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23話 布教活動

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「こんな所にまで来て見せたいもの、とは何でしょうかロディフィス?」
「もう目の前にありますよ。この生簀いけすがそうですっ!」

 そう聞いてきた神父様に、俺は先日作ったばかりの風呂の試作機を見せていた。

「これが“風呂”ですっ!」
「風呂……? ここで体でも洗うのですか?」

 一言に“風呂”と言っても、世界が変われば意味だって変わる。
 日本なら、“風呂に入る”と字面だけを見れば、湯を張った浴槽に体を浸けて暖める事を言うが、“風呂に入る”と言って本当に浴槽にだけ浸かって、そのまま出てしまう者はいないのではないだろうか?
 誰しも風呂に入れば体等を洗う。
 何が言いかと言うと、“風呂に入る”その一言に浴槽に浸かること、そして体等を洗うこと、この2つの意味が内包されていると言うことだ。
 しかし……
 この異世界では勝手が違った。
 “風呂”とは即ち、体を洗う(拭く)事に他ならない。
 そもそもこの世界(国か?)では、お湯を溜めてそこに体を浸す……と言う文化がない。
 だから、こんな川辺に連れてこられて“風呂です(体を洗うのです)”と、言われても神父様には何の事やら意味が分からなくて当然だった。
 故に、この国の言葉に“浴槽”や“湯船”と言った物を表す言葉はない。
 いや、あるのかもしれないが、少なくとも俺は知らないし、神父様だって知らなかった。
 
「まぁまぁ、“百聞は一見にしかず”とも言います。
 今から準備をするので、そこでちょと待っていてください」

 と、言う分けで俺はもぞもぞと服を脱ぎ、全裸になるとバシャバシャと川の中に入っていった。
 今日は学校が休みの日とあって、近くには誰の姿も見当たらない。
 しかもまだ朝だと言う事もあり、水浴びをするには川の水は若干冷たく感じた。
 が、ここは今から文字通り“ホットなスポット”となるので問題ない。
 俺は、加熱用の魔術陣を刻んだレンガを積んで作った魔道具のマナ供給魔術陣に手を突いた。
 前回は30秒ほどで熱湯になってしまったので、今回は半分の15秒ほどで止めておく。
 手を突っ込んで、温度を確認すると悪くない温度になっていた。
 俺はそのまま浴槽となった生簀いけすに入って、腰を沈めた。

「はふぅ~
 さぁ、神父様もどうぞ! 気持ちがいいですよ?」

 俺は浴槽の中から、神父様に声を掛けるが神父様は気乗りがしないのか、若干困惑気味の表情を浮かべていた。

「私にも裸になってそこに入れ、と?
 いい歳をした大人が、子どもに混じって川で行水というのは多少気が引けますが……
 分かりました。キミが言うのなら、何か意味があるのでしょうし……」

 流石に大人である神父様には、この場で全裸になると言うのに抵抗があるのか多少躊躇していたが、意を決したのかするすると服を脱ぎ出した。
 日本のように、大衆浴場などの文化が発達していないこの国では、人前で裸になると言う行為は決して一般的なものではない。
 ましてやここは、なんの変哲も無いただの川辺だ。
 神父様が躊躇うのは無理からぬ事だった。
 むしろそれを押して、俺に付き合って裸になって川に……と、言うか風呂に入ってくれる事に感謝だな。
 服を脱いだことで腹が決まったのか、神父様は堂々とした足取りで浴槽へと足を入れた。

「っ!?
 これは……お湯……ですか?」

 神父様はそのまザブザブと歩を進めると、俺の隣に腰を降ろした。
 ……ってか、神父様ってば意外に筋肉質な体をしていらっしゃる。
 着痩せするタイプなのか、服を着ている時とは大分印象がかわってガッチリした体形をしていた。
 そんな意外とマッシブな体をしていた神父様だ、俺でさえようやく水面が腹の辺りに届くかどうかの水かさしかないこの浴槽では、下半身をお湯で浸すので一杯一杯になってしまっていた。
 半身浴……とも呼べる状態じゃないな……

「本当は、肩までお湯に浸かれる様なものが本物の“風呂”なんですけどね……
 今はコレくらいのものしか用意できませんでした」

 神父様は、お湯を手ですくってはそのお湯をまじまじと見ていた。

「このお湯はやはり……?」

 ちらりっ、と神父様は俺がさっき操作していたレンガの方へと目をやった。

「ええ、あの魔道具で作りました」
「魔道具……?」
「ああ……えっと、魔道具って言うのは……」

 俺は神父様に、魔道具について軽く説明した。
 魔道具とは、俺が作った造語だ。
 複数の魔術陣を組み合わせることで一つの“仕事”をする、魔術陣の集合体の事をさす。
 魔術陣を重ね合わせて一つの魔術とする“集積型魔術陣”をさらに集めたもの……と言う認識で間違いはないだろう。
 そう言う意味では、大衆洗濯場の洗濯槽も歴とした魔道具と言う事になる。

「そうなんですか。
 なんだか、随分と使い慣れてきていますね」

 神父様も慣れてきたもので、それだけの説明で深くは追求せず納得してくれた。
 何故俺がこうして神父様と一緒に露天風呂に入って裸の付き合いをしているのかと言うと、ずばり俺の計画に加担してもらうためだった。
 計画とは、村に大きな浴場つまり“銭湯”を作ることだっ!
 やはり風呂は大きい方が気分がいい。
 しかし、大きな浴場を造るとなると工事の規模も資材の量も、大衆洗濯場の比ではない程大掛かりなものになってしまう。
 だから、初めは個人用の小ぢんまりとした物を作るつもりだったのだが……ソロバンの思わぬ収入で気が変わった。
 俺はあの金で大型スパ・リゾートをこの村に建設するのだっ!
 …… ……
 あっ、いや、流石にそれはムリだって分かっているので“スーパー銭湯”的な物が造れればいいなぁ、と考えている。
 しかし“銭湯”を造ったとして、それが村の人たちに受け入れられるかどうかは現状分からない。
 大金を投入して造ったはいいが、人気が出ませんでしたでは、流石に笑い話にも出来ないしな。
 俺はそんな、何処ぞの行政が勢いだけで造った箱物みたいな末路は辿りたくないのだ。
 故に、神父様には試金石になってもらったのだ。
 この“風呂”と言う概念が受け入れられるか、拒絶されるのか……
 神父様が拒絶するようなら、たぶん他の人でも無理だろうし、逆に、容認できるのであるなら、他の人からも受け入れられる可能性は高い。
 もし、神父様からの評価が低ければこの計画は即中止。当初の予定通り、個人用の小さい物でも作って満足しよう。しかし、評価が高ければ……計画を次の段階へと押し進める事になる。

「で、どうですか神父様?」
「どう、とは?」
「えっと、この“風呂”に入った感想といいますか、何と言うか……」
「……そうですね……」

 神父様は水面をじっと見たまま少しの間沈黙した。
 そして、言葉を選ぶ様にゆっくりと続ける。

「……ロディフィスが言う、“本当の風呂”と言うのがどう言うものなのか、それはまだよく分かりませんが“悪くは無い”……のではないのでしょうか」

 悪くは無い……か。
 もっと好感触を得られるものと期待したのだが、やはりこんな水溜りのような風呂では真の風呂の良さが伝わり難いのかもしれないな……

「ロディフィスも知っている事でしょうが、このアストリアス王国には“お湯に体を浸す”と言う風習はありません。
 しかし、実際にこうして湯に体を浸すと言うのも、やはり多少の違和感はありますが、気持ちが良くはありますね……」

 神父様は再度湯をすくって、手の平の中の湯を見つめながらそうこぼした。
 なるほど、“悪くは無い”でも好評価に近い方の“悪くは無い”であるらしい。
 これなら、計画を次の段階に進める事が出来る……か?
 計画の次の段階とは、つまり村人の説得だった。
 今回の計画は、規模がかなり大掛かりな物になるため、そこに費やされる資金は決して少ないものではない。
 その資金を、ソロバンを売った収入から出そうと言うのだ。
 しかし、あの金は村の人たちがソロバンを作って稼いでくれたもの。
 それを俺の独断で勝手に使ってしまうのは、流石に気が引けた。
 そこで、村の意思として“銭湯ってあった方がいいね”と言う流れに持って行きたいのだ。
 前回、大衆洗濯場を造った時は主婦の皆様方からの熱い要望・・・・によって、“洗濯場を作ろう”と言う流れになって行った。
 それと同じ事を、銭湯でやろうと言うのだ。
 しかし、現状“銭湯が欲しい”と思っている人間は俺一人しかいない……
 だから、風呂の良さをアピールして賛同者を増やそう、というのが次の目標だ。
 その第一号として、俺は神父様を選んだのだ。
 神父様には、好評・不評を計るバロメーターになってもらうと共に、我が同志にもなってもらうのが狙いだった。

「で、ロディフィスが私をここへ連れて来たのは、そんな事が聞きたいからと言うだけではないのではないですか?」

 流石は神父様だ。察しが良くていらっしゃる。
 伊達に長い付き合いはしていないという事か……

「はい。実はですね……」

 俺は、“村に銭湯を造ろう”計画の全容を神父様に説明した。
 俺が村に大きな浴場を作ろうと思っている事、その資金をソロバンの売り上げから出そうと思っている事、そのためには多くの村人からの賛同してもらわなくてはいけない事、そのために神父様には試金石になってもらった事、そして神父様には是非とも我が同志となってもらいた事……
 包み隠さず、俺は全てを神父様に話した。
 変な隠し事は信用問題に関わるからな。
 それから俺は、風呂が如何に素晴らしいものであるかを、神父様にとうとうと話して聞かせた。

「……なるほど……ロディフィスの考えは理解しました」

 神父様は腕組みをして、一つ頷いた。
 そして……

「では、小規模でもいいのでロディフィスの言う“本物の風呂”と言うのを作るのが、一番の近道だと思いますよ?」

 と言う、アドバイスを神父様から頂いた。

「もし、その“本当の風呂”がロディフィスの言うような素晴らしいであるなら、使った者の内から自然と要望する声が出るようになるでしょう。
 ……出なければそれまで……と、なりますけどね」

 最後の言葉は、若干苦笑交じりに神父様は言った。
 ふむ、やはりその手になるか……
 神父様の考えは、大体俺と同じだった。
 いくら幾千幾万の言葉を並べたとしても、“風呂”の良さを伝えるのは難しい。
 それだけで、賛同者を募るのには無理がある。
 ならば、実際に入ってもらえばいいのだ。
 流石にこの生簀いけすでは多くの人たちを説得するのには無理があるだろうから、小さくとも質の良い物を……と、言う訳だ。
 事実、大衆洗濯場を造る切っ掛けになったのも、試作型洗濯機を皆が競い合うようにして使ったのが事の始まりだ(直接的な原因は、それによって試作型洗濯機が大破した事だが)。
 それが“良い物”であれば、誰だって高く評価してくれる。
 つまりはそう言う事だな。
 それにもし、評価がもらえなくても作った物は俺が個人的に使えば良いだけで、何の問題も無い。
 よしっ!
 そうと決まれば、早々に準備を始める事にしようしようではないか。

 と、言う訳で数日が経った……

 小規模サイズの風呂は思いの他簡単に仕上がった。
 一時間目の読み書きの時間、そして授業後の恒例となった水浴びの時間、この2つの時間を使って組み上げたのだ。
 勿論、グライブとリュドは十分に扱き使ってやった。
 ミーシャとタニアはどうしたかって?
 あの子達は何も言わなくても手伝ってくれる良い子たちなので、特に何も言っていない。
 そうだ、こんどイスュの隊商が来たときには何か好きな物でも買ってあげよう。
 グライブたちは知らん。自分の小遣いで好きなものを買えばいいと思う。
 で、作った浴槽の数は、取り敢えず3つだ。
 浴槽部分は、大衆洗濯場を造る時にあまったレンガを流用して作った。
 ぶっちゃけ、見た目は洗濯槽そのものだ。
 だから、追加で用意したレンガは、ボイラー部分に該当する加熱用の魔術陣の部分だけだった。
 設置したのは水浴びに使っていた川の近く、もっと言えばあの試作で造った生簀いけすの近くだ。
 本当は、もう少し立地の良い場所に設置したかったのだが給水の関係上無理だった。
 浴槽への給水は、あのパイプの様な竹を使う。
 竹には水の流れを制御する魔術陣が刻まれており、竹の口を川にぶっ込んで魔術陣を起動させれば勢い良く水を汲み上げてくれた。
 浴槽の中には木の栓がはめられており、溜まった水はこれを抜けば排水出来るという何とも簡素な作りをしていた。
 この試作風呂の目的は、あくまで“風呂の良さを広める為の物”であるため、特別凝った作りはしていない。
 凝った物を造るのは、銭湯を建てる時でいい。
 と言うことで、折角完成したのでついでに試運転も兼ねて入って見る事にした。
 大人でも十分に余裕を持って入れるように、それなりの広さと高さを備えた浴槽は、子どもの俺たちが中に入るには多少高い。
 なので適当な石を置いて足場とした。
 ちなみに、子ども一人でも用意が出来るか確かめるために、グライブとリュドには俺の真似をしてそれぞれ一つずつ風呂の準備してもらった。
 最初の竹を使って水を浴槽に入れる所だけ多少手間取っていたが、そのあとは特に問題も無く準備は進んだ。
 正式に銭湯を造る時は、もっと楽な給水方式を取り入れるつもりなので、今だけは我慢してもらうしかないな。
 入れた水かさは、浴槽の七割くらいの量だ。
 子どもが座ったときに、肩の高さまでお湯がこればいいので、これで十分だろう。
 今回、試作風呂を作るに当たって加熱システムを多少改良した。
 普通は、熱源を用意して、その熱量を水へと移す事で水の温度が上昇しお湯となる。
 五右衛門風呂やドラム缶風呂なんかを想像すると、分かりやすいだろうか。
 しかし、この魔道具による“加熱”とは、従来の加熱方法とはまったく違う。
 まず、“熱源”を必要としないのだ。
 では、どうやって加熱するのかと言えば、“水そのもの”に熱量を直接ぶち込んでいる。
 イメージとしては、電子レンジでチンしている感覚に近いかもしれないな。
 勿論、普通にレンガに窯元に使ったような加熱魔術陣を使って加熱して、熱くなったレンガで水を温めると言う方法も無くは無いが、正直二度手間になるので止めた。
 だってそうだろ?
 レンガを加熱してから、水を温めるより、レンガを加熱した熱量を、そのまま水に与えた方がマナの消費も少なくて済むし、熱する時間もずっと短くなる。
 俺が生簀いけすで行っていた加熱実験とは、つまり“水もしくは空間そのものに熱量をそのまま付与する事が出来るのか?”と言うものだった訳だ。
 結果は見事成功。
 だから、今回は“追い炊き”機能を追加してみた。
 正直、この“熱量を直接ぶち込む”と言う加熱方式では、追い炊きが出来なかったのだ。
 いや、出来ないようにしていた、と言う方が正確だな。
 この加熱方式には、洗濯槽と同じく“一定以上の大きさの生物が入っている場合、機能しない”というロックを掛けていた。
 なぜかと言うと……
 人が加熱の効果範囲にいた場合、人体にどんな影響が出るか分からなかったからだ。
 何事も無く水だけが加熱されるかもしれないし、最悪“電子レンジ猫事件”のような凄惨な事になってしまうかもしれない……
 俺はリアルで人が“ひっひっひ、ひでぶっっ!!”と叫びながら爆発する所なんて見たくはない。
 そう考えたら、とても試す気にはなれなかったのだ。
 だからこそ、追い炊きは初心に帰り基本的な方法で加熱する事にした。
 そう、浴槽を構築しているレンガの一部を直接発熱させる方式をここで採用したのだ。
 ボイラー部分である魔道具の内部には、レンガ一つ分ほどの空間が浴槽と環状に繋がっていた。
 その一番浴槽から離れた部分に、この発熱レンガを設置することで、追い炊き機能を得ると同時に、高温になっている発熱部分に直接触れる危険性を減らしているのだ。
 これは日本の風呂釜とほぼ同じ機構だったりする。

「では、入ってみますかねぇ~
 えいこらしょっと……」

 前回の生簀いけすの実験機では、完全に手動まかせだった加熱時間を今回は一定時間だけ加熱するタイマー式にした。
 “ぬるい”と思うやつは、勝手に追い炊きしろと言う事だ。

「あったし、ロディと一緒には~いるっ!」
「じ、じゃわたしもっ! 一緒に入るっ!」

 と言う事で、何故か二人して俺が了承するよりも早く浴槽へと飛び込んできた。
 まぁ、別にいいけどね……
 広さは大人だってゆったり入れるくらいのサイズにはしてあるから、子ども三人が入った所でまだ若干の余裕はあるが、三人も入ってしまった事で一気に水かさが増してしまった。
 三人とも立っている状態だと言うのに、既に浴槽内の水位はすり切り一杯となっていた。
 これって、皆で座ったらザッパーするんじゃないか?
 勿体無い……とも思ったが、別に水道代を出している訳でもないから別にいいのか?
 まぁ、結局タニアが浴槽内でこれまた派手に暴れまわった所為で、水かさはあっと言う間に激減。
 こぼれる前に掻き出されてしまった訳だが……
 この子はもう少し落ち着きを持つべきだな、うん。
 片やミーシャは、そんなこたぁ知らん! とばかりにほけーっとした顔で俺の隣で静かに座っていた。
 この子はこの子で何だか大物になりそうな気がした……
 何だかんだで、グライブやリュドにもそれなりに好評だったようで、俺たちは作業の後の一っ風呂を浴びてから、家に帰る事になった。
 帰りは勿論俺の愛車で送る事になったのだが、“動かしたいっ!”と言うグライブとリュドのたっての頼みで運転は彼らに任せる事にした。
 二人で分担したため距離が短かったおかげか、それとも以前の経験から耐性が付いたのか、グライブは魔力欠乏症に陥る事無く家まで辿り着く事が出来た。
 リュドは何でも、簡単な魔術は日頃から使っているとかでマナを消費する事には慣れているらしい。
 まぁ、別に神父様から魔術を教えてもらっている者以外、魔術を使ってはいけない、なんて決まりがある訳でもないからな。
 親や知り合いから、魔術を教えてもらう事だってあるだろう。
 さて、では、早速今日の夜辺りから親父や妹たちを連れて入浴に行くとしますかね。
 ママンは……女の人なので流石に野外で全裸と言うのは抵抗があるだろうから、誘うのは止めておこう。
 そう考えると、簡単な衝立ついたてくらいは用意した方がいいものしれないな……
 女性陣から、自分たちだけ入れない、と言う苦情が来るかもしれない。
 でも、それも追々でいいだろう。
 まずは今日家族を連れて行って感想を聞いてから、後日村人に案内して反応を確認して……
 要望があれば、その時にでも衝立ついたてを作ることを考えればいい。
 全てはそれからだ。
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