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54話 森へ行こう その7

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「ちっ……俺ってばどんだけクジ運がないんだよ……これで三度目だぜ? 三度目!
 ホントついてないよなぁ~」
「さっきらうるさいなぁ……ってか、誰の所為でこう何度も何度も見回りに行かされてると思ってるんだよ? いい加減諦めてちゃんと見回りしろよな。
 先輩とかに見つかったら、また怒られるぞ?」
「先輩たちみんな森の外じゃん? 見つかる訳ねぇって」

 なんてぶつくさ文句を垂れながら、森の中を二人の少年が歩いていた。
 腰には剣を、そして軽装の鎧を身に着けている事から、この二人が自警団の一員であることは誰の目から見ても一目瞭然だ。
 他の者たちが昼の休憩を取っている最中、何故に彼らが森の中を歩き回っているかというと、周囲に危険がないかを確かめるための見回りだ。
 休憩とはいえ、全員が一斉に休息を取ってしまうと周囲への警戒が疎かになってしまうため、一定数の人数は必ず周囲への警戒のため、見回りを行う事が決められていた。
 通常なら、休憩中の見回りは持ち回り制になっていて、見回りから戻ったら次の団員と交代することになっている、のだが……
 彼らの所属していた班では、その見回りを誰が行うかをクジによって決めていたのだ。
 これは一種の遊びだ。
 それをこの少年は連続で三度もハズレを引いていた。
 毎度、いの一番に引いて、たった一つのハズレを連続で三回だ。
 ある意味、神掛かった引きの強さだ。それがマイナス方面である事が非常に悔やまれる訳だが……

「“俺に任せろっ!”って言うから任せたのに、このザマとはね……
 付き合わされる僕の身にもなって欲しいよ……」

 少年の一人はやれやれ、と言いたげな顔で肩を竦めてみせた。
 自警団では、何をするにも必ず二人以上のチームを組んで行動する事が義務付けられていた。
 単独での行動など厳禁である。
 もし、何か有事の際、一人では対応出来ない事でも、二人でなら対応する事が出来るかもしれないからだ。
 例えば、怪我をして動けなくなったとしても、二人いれば肩を貸すなり助けを呼びに行くなり手はあるが、一人では積みだ。
 というメリットがある一方、こうして余計な事に巻き込まれるというデメリットも確かに存在する訳で……

「クッソー……これだぁっ! ってビビッと来たんだけどなぁ……次こそは必ずっ!」
「次は僕が引くよ……このまま君に引かせてたら休憩なんて出来そうにないしね……
 って、そっちはさっき行っただろ?」
「ぐえっ!?」

 一人すたすたと先を行く少年の首根っこを、もう一人少年がガシッと掴んだ。
 その拍子に、先を行く少年の喉が絞まり、踏みつけられたカエルの様な声をあげた。

「ごほっごほっ……襟を掴む前に声を掛けろよ声を……お前、容赦ないな……」
「今度はこっちに行こう」

 あくまでマイペースを崩さず、静かに歩き出す少年に、もう一人の少年は絞まった首をさすりながら、

「って、人の話聞けよっ!」

 と、声を荒げるのだが、そんな少年の声など何処吹く風と、まるで気にしていない様子でもう一人の少年はテクテクと歩を進めた。

 それから少しして……

「そろそろ交代の時間……かな……」

 見回りの交代の目安は、範囲や距離ではなく時間だ。
 見回りを始めて、そろそろその時間が経過しようとしていた。
 時計のないこの世界で、時間を知る方法は教会の鐘か自分の感覚だけが頼りだった。
 その所為か、皆基本的に体内時計の精度が高い。
 朝に目覚ましなしに、決められた時間に起きることなど誰でも……とは言わないが、割と多くの人間が出来る芸当だった。

「そろそろ戻ろうか……って、どうしたんだよ?」

 振り返り、後ろについていた相方に声を掛けるが、その相方は自分の方など見ておらず明後日の方へと首を向けていた。

「いや……今、そこで何か動いたような気がしてさ……」
「ラビか? あとこの辺りにいるとしたら角猪ヴィルシュ森狼バァルフくらいだけど……」
角猪ヴィルシュならこっそり近づくなんてことしないで、一気に突っ込んでくるだろ?
 森狼バァルフはこっちから手を出さなければ、普通襲ってこないしな……
 気になるから、ちょっと見てくるわ」
「気をつけろよ」

 少年は一応剣の柄に手を掛け、何時でも抜けるように身構えて、何かが動いたと思しき場所へとゆっくりと、そして静かに近づいていった。
 勘違いならそれでいい、しかし、もしも角猪ヴィルシュ森狼バァルフであったなら、すぐさま逃げれるように心の準備だけはしておく。
 何も今ここで自分達が倒す必要はないのだ。
 確認だけして他の団員に連絡を入れ、十分な人員を確保したうえで事に当たればいい。
 英雄の真似事なんて早死にの元だ、と先輩団員たちからいつも言われていることだった。
 自警団では、日ごろから角猪ヴィルシュ森狼バァルフの討伐方法よりも、出会ってしまった時に如何にして生き延びるか、という事を教えていた。
 故に、この少年団員たちも角猪ヴィルシュ森狼バァルフの対処方は十分に心得ていて、相手が単独であるなら、逃げ切れるだけの自信と能力を彼らは十分に持ち合わせていたのだ。

 少年は剣を抜くと、その切っ先で何かがいると思える茂みをそっと押し開いた。
 ただでさえ背の高い木々が生い茂る森の中だ、薄暗い事も相まってその先の見通しはよろしくない。

「ちっ……暗くてよく見えねぇな……」

 少年がより深くを覗き込もうと屈み込むと、暗いその茂みの奥でギラリと何かが光って見えた。
 その時……

 ガサガサガサッ!!

「っ!?」

 突如、その茂みの中から少年の目の前に自分の身の丈の優に二倍はあろうかという、巨大な影が迫り上がるって来たのだった。

「おいおい、ウソだろ……なんでこいつ・・・が……
 なんて言ってる場合じゃねぇなっ! おい、逃げるぞっ……て、もう、いねぇしっ!?」

 振り返ると、先ほどまで確かにそこにいた相棒の姿がなくなっていた。
 ふと視線をずらせば、脱兎の如く走り去る相棒の背中がちらりと見えた。

「ちくしょう! なんなんだよ今日は! ホントについてねぇ!!」

 少年は相棒の背中を追うように、全速力でその場から走り出した。
 直後、背後からは身も竦むような野太い咆哮が、辺り一帯に響き渡ったのだった。
 
-------------------------------------
 
 神父様が戻って来てところで、お昼休憩と相成った。
 俺たちは車座になったまま、各自持参の弁当を広げる。
 俺も愛用の肩掛けカバンの中から、小ぶりのバスケットと水筒を取り出し目の前に置く。
 神父様は全員の準備が整ったのを確かめると、手を組んで静かに目を閉じた。
 それにならう様にして、皆が同じように手を組んで目を閉じる。
 勿論、俺もだ。
 そして、神父様が食事の前の祈り言葉を口にし、それにその場の皆が続く……

 食事の前のこの時間は、自然と皆が静かになる。
 教会学校でもそうだ。
 配膳中は割りと騒がしいくせに、いざ、食前の祈りとなると途端に静かになるのだ。
 この世界では“食事”という行為が、かなり重要視されている。
 今でこそ安定して食べ物にありつけているが、昔……それこそじーさんたちが俺たちくらいの子どもだった時は、今日も食べるものがない、なんて日が数日続く事もあったらしい。
 話に聞く限りでは、そんな時は木の根を齧って飢えを凌いだり、剥いだ獣の皮を茹でて無理やり食べたりと、結構凄惨な食生活を送っていたとか……
 だからか、食べ物に関する教育はかなりシビアだ。
 嫌いだからと残したり、食べ物を粗末にしたり遊んだり……と、そんな事をしようものなら、ガチで怒られる。
 小腹が空いたからコンビニで夜食でも買おう……なんて気軽に食べ物が手に入らない以上、食事という行為そのものが、この世界ではとても尊いのである。
 だから、食事の前のこの祈りは“祈り”というより“感謝”に近い。
 食べられる事にありがとう、食材になった全ての命にありがとう、そして、今日を生きられる事にありがとう……
 と、まぁ、そんな言葉が続くのだ。

 この食前の感謝の祈りが終わってしまえば、あとはいつも通り賑やかなものになる。
 別に“食事中は静かにしなければなりません”みたいな、堅苦しい教えはないので各自、おしゃべりを楽しみつつ食事は進む。

「みなさん、少しいいでしょうか?」

 昼食が始まって、どれくらいの時間が経っただろうか……
 皆の弁当箱が空になり始めた頃、神父様がそう切り出した。

「本日の予定なのですが、午後の散策は中止になりました。
 あとで、自警団の方々から正式に通達があると思いますが、先にお話しておきますね。
 なので、この休憩が終わり次第村に帰る事になります」
「中止……? なんでまた?」
「大した理由ではありません。
 今回は今までと違い、結構な大人数での参加ですからね……
 安全を考慮して、少し早めに切り上げましょう、とそれだけの話ですよ」

 確かにな……
 今まで30人くらいだった参加人数が今回は倍くらいいる訳だから、長居を避けるというのは妥当な話だと思えた。
 とはいえ、元々参加する人数なんて分かっていた事なのに、なんで今になって急に決めたのだろうか?
 だったら最初から、午後の部はなし、とすればいいだけなのに……
 もしかして、思った以上にお守りが大変だったから、急遽中止にした、とかいう理由じゃないだろうな?

「えー! もっと探検したいー!」
「そうですわね……まだ見ていない物もいっぱいありますのに……残念ですわ」
「あっ! となると、朝仕掛けたラビ用の罠って……」

 俺がふと、午前中にみんなで仕掛けたラビ用の落とし穴の事を思い出た。
 いくら森の入り口付近に設置したものとはいえ、ラビが掛かったどうかを確認に行くには多少距離がある。
 俺達だけ別行動をして、罠を確かめに行くというのは……

「申し訳ありませんが、諦めて頂くしかありませんね……」

 神父様は、心底申し訳なさそうにそうそう言ったのだった。
 別に、神父様が中止を決定した訳でもないだろうに……

「まぁ、そうなるでしょうね……」

 あまり期待していた訳ではなかったが、成功するにしろ失敗するにしろ結果の確認も出来ないというのは、少しもどかしいものがあるな。

「やぁだー!! 見に行くのぉ! それで、ラビ捕まえてみんなで食べるのぉー!!」
「こらっ! バカタニア! わがまま言うなよっ!
 大人の人が決めた事には従うってのが決まりだっただろ?」
「ううぅ……でもぉ……」

 どうやら、タニアの頭の中では、既にラビを捕まえているらしい……
 一番楽しみにしていただけに、素直に納得出来ないのか、タニアが泣きそうな顔でぐずり始めた。
 まぁ、気持ちは分からなくはないけどな……
 楽しみにしていた遠足が、当日雨で中止……みたいな。
 しかし、だからといって個人のわがままで全体の予定を変えるわけにはいかない。
 残念だが、それが集団行動というものなのである。

「今度一緒に、ラビ捕まえに行ってやるから、今日は我慢しよう? な?」

 俺が、タニアの頭をポフポフしながらそう語りかけると、タニアはしぶしぶといった感じで頭をコクリ振った。

「絶対だよ? 約束だよ?」
「ああ、約束な」

 なんて一幕もあったが、そのあとは神父様の言った通り全員に向けてクマのおっさんから撤収の指示が出た。
 大した荷物は持っている訳でもないので、帰りの準備はすぐに済んだ。
 収穫した各種野草や果物の入った籠は、自警団の人たちが連れていたヤム車にお任せなので帰りは手ぶらである。
 まぁ、来るときも大したものは持っていなかった上、手荷物の中で重量の大半占めていた弁当は腹の中に収まってしまっていたため、来る時よりむしろ身軽だ。
 俺達より先に出張っていた自警団の面々をその場に残し、子どもたちが隊列を組み、先導する自警団のにーちゃんが出発の号令を発した、まさにその瞬間……

 森の方から、地を割らんばかりの……そう、獣の咆哮のような声が辺りに響き渡ったのだった。
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