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その3

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巷では、処刑というワードがトレンドになっていた。王子の決断次第では、アナトールは処刑される可能性があった。ジュリアはそれを望まなかった。

「寛大なるジュリア様のおかげで命拾いできるんだ!感謝したらどうなんだ!」

また外野が騒ぎ始めた。ああっ、ここまでくると、本当にうるさいなあと思う。でも仕方がない。今は完全に孤独なのだから。

「ほら、さっさと婚約破棄しちゃえよ!」

誰かが言うものだから、しきりに、婚約破棄コールが起きた。王子は場が悪そうだった。ジュリアはにこにこしていた。

これでとどめ……彼女はそう思っていたはずだ。アナトールが反逆を開始するまでは。

「皆様、少しは静かにできないものですかねえっ……」

アナトールは皮肉交じりに叫んだ。

「随分と偉そうじゃないか!アナトール!」

聴衆の一人が叫んだ。

「偉そうもへったくれもありませんよ!ジュリアさん。私は今からあなたと戦います……」

戦う……戦うとは?再び会場がざわつき始めた。





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