一度決まった婚約破棄は覆りません！〜最強聖女の新たなる物語〜運命のお相手は最強の呪い師？

その4

「それに……令嬢社交パーティーに出入りする令嬢たちの情報を、スパイに売り渡しているとか……他には、虐めや傷害など、貴様は一体幾つの罪を犯したというのか？極め付けは、貴様が自分は聖女だと嘘をついたことだ。こればかりは、見過ごすことができないな。聖女様の名を騙るのは、死罪も免れない大罪だぞ！」

聖女様……それは、この世界で最も力のある女性に贈られる称号でした。神の介在人として、国王はもとより、全ての国民に崇め奉られる存在でした。聖女様の力というのは、ある特定の女性に宿るとされています。もちろん、私は聖女ではありませんし、聖女様の名を騙ることもありませんでした。

「フィッチ様。こればかりは納得がいきません！そのようなことは、一切しておりません！」

これに関しては、さすがの私も強く反対しました。そうでもしないと、本当に死罪になる可能性があるからでした。