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その3

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「ところでさあ、王子様との関係はどうなの???」

リリーは頻繁に、ソフィアに質問するのだった。

「まあ、ぼちぼちってところかしらね???相変わらず大変なんだけど……」

「ああ、すごいわねえ……」

リリーは感心しているようだった。

「どうして???」

「だって、王子様と婚約するだなんて、普通は無理じゃない。それを成し遂げたあなたはやっぱりすごいわよ」

「そうかしら???」

「ええ、間違いなく……」

そう言われて、ソフィアは少し嬉しくなった。ただ、この場にたどり着いたのは、自分だけの力ではないことを、ソフィアは心得ていた。家族であったり、時には、リリーのような友人の存在であったり、ソフィアは沢山の人々に
感謝するのだった。

みんなの期待を背負って成し遂げた婚約……だが、その背後には大きな別の力が働こうとしていた。

そもそも、ソフィアが成し遂げた婚約を快く思っているのは、両家の人間の大半であったが、唯一快く思わない人間がいた。それはまさしく、カリエスその本人であった。

もちろん、ソフィアのことを特段と嫌うわけではないが、自分よりも遥かに優秀な人間が妻になると、その後の人生は全て、尻に敷かれてしまうのではないか、そのように考えるわけだった。

「そんな人生はごめんだ!!!!」

いつしか、ソフィアはなんとかして、ソフィアと婚約するのを回避する方法はないものかと、模索するようになり始めたのだった……。

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