世界一美しい妹にせがまれるので婚約破棄される前に諦めます～辺境暮らしも悪くない～

寝室にて 6

考えてもみれば、一度交わっただけで、子供を孕むなんてことは、基本あり得ません。ですから、そのようなことを心配する必要なんて、なかったのです。

青年の戯れ……本来ならば、この程度の話でした。

でも……私にとってはやはり、重大な問題でした。結局、ハンフリー様は、私と一緒に寝ても、全くもって、不愉快になるだけなのでした。それが分かってしまいましたので、ハンフリー様、そして、私も大部興ざめでした。

「なあ、マリア……。私に何か問題があったのかな？？？？？？？？？？？？？そうだとしたら、今度からなおすからさ、教えてくれないかな？？？？？？？？？？？？」

それでも、ハンフリー様は自分に問題があると言って、私に罪を押し付けようとはしませんでした。私はこの時、悟りました。確かに私はハンフリー様のことを一時愛しました。そして、その愛が決して偽りでないことは、この私が一番分かっておりました。

でも……この場合、私がハンフリー様と婚約しますと、つまり、私がハンフリー様を一生束縛することになってしまいます。それはどうしても……いいえ、絶対にダメでした……。

考えてもみると、それが初めに分かってよかったと思います。

そして…………私の頭のなかでは、もはやこれ以上、というよりも、これから先、きちんと婚約することは難しいと思いました。そして………………。