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その1
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公爵令嬢のソフィアが、第一王子カリエスの婚約者となったのは、ソフィアが全て優秀であったから、ということができる。成績が優秀なのは当たり前で、カリエスを補佐するのに申し分ないレベルであり、また、令嬢とはいうものの、武勇に優れ、いざという時はカリエスを守ることも出来るし、そして、ソフィアの家が非常に名門であり、王家との関わりも非常に深いこと……とまあ、まだまだあるわけだが、とにかく、この婚約は正式なものになった。
カリエスは非常にめんどくさがりや、そして、怠け者だった。本来ならば、次期皇帝として、政治や軍事に関する知識を身につける必要があった。しかしながら、カリエスは勉強が大嫌いで、暇さえあれば、外に出て遊ぶという生活を送っていた。
これを見かねたカリエスの両親、つまり、現皇帝とその王妃は、信頼熱いソフィアを呼び出して、カリエスの面倒を見るように頼んだ。最初、ソフィアは困惑した。
「滅相もございません!!!仮にも臣下の身の者が、王子様に教育を施すなどと!!!」
ソフィアは古い伝統を重んじる令嬢だった。これに対し、皇帝陛下は、
「まあまあ、そう硬くならなくていいんだ。どのみち、夫婦になるわけだから。それに……私たちは君のことを信頼しているからね。遜る必要はないんだよ。さあ、倅の面倒を見てやってくれ。そして、道を踏み外さないように、サポートしてほしいんだ!!!」
と言った。ここまで言われてしまっては、流石に断ることも出来ず、ソフィアはカリエスの指導役を買って出ることになった。
カリエスは非常にめんどくさがりや、そして、怠け者だった。本来ならば、次期皇帝として、政治や軍事に関する知識を身につける必要があった。しかしながら、カリエスは勉強が大嫌いで、暇さえあれば、外に出て遊ぶという生活を送っていた。
これを見かねたカリエスの両親、つまり、現皇帝とその王妃は、信頼熱いソフィアを呼び出して、カリエスの面倒を見るように頼んだ。最初、ソフィアは困惑した。
「滅相もございません!!!仮にも臣下の身の者が、王子様に教育を施すなどと!!!」
ソフィアは古い伝統を重んじる令嬢だった。これに対し、皇帝陛下は、
「まあまあ、そう硬くならなくていいんだ。どのみち、夫婦になるわけだから。それに……私たちは君のことを信頼しているからね。遜る必要はないんだよ。さあ、倅の面倒を見てやってくれ。そして、道を踏み外さないように、サポートしてほしいんだ!!!」
と言った。ここまで言われてしまっては、流石に断ることも出来ず、ソフィアはカリエスの指導役を買って出ることになった。
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