魔法の数字

初昔 茶ノ介

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2章:学園生活

教室での出会い

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朝食を食べ終えた私達は1度お互いの部屋に戻って荷物を取りに行く。

実はハナちゃんとレインは同じ部屋で最初はすごく不満があったらしい。
しかし、一昨日と昨日にクロくんを一緒に追いかけ回したこともありライバル的な感じになっているように私は見えたのでよかった?と思う。

「リンさん、今日はペンとノートだけでいいらしいですよ」

「そう…なの?」

「はい、なんでも私達の担任の先生は今年からの新任教師らしいです」

「そう…なんだ。どんな…人?」

「さぁ…私の情報によると女性の方らしいです。なんでもこの学校を次席卒業した秀才だとか…」

「ふぅ…ん…」

そんな話をしていると扉からノックの音が聞こえた。

「いつまで準備してるのー?いくよー?」

「あ、今行きますよ。行きましょうリンさん」

「うん…」

ハナちゃんに呼ばれて私とルナちゃんは部屋を出て4人で学校に向かう。
朝ということもあり学校への道は生徒でたくさん。
魔法学園は初等部、中等部、高等部、研究生があり、初等部は6年、中等部、高等部は3年、研究生は研究内容や成績によって差があるらしいがだいたい2~4年程らしい。研究生にならず高等部を出た時点で働きに行く人もいるらしい。

初等部と研究生は私服でもよくて、中等部、高等部は制服が用意されており、変わった制度だなぁと思った。

歩いている人の中にユウお姉さん達を見つけたので挨拶に行くことにした。

「ユウお姉さん…おはようございます」

「あら、リンちゃん。おはよう。そっか、新入生は今日から授業かぁ。こっちの子達はお友達?ってルナちゃんじゃない」

「ユウさん、おはようございます」

「ルナ、知り合い?」

「えぇ、姉がお世話になってるんです。それで、うちの姉はどこに?」

「それが…いつも通りというか…」

「また寝坊ですか?全く困った人ですね」

((いや、あなたも朝寝坊してたけどね…))

「じゃあ…ルナちゃんのお姉さんは…マチさん…?」

「はい、リンさんはどこで知り合いに?」

「初めて…寮来た時に…知り合った」

「そうですか。あの人は騒がしいですからね」

((6歳の妹に言われるって…マチ…))

ユウお姉さんとマナお姉ちゃんはなんとも言えない顔になっていた。

「ところで、あなた達のクラス新しい先生なんですってね」

「そうらしいですね。ユウさん達はどんな人かご存知ですか?」

「さぁ…マナ、知ってる?」

「私も知らないなぁ…気になるから今度どんな人か教えてね。それじゃあ私達こっちだから。ばいばーい」

そう言ってマナお姉ちゃんとユウお姉さんは高等部の玄関に入っていった。
魔法学園はたくさんの学年があるため、校舎の中で行き来はできるようになってはいるが、玄関は別々になっているのだ。

私達も初等部の玄関へ向かい、ちょうど校門の前でクロくんとゴウくんに会った。

「クロくん、ゴウくん…おはよ…」

「おっす、相変わらず眠たダルそうだな!リンは!」

「あんたは相変わらずうるさいわね」

「んだとこのやろー!」

「お前は少し静かにしてろ、馬鹿がバレるぞ」

「てめーらなー!」

どこにいても3人は変わらないなぁと思った。

「あぁ、やっぱり馬鹿なんですね」

「試験の時からまさかとは思ってましたが、馬鹿だったんですか」

それに便乗するレインとルナちゃん。

「揃いも揃って馬鹿馬鹿いうんじゃねー!」

ゴウくんの叫び声にみんなが笑う。
みんな仲良しでこれからの学園生活が楽しみになってきた。

1組の教室に入るとまだ誰も来ておらず、教室の前にある掲示板には自分の席がどこか書いてある紙が貼ってあった。
教室の中は前に教卓があり、そして長い机と椅子が並んでいる。

とりあえずみんな自分の席にカバンを置いて教室を見回った。

「だー!いっちばんにゃー!」

しばらくすると教室の扉が勢いよく開いて女の子が入ってきた。

「あれー?1番じゃなかったにゃー…あ!あなた!」

女の子は駆け足でゴウくんに近づいていく。

「あなた、ゴウ・カラマスくんだよね!?」

「お、おう…」

ゴウくんはその子の勢いに壁に追いやられていた。

「いやぁ、君の魔法にはまいったにゃぁ、ほんとに恐れ入ったにゃ!」

な、なんと!みんなが的外れとかいろいろ言ってるゴウくんの魔法を褒める人がいるとは!
その場にいたゴウくん以外の全員が驚いていた。

「そ、そうだろうそうだろう!俺の魔法は最k…」
「まさか試験で的にも当たらない魔法を使うなんてさすがのクレアも予想つかなかったにゃー!」

「ぐはっ…」

(((あぁ…そういう意味でか…)))

「お前!いきなり失礼すぎるだろ!」

「あぁー!!あなた!」

「人の話を聞けー!」

その子はゴウくんを完全に無視して次は私に近づいてきた。

「あなたリン・セルフィアちゃんだよね!?」

「え…うん…」

「あの魔法!剣を吸い込むやつすごかったにぁー!クレア、始めて人の魔法みて感動しちゃったにゃー!」

「えと…ありがと…うぅ…」

私はあまりに近すぎるので恥ずかしくなってハナちゃんの後ろに隠れた。

「リ、リン…その人見知り直さなきゃ…」(可愛い…)

「だ、だってぇ…」

「にゃにゃー?リンちゃんは恥ずかしがり屋さんかにゃー?」

気がつくと目の前にクレアと名乗る女の子がいた。それに驚いて私はハナちゃんを間にクレアちゃんから隠れた。

「にゃははー!学年1位の子はどんな子かと思ってたらすごく可愛い子で安心したにゃー」

クレアちゃんはそう言って掲示板のところに走っていき、私の席の横にカバンを置いた。

「なんとリンちゃんの隣の席!ラッキーにゃー!」

そう言ってまた私に近づいてくる。

「仲良くしよーにゃー!数少ない特殊属性もち同士!」

「…え!?」

クレアちゃんの言葉にその場の全員が固まった。




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