悪役令嬢を叩き斬る

悪役令嬢

「ふざけるな。これ以上お前は何を望むと言うんだ。私が、ここでお前を殺してやるんだ！！！！！」

「あら、これまた随分と勇ましい婚約者ではありませんか。でもその余裕がいつまで続くのでしょうか。そもそも、あなたに私を殺すことができるのでしょうか？？？」

「それは一体どういうことなんだ？」

「だって、1度でもいいから、あなたは私のことを愛してしまったのでしょう。そんな人が私のような女を殺すことができるなんて、到底思えないわけでございますよ。ほら実際にあなたは刀を持っているわけでございますが、その手は震えているではありませんか。それは本当に私のことを殺す気はないと言う証拠ではございませんか？？？」

「そんなことは無い。私はいつも本気なんだ。だから、こうやってお前のことを殺すことができるんだ。ワァー！！！！！！！！！！」

男は女を殺すことに成功しました。でもそれは実際は見せかけであって、女は生きていました。そして女は悪役令嬢として生き残ることになったわけでございます。

男はこの女を殺したことを、非常に誇りを持っていました。これで貴族社会に新しい安寧が訪れると思っていました。ですが実際は違いました。何故かと言えば、この女は生きていたわけでございますから。

「一体全体、どうしてこんなことになってしまったんだろうか」

女は新しい男を捕まえては、まだまだその男の人生を狂わせようとしていました。男はそのことを知っていたので、もう一度女を殺そうと思いましたが、女を殺す事はやはり出来ませんでした。なんと殺しても、また復活してきてしまったのです。

これで全てが終わってしまったと男は思いました。やはり、いちど狂わされた人生を修正することなんてできなかったようです。男はそれを悟りました。