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第2章 桃園の誓い
威風堂々
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『ミッドウェー守備隊より:現在、当守備隊及び基地は日本軍の艦砲射撃を受けつつあり。第十七任務部隊に対し至急救援を……』
平文のテキストが流れ、赤い枠のウィンドウが強制的に開く。知恵が指でそれをなぞると、別なプロジェクションマッピングのウィンドウが立ち上がる。
中継【LIVE】の文字。そしてまるで滝のような火線が島の各所に叩きつけられているのが見えた。
「そうか……連合艦隊第二艦隊……ミッドウェー攻略部隊を突入させたのか!」
無言のままうなずく奈穂。史実では、戦艦をはじめとする打撃艦隊と多くの輸送艦からなるミッドウェー島上陸部隊である。これが突入するということは、状況が最終局面を迎えていることを示していた。
「まあ、勝利点上げるためにもね。もうそちらには戦う力もないでしょ」
奈穂は空中に周辺の海域地図を表示させ、それを指差す。
「……現在アリューシャン方面にいた軽空母『龍驤』『隼鷹』をこちらに移動させているよ。ミッドウェー島を恒久的な日本の基地にするためにもね」
「宍戸さん……すごい!」
顔を赤らめ、叫ぶ知恵。それまでの落ち着いた雰囲気とは全く違った面持ちで。
「やっぱり、あなたは『英雄』なのかも……」
「え、なにそれ?まあ、結構調べ物はしたけどね。二人の対戦を見て、勉強にもなったし。アリスト……テレス?システムだったっけ?これで期末とかの点数が決まるんでしょ。いい訓練になったしね」
「宍戸さん……」
「いいよ、奈穂で」
「じゃぁ……ナポちゃんって呼ぶね。よろしくね!」
なにか一足飛びな感じはしたが、まあルームメイトに好かれて悪い気はしない。
奈穂は墨子の方を向く。親指を立て、ニコっと歯を出して笑う墨子。
「ありがとよ、戦友。おかげで勝つことができた。なんか足引っ張ってしまったが……」
「次にシミュレーションするときには敵かもしれないしね」
「それもそうだ、まけねーぞ」
ぶうんと、大きな振動音。それまで南国の太平洋だった背景が消え、暗く落ち着いた照明に切り替わる。奈穂たちのコスチュームも、部屋を出たときのものに戻っていた。
その時、重く壁時計が三度なる。
青くなる奈穂。情報携帯端末を見ると〇三〇〇の表示。
明日は、いや今日は入学式である——
(しまった——!!!)
まだまだ、彼女の前には困難が立ちはだかっているようだった。
平文のテキストが流れ、赤い枠のウィンドウが強制的に開く。知恵が指でそれをなぞると、別なプロジェクションマッピングのウィンドウが立ち上がる。
中継【LIVE】の文字。そしてまるで滝のような火線が島の各所に叩きつけられているのが見えた。
「そうか……連合艦隊第二艦隊……ミッドウェー攻略部隊を突入させたのか!」
無言のままうなずく奈穂。史実では、戦艦をはじめとする打撃艦隊と多くの輸送艦からなるミッドウェー島上陸部隊である。これが突入するということは、状況が最終局面を迎えていることを示していた。
「まあ、勝利点上げるためにもね。もうそちらには戦う力もないでしょ」
奈穂は空中に周辺の海域地図を表示させ、それを指差す。
「……現在アリューシャン方面にいた軽空母『龍驤』『隼鷹』をこちらに移動させているよ。ミッドウェー島を恒久的な日本の基地にするためにもね」
「宍戸さん……すごい!」
顔を赤らめ、叫ぶ知恵。それまでの落ち着いた雰囲気とは全く違った面持ちで。
「やっぱり、あなたは『英雄』なのかも……」
「え、なにそれ?まあ、結構調べ物はしたけどね。二人の対戦を見て、勉強にもなったし。アリスト……テレス?システムだったっけ?これで期末とかの点数が決まるんでしょ。いい訓練になったしね」
「宍戸さん……」
「いいよ、奈穂で」
「じゃぁ……ナポちゃんって呼ぶね。よろしくね!」
なにか一足飛びな感じはしたが、まあルームメイトに好かれて悪い気はしない。
奈穂は墨子の方を向く。親指を立て、ニコっと歯を出して笑う墨子。
「ありがとよ、戦友。おかげで勝つことができた。なんか足引っ張ってしまったが……」
「次にシミュレーションするときには敵かもしれないしね」
「それもそうだ、まけねーぞ」
ぶうんと、大きな振動音。それまで南国の太平洋だった背景が消え、暗く落ち着いた照明に切り替わる。奈穂たちのコスチュームも、部屋を出たときのものに戻っていた。
その時、重く壁時計が三度なる。
青くなる奈穂。情報携帯端末を見ると〇三〇〇の表示。
明日は、いや今日は入学式である——
(しまった——!!!)
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