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処刑されるのを繰り返しているうちに、私はある事実にたどり着いた。つまり、私がどんな人生を選択しても、それを目障りだと思う人間が存在するのだ。それは、言うまでもなく、田舎娘のエリーナである。つまり、私は公爵令嬢で、私が辞退したとしても、結局は、私が第一王子と婚約してしまう可能性も、全くないわけではない。だから、安全のために、私を殺してしまおうと考えるようだった。

まあ確かに、田舎娘の立場になると、理解はできる。その方が確かに安全なのだ。

冷静に考えてみると、私は優れた能力を持っていることにいまさら気が付いた。だって、どう考えても、普通の人間が転生なんてできるわけないし、それを平気で何回も繰り返すことのできる私って、意外とすごいんじゃないかって。

だから、この処刑ルートから逃れる方法が何かあるんじゃないか、と思って、色々考えてみた。でも……そう簡単には分からなかった。やっぱり厳しかったのだ。

例えば、世界で一番強くなったらどうだろう、と考えてみた。そうすれば、第一王子が与える運命に対抗できるんじゃないかって思った。考えが甘かったかもしれないけど、とりあえず、やってみた。世界は科学と魔法の両方で成り立っている。そこで、私は、魔法をメインに強化してみた。そんなもの、やってどうするんだ、と多くの人間は嘲笑った。しかしながら、魔法というものを習得すると、人生が豊かになった。そして、ひょっとしたら、この運命を変えることができるんじゃないか、と思うようになった。
 
「世界を変える魔法」と大冗談に構えた魔法書を、私は最後に勉強した。これを全て記憶して、最強の魔法使いになれば、全てをコントロールすることができる……と思うのだが、一回では難しい。20歳までに全てを習得することのできる量を越えている。

10回、あるいは、20回。つまり、200年から400年の時空を共有することによって、私はその大半をマスターすることができるようになった。

「ソフィーを処刑する!!!」

第一王子がこう言うと、私は、酔狂な呪文を唱え始める。そうすると、第一王子は一瞬目を丸くして、まるで、物の怪にでも取りつかれたような顔になって、言葉を発せなくなる。こういうことを何度も何度も積み重ねていけば、最終的なゴール、つまり、運命の変革を叶えることができると確信した。

そして……究極の答えを、私は見つけた。

魔法と科学の両立する世界を、全て魔法世界に変えてしまい、魔法を全て知り尽くした私が、神のように崇められる。これも、失敗をすると、私が異端者として、第一王子に処刑されることになるのだが、最終的にはそんな未来を迎えることもできるみたいだ。

歴史は繰り返すと言うが、私にも当てはまるみたいだ。数百年と生き続ける令嬢(化け物)が、世界を変革し、神として君臨する……それが終わって、再び新しい帝政が始まる……どうやら、この世界では、そういうことが繰り返されているようだった。

だとすれば、あの下らない第一王子や田舎娘を抹殺することができて、十分な復讐になる……そう考えると、私はますます、魔法書にすがるようになっていった。




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