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破壊の神
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「ああっ、もうバカらしい!」
少女は怒りを露わにした。
「どいつもこいつも、いったい何を考えているんだ?私がどれだけのことをしたと思っているんだ?本来ならば王の首を冥途の土産にしたっていいくらいなんだぞ……ふざけるな、お前ら!」
少女のボルテージが上がるにつれ、世界が不安定な方向に動き出した。それまで静かに晴れ渡っていた空が一瞬にして暗黒に覆われ、辺り一面に白い雨と稲妻が降り注いだ。
「一体何が起きたんだ?」
「王様!ここは危険です……」
女たちは王を避難させようとした。王宮が壊滅しようとしていた。静かなる嵐の襲来で、女たちは空に巻き上げられた。
「頼む!頼むから止めてくれ!」
「あなたも一瞬私を裏切ったのですから!この世界を壊すと決めたんです!」
「止めてくれ!君は聖女なんだろう?この世界の秩序を守る聖女なんだろう?」
「だからなんですか?ええっ、私は聖女ですとも。私はこの世界の民から貴ばれる存在なのです。それなのに……あなた方は……こんな下らない人間たちが世界を統治していること自体問題なのです。だから私は、あなたたちを徹底的に壊すことにしました!」
「止めてくれ。せめて命だけは助けてくれ!あなたが欲するものを全て上げるから。富も名誉も全て、私の代わりに王になってくれないか?私は喜んであなたの臣下に成り下がろう!」
「王様、何をおっしゃるのですか!」
貴族女の生き残りが必死に叫んでいた。
「そんなことダメです!あなたが王様なんですから!こんな、こんな女なんかに……!」
「お前らはみんな死ね!」
少女の怒号が響きわたると、全てが嵐の中に消えていった。
残されたのは王一人だけだった。少女は神様より授かりし剣を王の喉元に宛がった。
「あなたは私の臣下になる……そうおっしゃいましたね?」
「ああっ……約束するよ」
「いいでしょう。この剣をしまいます……」
王はその後、長い眠りについた。少女は天に帰る手段を失った。
「この世界で生きていくのも、悪くないのかしら?」
世界は一度崩壊しかけた。国民はひたすら安寧に天に願った。
「皆さん、一緒にこの世界を作っていきましょう……」
少女は国民に生きる術を教えた。貴族に遜る世界ではなく、一人一人が主人公たる世界の創世を目指し、少女はこの世界に身を埋めることを決意した。
少女は怒りを露わにした。
「どいつもこいつも、いったい何を考えているんだ?私がどれだけのことをしたと思っているんだ?本来ならば王の首を冥途の土産にしたっていいくらいなんだぞ……ふざけるな、お前ら!」
少女のボルテージが上がるにつれ、世界が不安定な方向に動き出した。それまで静かに晴れ渡っていた空が一瞬にして暗黒に覆われ、辺り一面に白い雨と稲妻が降り注いだ。
「一体何が起きたんだ?」
「王様!ここは危険です……」
女たちは王を避難させようとした。王宮が壊滅しようとしていた。静かなる嵐の襲来で、女たちは空に巻き上げられた。
「頼む!頼むから止めてくれ!」
「あなたも一瞬私を裏切ったのですから!この世界を壊すと決めたんです!」
「止めてくれ!君は聖女なんだろう?この世界の秩序を守る聖女なんだろう?」
「だからなんですか?ええっ、私は聖女ですとも。私はこの世界の民から貴ばれる存在なのです。それなのに……あなた方は……こんな下らない人間たちが世界を統治していること自体問題なのです。だから私は、あなたたちを徹底的に壊すことにしました!」
「止めてくれ。せめて命だけは助けてくれ!あなたが欲するものを全て上げるから。富も名誉も全て、私の代わりに王になってくれないか?私は喜んであなたの臣下に成り下がろう!」
「王様、何をおっしゃるのですか!」
貴族女の生き残りが必死に叫んでいた。
「そんなことダメです!あなたが王様なんですから!こんな、こんな女なんかに……!」
「お前らはみんな死ね!」
少女の怒号が響きわたると、全てが嵐の中に消えていった。
残されたのは王一人だけだった。少女は神様より授かりし剣を王の喉元に宛がった。
「あなたは私の臣下になる……そうおっしゃいましたね?」
「ああっ……約束するよ」
「いいでしょう。この剣をしまいます……」
王はその後、長い眠りについた。少女は天に帰る手段を失った。
「この世界で生きていくのも、悪くないのかしら?」
世界は一度崩壊しかけた。国民はひたすら安寧に天に願った。
「皆さん、一緒にこの世界を作っていきましょう……」
少女は国民に生きる術を教えた。貴族に遜る世界ではなく、一人一人が主人公たる世界の創世を目指し、少女はこの世界に身を埋めることを決意した。
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