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その6

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「私の……私の何がダメだって言うのよおおお!!!!!」

ソフィアは屋敷を追い出されて、貴族の酒場に入り浸るようになった。酒に溺れる人間は愚かである、と昔から言い伝えられていて、ソフィアは酒を好まなかった。だが、それもこのような状況に陥ってしまっては仕方がない。一番高い酒を注文して、朝まで飲み続ける……そんな生活が暫く続くことになった。

「お客さん。今日もあれてますなあ……。誰か、この御令嬢を介抱してくださる方はいませんか???」

マスターの提案に応じた貴族は、時折、ソフィアの頬にキスをしたり、あるいは、その場で強引に関係を持とうとする者もいた。だが、それが公爵令嬢ソフィアだと分かった途端、貴族たちは逃げ惑うことになった。触らぬ神に祟りなし、と言った諺通りだった。

「はあ、今日も私が面倒を見ることになるわけですか……」

そう言って、いつもソフィアの隣に座っている男貴族が、ソフィアの面倒を見ることになるのだった。

「毎晩毎晩、スミマセンね。お客さん。お酒、サービスしときますから!!!」

マスターは、頼れる客にソフィアを任せた。これは毎晩お馴染みの光景だった。

「ええ、どうもありがとうございます。私にとっては、大したことじゃないんです。ソフィア様は……私にとって永遠の憧れなのですから……」

そう言って、男は、ソフィアの華奢な帽子に口づけをするのだった。

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