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第一章
そういえばそんなスキルもあったなぁ
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「ドニー様、こちらは?」
「これがピザの女王、マルゲリータピザだ。まぁ、本当はモッツァレラチーズを使ったりしなきゃいけないんだが、そこはおいおいだ。まずはみんなで食ってみてくれ」
俺は村長に説明をしながら小さいピザカッターでピザを切り分ける。
だが、誰も手をつけようとしないので、先に俺が食べて見せることにした。
マルゲリータを一切れ、外端を少し折り曲げて持ちあげ、チーズがいい感じに伸びる。
チーズが落ちないうちに俺はおそらくピザで一番美味しいであろう先端を口に入れる。
いつも作っているピザに近いものができたから概ね満足のいくものになっていると思う。
「うん、美味しくできてんな」
俺のピザを食べる様子を見て、みんなが恐る恐るピザに手を伸ばす。
みんなはピザを数秒見つめてから思い切ってピザを口に入れた。
「う、うまぁー!」
「美味しい! 何これ!」
「こんな美味しいもの食べたことないよ!」
子供達には好評のようだ。俺はヌンの方にも目を向けるとしばらくピザを咀嚼して飲み込むと笑顔になる。
「本当に美味しいです。こんな食べ物、王都でも見たことありませんよ」
異世界の王都といえば国で一番発展している街のイメージがあるが……。
「王都にもなるともっと美味しいものくらいたくさんあるだろ?」
「確かに美味しいものもたくさんありますけど、冗談抜きでこのぴざ? は群を抜いて一番美味しいです!」
「まぁ、そういってくれるならピザ職人冥利に尽きるわ」
「うぅ……」
ヌンとそんな話をしているとピザを食べた村長が胸を抑え込んでいる。
「そ、村長どうした!? やっぱりちょっと村長には重すぎたか!?」
「ぬおぉぉぉ! なんじゃこのうますぎる食べ物わぁぁぁぁ!」
急に村長が頭を上にむけ叫び出した。
てか、体が大きくなってねーか!?
「パリッとした食感の後に、噛むごとにふわふわの食感へと変化し、その間にもトマトの強烈な酸味とこの白い牛乳の塊がまろやかな酸味が口に広がりマッチしておる! この緑の草の爽やかな風味が鼻を抜けてアクセントになり、喉を通った時に最高の幸福感を味わう! まさにこれは、全身で味わう最高の料理じゃあ!」
さっきまで子供と同じくらいの身長でちんまりしていた村長が、急に高身長ムキムキマッチョな体になったぁ!?
「素晴らしい……不思議とこれを食べると力がみなぎっておるわ」
いやいやどこぞのラスボスみたいなこと言ってる場合か!?
「ドニーさんドニーさん」
ヌンに肩を軽く叩けれて、耳を向けるとヌンが耳打ちしてくる。
「あのピザを食べた後、私たち全員に体力増加のバフがかかっています。どうやらこれも、ピザ屋のスキルの効果のようです」
スキルを持っている人が作るピザは特殊な効果を得るってやつか。
にしても、村長変わりすぎだろ……。
子供達までマッチョにならなくてよかったと、俺は胸を撫で下ろした。
「これがピザの女王、マルゲリータピザだ。まぁ、本当はモッツァレラチーズを使ったりしなきゃいけないんだが、そこはおいおいだ。まずはみんなで食ってみてくれ」
俺は村長に説明をしながら小さいピザカッターでピザを切り分ける。
だが、誰も手をつけようとしないので、先に俺が食べて見せることにした。
マルゲリータを一切れ、外端を少し折り曲げて持ちあげ、チーズがいい感じに伸びる。
チーズが落ちないうちに俺はおそらくピザで一番美味しいであろう先端を口に入れる。
いつも作っているピザに近いものができたから概ね満足のいくものになっていると思う。
「うん、美味しくできてんな」
俺のピザを食べる様子を見て、みんなが恐る恐るピザに手を伸ばす。
みんなはピザを数秒見つめてから思い切ってピザを口に入れた。
「う、うまぁー!」
「美味しい! 何これ!」
「こんな美味しいもの食べたことないよ!」
子供達には好評のようだ。俺はヌンの方にも目を向けるとしばらくピザを咀嚼して飲み込むと笑顔になる。
「本当に美味しいです。こんな食べ物、王都でも見たことありませんよ」
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「王都にもなるともっと美味しいものくらいたくさんあるだろ?」
「確かに美味しいものもたくさんありますけど、冗談抜きでこのぴざ? は群を抜いて一番美味しいです!」
「まぁ、そういってくれるならピザ職人冥利に尽きるわ」
「うぅ……」
ヌンとそんな話をしているとピザを食べた村長が胸を抑え込んでいる。
「そ、村長どうした!? やっぱりちょっと村長には重すぎたか!?」
「ぬおぉぉぉ! なんじゃこのうますぎる食べ物わぁぁぁぁ!」
急に村長が頭を上にむけ叫び出した。
てか、体が大きくなってねーか!?
「パリッとした食感の後に、噛むごとにふわふわの食感へと変化し、その間にもトマトの強烈な酸味とこの白い牛乳の塊がまろやかな酸味が口に広がりマッチしておる! この緑の草の爽やかな風味が鼻を抜けてアクセントになり、喉を通った時に最高の幸福感を味わう! まさにこれは、全身で味わう最高の料理じゃあ!」
さっきまで子供と同じくらいの身長でちんまりしていた村長が、急に高身長ムキムキマッチョな体になったぁ!?
「素晴らしい……不思議とこれを食べると力がみなぎっておるわ」
いやいやどこぞのラスボスみたいなこと言ってる場合か!?
「ドニーさんドニーさん」
ヌンに肩を軽く叩けれて、耳を向けるとヌンが耳打ちしてくる。
「あのピザを食べた後、私たち全員に体力増加のバフがかかっています。どうやらこれも、ピザ屋のスキルの効果のようです」
スキルを持っている人が作るピザは特殊な効果を得るってやつか。
にしても、村長変わりすぎだろ……。
子供達までマッチョにならなくてよかったと、俺は胸を撫で下ろした。
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