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その2

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「メアリー……言い逃れをするとは、見苦しいぞ。まあ、いい。私の口から言うのが憚れるほど、悪質なのは確かなんだ……」

そう言って、ヘンリーは、メアリーを糾弾し始めた。

「オリビアが何も言わなかったから、私は気が付かなかった。まさか、学校内で事件が起きていたとはなあ……。メアリー、君はオリビアのことを疎ましく思っていたんだ。自分よりも美しく、そして、男たちからもてはやされるオリビアのことが、全く気に食わなかったんだ。そうだろう???だから……君はオリビアをこの世から抹殺しようとしたんだ!!!」

ヘンリーがあまりにも力をこめて話すものだから、人々はザワツキ始めた。まさか、そんなことが本当にあるのか……あるいは、それは事実なのだろう、と、色々な考えが交錯した。

「繰り返しますが、私はそのようなことは考えたことなんてありません……」

これに対して、メアリーは非常に冷静だった。ここまで自分のことをあからさまに糾弾してくる姿を見て、その恋はもうとっくに冷めていたのかもしれない。

「君は自分の手下ともいえる下級の生徒たちに頼んで、オリビアに対し、様々な虐めを行った。そして、オリビアが自殺するように仕向けたんだなあ?例えば……オリビアの持ち物を全部燃やしてしまったり、彼女のことを面白おかしく描いた新聞を校内に配ったり……先生たちにも根回しして、その評判を落として、学業成績も最悪なものにした。そして、あからさまに問題を指摘され、生徒の前で恥をかくように仕向けた……違うのか???」

「何度も申し上げております通り、私はそのようなことは一切しておりません……」

メアリーは至って冷静だった。これに対し、ボルテージの上がったヘンリーは、

「これ以上、罪を認めないと言うのなら、それはそれで勝手にするがいい!!!ただし、私の権限によって、君を牢獄に閉じ込めることになるとしても……文句は言わないな???」

「ですから……ああ、もう……あなた様は、無実の人間をそうやって牢獄にぶち込むおつもりですか???」

「無実ではないのだ!!!君は100%有罪なのだ!!!」

ヘンリーは、もう既に勝ち誇ったようだった。

「はあ、その自信は何処から来るんだか、教えてもらいたいですねえ!!!」

ここまで言われると、メアリーもさすがに、完全に黙っていることはできないようだった。

「でしたら、証拠をお見せください!!!証拠を!!!」

証拠のないヘンリーは、困り果てた。そして、とりあえず、メアリーを拘束した。この強引なやり方を非難する者もいたが、結局は、第一王子ヘンリーの名の元に行われたので、仕方のないことだった……。


というのが、前提である。そして、ヘンリーは、新しい事実を突きつけられることになったのだった。それはあまりにも意外過ぎる事実であって、ヘンリーは何度も何度も疑うことになった。だが、紛れもない事実だったのだ。






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