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その9

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それからしばらくして、ロンチキは新たな職業を手に入れた。彼の突拍子もない小説の愛読者が新聞業界を斡旋してくれたのだ。そして、ロンチキは記者として毎日働くようになった。行方をくらませたソフィアは、ロンチキの下宿先に転がりこんでいた。

ロンチキが帰ってくると、

「今日は何か、面白い話でもあった???」

と、逐一質問をするのが日課になった。

「ありますあります。大きなスクープがあるのです!!!!!」

ロンチキは非常に小さな出来事であっても、スクープと言って囃し立てた。例えば、路地裏に迷い込んだ猫を救出した少年たちの話。これは実際のところ、ロンチキにとっては重要な話かもしれないが、世間一般には、あまり面白い話ではなかったのだ。

「それはもうわかったから……」

さすがのソフィアも、このような話をされていると、飽きてしまうのだった。

「他に何か大きな話はないのかしら???」

ソフィアがこう尋ねると、ロンチキは少し首を傾げて、

「まあ、面白いかどうかは分かりませんが……」

と話を始めた。

「実はですね、カリエス様の妻になったリリー様に関する噂があるのですが……それはつまり、リリー様はカリエス様のことを段々煙たがるようになったみたいで、暗殺の計画を企んでいるとかいないとか……まあ、噂レベルなんですけどね……」

「あの……それの方が重要じゃない!!!!!!」

ソフィアはこう言って、呆れてしまった。

「そうでしょうか???」

「ええ、そうですとも。さあ、それについてもっと調査してみなさいよ。私にもまだ古いつながりがあるから……これを暴いたら、私の名誉も挽回できるかも!!!」

ソフィアはこの新しい展望に期待した。
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