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その25

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「お嬢さん、また、来客がいらっしゃいましたよ?」

看守が、マリアに新たな来客を告げた。

「ええ、そうなの?ひょっとして、フィロソフィア様かしら?」

すると、看守は首を横に振った。

「いいえ、もっと若い方たちですよ。中々のナイスガイですな。そして、とてもワイルドな雰囲気でして、どちらかと言えば、あれは平民でしょうか?」

「分かりました。とにかく、こちらにお迎えしましょうか……」

マリアは不思議に思った。というのも、ここは一応、城の中であるわけだから、誰もが簡単に入ることなんて出来ないのだ。王家の許可を受けた人間、あるいは、一定階級以上の貴族と決まっている。

しかも、この小屋の存在を知っている人間は多くない。とりあえず、バビンスキーやフィロソフィアと言った王家ゆかりの人間、あるいは、少数の側近たちのはずだった。


「お初にお目にかかります。元公爵令嬢のマリア様……」

看守が言うように、男たちは、ナイスガイでワイルドな雰囲気だった。

「と言うことは、あなたたちは、私のことを知っているのね?」

「はい、よく存じ上げてございます……」

「あなたたちは一体何者なの?」

マリアは単刀直入に質問した。

「はい、私たちは……そうですね、この世界の変革者、とでも申し上げればよろしいでしょうか?」

世界の変革者……そう聞いて、マリアは当てのない期待を頭に浮かべた。

「あなたたち……ひょっとして、何かよからぬことを計画しているのね?」

「よからぬこと……なるほど、ですが、私たちにとって、こんな国はどうでもいいのです。あなた様だって、今は私たちと同じような考えを持っているのではないですか?そうでしょう?」

マリアは、中々面白いことを言う男たちに、一層興味を持った。

「なるほど……ただの平民では無さそうね……」

「ありがとうございます。そう言って頂けますと、こちらも嬉しいです」

「城のガードはどうやってかいくぐったの?」

「そんなのは簡単でございますよ。城を出入りする貴族のパスポートを偽造すればいいのです」

「あらあら、益々気に入ったわ!!!」

「ありがとうございます」

マリアは、男たちを狭い小屋に招き入れた。マリアは、とりあえず、バビンスキーが運び入れてきた菓子や茶を男たちに振る舞った。

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