいで死んだなんて、そんなの許せないわ!」
グラハムも心配した。エリーナは何も言わず、ただ一人自室に篭って泣き続けた。
そんなエリーナ一家のことを、少し遠くから観察している集団がいた。それは、エリーナが何か問題を起こさないように、ツァイスが送り込んだ監視員たちだった。
「今のところ、エリーナ様は自室に篭っている。特段問題はないようだ」
ツァイスは1日に何度も壁画に描かれた聖女クロルを見つめていた。
「後はエリーナが悪かったことにして、全て終わらせればそれでいいのさ……」
ツァイスの呟きを聞く者は、ほかにいないはずだった……。
「あまりにも酷すぎるわ……そんなこと、普通起こらないでしょう……」
「お姉様、しっかりなさってください」
「無理よ。そんなことできるわけないじゃない。私のせいで死んだなんて、そんなの許せないわ!」
グラハムも心配した。エリーナは何も言わず、ただ一人自室に篭って泣き続けた。
そんなエリーナ一家のことを、少し遠くから観察している集団がいた。それは、エリーナが何か問題を起こさないように、ツァイスが送り込んだ監視員たちだった。
「今のところ、エリーナ様は自室に篭っている。特段問題はないようだ」
ツァイスは1日に何度も壁画に描かれた聖女クロルを見つめていた。
「後はエリーナが悪かったことにして、全て終わらせればそれでいいのさ……」
ツァイスの呟きを聞く者は、ほかにいないはずだった……。
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