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その23

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リーパという町の統治は少し特殊かもしれない。

人にはそれぞれ能力がある。魔法使い、科学使い、人を愛する力、人を憎む力、人を殺す力、などである。

私と彼女はある意味最強で町に相応しい人間である。そうした人間のパワーが少しずつ吸収されて、相反する美しい景色が守られている。

能力を放棄した場合、死が待っている。回収車が町を巡回している。烏が弱った雛を狙うように、死にかけた人々を吸い込む。その果ては、恐らくブラックホールである。

私たちは何も心配しなくていい。人間らしく、人間らしい営みを行えば、永遠に生き続けることができる。

「腐った虫たちが駆除されていくのは、いい光景です。世界を全て支配してしまえばいいのに……」

彼女はひょっとしたら、私よりも強い。その原動力を私は知っているわけだが、私には力がない。人を殺すくらいならば、昼寝でもしてリフレッシュしたほうがいいと思うのである。
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