妹に婚約者を寝取られたので姉を辞めます～婚約破棄という運命に抗って～

その34

そんなレイナに声をかけてくるのは、強いて言えば子供たちだった。大人はまるで手を出さない。触らぬ神に祟りなし、とでも言ったところだろうか？？？？？？？？これほど不可思議な女に近づくのは、年の全く離れた女の子と決まっているものだ…………。

「あの………………！！！！！！！！！！！！！」

元気よく声をかけてきた小さな女の子が、レイナの服の裾を引っ張って、レイナの旅路を止めた。

「なにか御用かしら？？？？？？？？？？」

レイナは話しかけた。

「私のお兄ちゃんがね、お姉さんに会いたいって、言ってるの！！！！！！！！！」

女の子はこう言った。レイナは勘繰り始めた。何かの詐欺か、あるいは、人さらいの真似事だろうか……だが、こんな小さな女の子が、そんなことをするだろうか…………。

「分かったわ。案内して」

「本当にいいの？？？？？？？？？？？」

「いいのって…………あなたが言い出したんでしょう？？？？？？？？？？」

やはり、何かが変だ…………レイナは直感した。だがしかし、女の子をこのまま一人にさせておく方が、かえって大変なことになると思ったから、レイナは女の子についていった。それは、レイナの予想通り、人気のない裏通りの路地で、俗に言うスラム街のようなところだった…………。