妹に婚約者を寝取られたので姉を辞めます～婚約破棄という運命に抗って～

その43

「旅とはいったい、どういうものでございましょうか？？？？？？？？？？？？」

男がしつこくレイナに迫るものだから、レイナは母親に質問した。

「そうですね……それは、庶民が新しい土地を求めて命を危険に曝す……いわば冒険のようなものですね。だから……あなたには必要ないのよ？？？？？？？？？？」

母親はそのように説明した。

「なるほど……そうなのですか？？？？？？？？？」

レイナは、男に質問を返した。

「いいえ、決してそのようなことはございません！！！！！！！私どもの主であるコルチコ王国のステロン様は、是非ともあなた様に会いたいと……思っているわけでございますから…………」

「その必要はありません！！！！！！！！！！！！」

母親はものすごい剣幕で、男を威嚇した。

「だいたい、あなたは何者なのですか？？？？？？？？？どうせ、三流のスパイか何かでしょう？？？？？？あなたがいなくても、この国はすぐ滅びますわよ…………」

母親の説明は、ごもっとも……レイナはそう思った。

「いいえ、そのようなことではなくて、純粋に王子様の興味なのでございまして…………」

男はまだ食い下がろうとはしなかった。やけに意地のある男だった…………。