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その6

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私はすぐさま、ロンメル伯爵が住んでいる田舎へ旅立つことにしました。両親や妹には軽く挨拶をして、すぐに馬車を手配してもらいました。

「そんなに早く引っ越さなくてもいいんじゃないかな???」

私の両親は、少しでも私に対して哀れみの気持ちというものを見せたかったのでしょうか。私が田舎に引っ越してしまうことを、少しは嘆いていたのでしょうか。でもそれは、結局として、自分たちを勝手に納得させる手段でしかなかったわけでございます。どのみち、私の新しい婚約が決まってしまったわけでございますから、誰かが何かを言ったところで、変わる事は無いわけでございます。

「いろいろとありがとうございました」

私は最後にこう言いまして、馬車に乗り込むのでした。

馬車の旅と言うものは、なかなか緊張するものでございますので。なかなか眠ることができませんでした。田舎に行くにつれて、道はきちんと舗装されていませんでしたから、大きく揺れました。下手したら転がり落ちてしまうのではないかと不安になることもありました。でも、私はそのようなところに行くしか、これから生きていく道はなかったわけでございます。

ロンメル伯爵の住む田舎にたどり着いたのは、その日の夜のことでございました。
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