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その8

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レイナが部屋に入ると、まずは母親が声をかけた。その方が、レイナにとっても安心できた。いきなり、父親から話を始められては、窮屈で仕方がなかったのだ。

「あら、レイナ。どうしたのよ??????なにか、困ったことでもあったの???????」

母親は、父親と比べると、大部人柄の良い令嬢、と言うことができた。子供想いと言うのはもちろんのこと、気遣いを忘れなかった。ただ、怒鳴り散らす父親とは、そこに大きな差があったのだ。

「レイナ…………どうしたんだ?????????何かあったのか?????????????」

公爵は、まるで尋問をするかのように、レイナに問いただした。レイナは、もちろん言うことが決まっていたのだが、中々口に出すことができなかった。

「早くしなさい!!!!!!!!!!」

公爵に促される形で、レイナは話を始めた。

「お父様、お母様……。今さっき、イコンが申し上げたことは……全て事実なのでございます……」

レイナがこう言うと、公爵は、

「おい……ちょっと待て……」

と言って、一度立ち止まった。どうやら、イコンの言ったことは正しい……だが、どうして…………その二つの相反する考えが、公爵の頭の中を駆けずり回っていた。

「どうして……そんなことになったんだ?????????と言うことは……レイナ、お前は、チャーリー様から婚約破棄を言い渡された、ということなのか??????????」

公爵がこう言うと、レイナは静かに、こくりと頷いた…………。










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