婚約破棄の元凶は姉でした

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その8

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 いざ進め我が魂よ

 その高ぶる大地の石垣を

 その高ぶる海原の波を

 目標なんて一度考えればそれでいい。そんなに上手くいくものじゃない。でも、何も考えずにぼっーと生きるくらいなら死んだほうがましだ。

 泣いて悲しめ

 惨めになれ

 そうすると案外勝つことができる。さてさて、お姉様たちは何処にいらっしゃるのでございましょうか?私のことなんかお構いなしに、民衆のことなんかお構いなしに遊び惚けている気楽な王子でもしゃぶっているのかしら?どうせ、赤ん坊くらいの頭しかないからそれでいいか!

 私は違う。少なくともお姉様より利口で、王子より利口で。

 お姉様と王子の饗宴をぶっ壊しに来る度胸がある。私を国賊とかなんとか言って、十字架に張り付ける?残念ながら私は死なないわ!

「ここから先はいかせない!狂人め!」

 私は至って普通だ!狂っているのはお前たちの方だ!お前たちが死なない限り、私は生きられない!民衆は死ななければならない!

 お姉様の血を浴びないと、私はこの腐った目を生き返らせることができない。身体中のありとあらゆる血がお姉様の血を望んでいる。

「貴様たちに用はない!王子のところへ連れていけ!」

「そんなこと、出来るわけないだろうが!」

 邪魔者がどんどん増えていく。女もいるのか?王子に愛を誓った哀れな娼婦どもか?その小刀は意地汚い魂を浄化するためにあるんだ!

 とっとと死んでくれ!

 死なないと私が力づくで殺す。

「この狂人を止めろ!」

 静かなる夜明けがもうじき訪れようとしていた。私は相も変わらず冷静に片付けた。
 

 
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